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CRMデータアナリストが言いたい、「優良顧客」って各社違うという話

アナリティクスチームの風林です。

私は、2016年に入社し、現在アナリティクスチームマネージャーとして、消費財メーカー、飲料メーカー、スーパーマーケット、人材紹介会社などのデータ分析やマーケティングリサーチなどに携わっています。

この記事では、顧客(CRM)データ分析に多数携わってきた経験から、顧客ステージの定義の考え方について解説していきます。

優良顧客の定義をどう決めるか

データ分析手法でいえば、RFM分析を使った顧客ステージ分類が最も一般的で基本になると思います。

実際、私が携わったクライアントでも、RFMの1軸もしくは2軸を組みあわせて条件にするケースが多いです。
この場合、どの軸を組み合わせるべきか、顧客ステージを分ける基準をどこに設定するのがよいか、をデータから見つけていきます。

次に、RFM以外の指標を使うケースとして、化粧品ブランドを例に顧客定義を決めるまでの流れを解説します。

まず、ブランドの顧客購買データを預かり、売上構造や顧客の流入・流出など、顧客の状況を可視化します。
その結果、そのブランドには強い定番商品があることが見えてきました。

そこで、「定番商品である化粧水を買っているか否か」が顧客ステージ分類の軸になりそう、という仮説を立てました。

そして、その商品を軸にさらに深堀り分析をしたところ、「化粧水を5本以上買う方はその後も継続率が高い」という結果が見えてきました。

そこで、以下のように顧客ステージを定義しました。

化粧品ブランドの顧客ステージ定義  
 トライアル:化粧水を1本購入
 リピーター:化粧水を2~4本購入 
 固定ユーザー(優良顧客):化粧水を5本以上購入 
  ※リピーターと固定ユーザーは購入回数の条件も含む

このケースでは、「その商品をいくつ買っているか」で顧客ステージを定義しています。
強い定番商品があり、その商品の利用数により“ブランドへの定着度合”を測ることができる、と判断できたため、この定義としました。

このように、顧客ステージを定義する方法は、扱う商材や業種によっても各社異なります。
様々な角度からデータを見て、特徴的な部分が見えた時は、アナリストとしてはそれまでの苦労が報われる瞬間です!

今も昔も変わらない、CRMの定石

長く続くコロナ禍において、消費者の生活習慣やB2Cビジネスの環境が大きく変化しています。
小売業においては実店舗が苦戦する中、消費者のEC利用増への対応として、デジタルシフトをどのように進めていくか定まっていない企業がまだまだ多い状況だと思います。

しかし、企業の売上を支える顧客層について正しく理解し、顧客の獲得・維持・育成を進めるCRM(顧客関係管理)の定石は、コロナ以降も変わりません。
変化し続ける顧客への理解を深め、しっかりとらえることがマーケティング戦略を考えるうえで重要です。

フュージョン株式会社では、データ分析や顧客定義に関するコラムを発信しています。ご興味あればこちらも合わせてご覧ください。

◆顧客分析で把握すべき2つのポイント

▼優良顧客を定義する指標の考え方

▼顧客定義がなぜ必要なのか?データ分析から顧客ステージを定義する手法

顧客分析のオンラインセミナーを開催

私がこれまでデータアナリストとして顧客の分析~活用に携わってきた実務経験を活かし、顧客分析に関するオンラインセミナーを開催します。

CRM戦略を始めるうえでの第一歩となる顧客ステージの定義(優良顧客の見極め)について、その目的と業種別の事例から、おさえておきたいポイントを解説します。

さらに顧客定義後のアクションとして、施策への展開、詳細分析やKPIへの落とし込みなど、顧客定義をマーケティング活動にどのように活用すべきかを具体例を基に学べます。

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