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【第3回】マーケティング業務の理想の姿は?- 業務設計で現場とシステムを接続

フュージョン株式会社はCRM領域を得意とするマーケティングカンパニー として、長年CRM戦略策定や施策設計・実行支援を伴走型で支援しています。

今回、マーケティング支援のプロフェッショナルであるフュージョンが、業務設計のプロフェッショナルである株式会社CaTラボ代表取締役の逸見さんと協力し、戦略と実行をつなぐ位置づけとして新たに立ち上げたサービスが「マーケティング業務設計支援サービス」です。

この全5回の記事シリーズは、オムニチャネルコンサルタントの逸見さんと、フュージョンのサービス立ち上げメンバーが、対談形式で新サービス立ち上げの経緯や感じたこと、魅力などを語る企画です。

第1回「マーケティング業務設計支援サービスでマーケティングの課題解決を」
第2回「オペレーション業務目線での魅力とは」

第3回は、システム運用・保守やオペレーション業務の支援部署に属する二人が、現場やマネジメントの観点で業務設計の意義や魅力を語ります。


はじめに

逸見:まずは自己紹介をお願いします。

渡辺:ソリューション第1グループ2部エンジニアリングチームの渡辺です。マネージャーとしてチームメンバーのマネジメントを行いつつ、フュージョンが提供しているインフラまわりの運用・保守を行っています。

花澤:ソリューション第2グループ2部の花澤です。私は2部の部長とオペレーション第1、第2チームのマネージャーを兼務しています。私は実務担当というよりも、チームの体制を調整したり、まさに業務フローを活用するような、チームの課題を整理したりするマネジメントの役割です。

渡辺(左)、花澤(右)
初めての対談形式で緊張しながらも楽しむ二人

業務設計による見える化で現場とシステム・オペレーションを接続

逸見:早速業務フローというキーワードも出てきましたが、お二人の業務と業務設計の接続はどのような形だと感じていますか?

渡辺:私の部署はシステムの運用・保守を担当する部署なので、元々現場との距離があるように感じています。でもクライアントに貢献するためにはそれではいけないな、と感じていて、業務設計を活用することで現場とシステムの隙間を埋めていきたいなと思っています。

逸見:システムはシステム、営業は営業となりがちですが、しっかり繋がっていないと業務が上手く回っていかないというのは、まさに業務設計の肝ですよね。

花澤:私の部署はオペレーション業務を担当するので、自分達も業務設計を理解してフローを整理することが活きてくるという感じでしたね。

逸見:最初に業務設計って言われた時にどんな内容をイメージしましたか?言葉だけだと人によって認識がぶれるんですよね。マニュアルを思い浮かべたり、フロー図を思い浮かべたり。

渡辺:私は作業工程の上流の方をイメージしましたね。実際に取り組んでみて、クライアントの要求を正確に嚙み砕いて課題定義するあたりは、想像通り上流工程だったと感じました。
システム運用・保守という実務で考えると、今回取り組んだ業務設計は「何をやりたい」という部分やプロセスを明確にして処理工程を仕組み化していく部分が明確になるので、通常の要件定義よりも細かい部分を詰めることができるんですよね。
システム開発でも重要なのですが、運用フェーズになった時の肝の部分をしっかり把握できるな、と感じました。システムはよく開発と運用で別々の人が行い断絶されがちなのですが、ちゃんとそこを両方とも把握できることが業務設計のメリットだな、と。

花澤:私は新しく何かを作るのが業務設計なのかというイメージがありました。どちらかと言うとコンサル寄りのイメージだったのですが、実際に携わってみた結果、「見える化」するというイメージになりました。
オペレーションは、ひとつひとつの作業の細かい所はルール化されているのですが、その作業が全体の中のどこに当たるのか、というのを見失いがちになります。全体が見えていれば気づけたようなことに気が付けず、マニュアル通りの一部分の作業をしたところ別の部分で問題に発展した、ということは起こりえます。
クライアントの担当部署が複数の場合、それに合わせて使うツールも複数あったりして、関連性が見えづらく、より複雑化する要因にもなっているんですよね。それらが絡み合った状態を解きほぐす工程が業務設計なのかな。

逸見:確かにコンサルティングフェーズと思われがちなんですけど、もっとベタな作業なんですよね。私はいつもコンサルと言いつつ業務設計をやると「コンサルじゃないんですか?」って驚かれてしまうんですよね。でも「これがコンサルですよ。業務設計をちゃんとしておかないと先に進めないんですよ。」と説明しています。

業務のあるべき姿は?複数人でのディスカッションと業務フロー図の重要性

逸見:今回は、最初の取り組みとして自分たちの業務の「あるべき姿」を考えてもらいましたがどうでした?

渡辺:大変でしたね・・・。でも一人で根詰めて考えてもわからないものを、複数名がいる場で、複数の視点で議論すると全然違うものの見え方ができて、一気に話が進んでいった感覚がありました。

花澤:確かに大人数でやってよかったですよね。一人でやるときっと考えても上手く出てこなくて変な方向にいっちゃうこともありそう。複数名でフラットに色々なことを言い合って、否定せずに色々な角度から考えていくことであるべき姿のイメージが整ってくるんですよね。しかも、課題とあるべき姿は1対1ではなくて、複数の課題が一つのあるべき姿だったり、逆に一つの課題に対してあるべき姿が複数出てきたりすることもある。

渡辺:だからこそ色々な人とディスカッションしてあるべき姿を導くことで、よりよいものが出来上がっていくんですよね。

複数名でディスカッションしていくうちに、挙げられた課題を「ひっくり返して」あるべき姿を考えるというのが徐々に理解できるようになっていきましたね。

逸見:だからこそデジタルで綺麗にやるのではなく、ポストイットに書くというアナログな手法が適しているんですよね。グルーピングさせたり移動させたりしやすいんです。

花澤:そうでしたね。それぞれが挙げた課題やあるべき姿をまとめたりしましたよね。このあるべき姿は一緒だよねとか、このあるべき姿に対しては複数の課題があるよねとか。
きっとクライアントさんの部署でも複数のメンバーでやってもらうことで精度を上げていけるんだろうな、と感じました。

逸見:いざ業務フローを書いてみる段階になった時にはどうでしたか?

渡辺:実際に業務フローを書いて、それに基づく課題を整理してみたわけですが、出来上がった業務フロー図を見た時に思ったよりも大きな問題がないな、と気づいた時はある意味驚きましたね。課題ってもっと一杯あるものという思い込みがありました。実際フローを考えてみると結構綺麗になっているものもあって、新鮮でしたね。

逸見:整理していくとそういうことにも気がつけるんですよね。みんな問題はたくさんあるって思いがちなんですけど、整理するといくつかのポイントに集約されたりするんです。

花澤:そうなんですよね。問題がたくさんあると思うとなかなか手がつけづらいんですけど、集約された問題がこれだけなら解決できそうだな、ってなりますよね。
私が業務フローを書いてみて感じたのは、全体最適を考えた時にあの課題とこの課題は解決策が同じ、ということも多々見えてくるということですね。
あと、フロー図の線を引こうとしたけど、線が向かうべき適切な先がない、ということがありました。こういう業務の繋がりを整理するためにも手を動かして書いてみるのは大事なんだなと感じました。課題を見つけだして解決していく優先順を決めるためにも。全体最適の為にはどの課題から取り組んでいくことが大事、ということもフロー図を作成して可視化することで議論しやすくなるんですよね。

渡辺:システムを導入したけど上手く活用できていなくて、一部の機能しか使えていないとか、肝心の業務の効率化ができていないというケースは実際に当社への引き合いでも増えてきていると思うので、益々業務を整理することの重要性は増してますよね。
システムを導入するということは、業務フローのどこかを変える話をしなくてはいけないけど、業務フローがなければ変更する箇所を考えるのも苦労するんですよね。業務を変えるのって現場だとみんな怖いことじゃないですか。

花澤:確かに、業務を変えてミスが出たら困るから抵抗感はありますよね。業務変えても大丈夫だって誰かに担保して欲しいから、ちゃんと業務フロー図を書いて、可視化できている状態にしていきましょうという話になりますよね。

伴走型マーケティング支援で業務設計と成果を最適化

逸見:実際に自分達で業務設計を体験したことを踏まえて、クライアント向けの提案書作成に臨んだわけですが、どうでしたか?

花澤:オペレーションで言えば、例えばメール配信業務を受託した時に最初の業務企画・整理という部分では、実はマーケティング業務設計に近いことを提案書に落とし込んでいたとは思うんですよね。
それを今回の業務設計の提案書の中で、各アクションのフェーズに分けてアウトプットを定義して、社内にも社外にもフュージョンのサービスとして伝えやすくなったのは強く感じています。

渡辺:今抱えている悩みはこういうもので、こんな工程で解決して、こういう利益がありますよ、というストーリーをちゃんと落とし込めたのは説明しやすいものができましたよね。

逸見:先程の花澤さんのコメントの「フェーズ分け」っていのは結構大事だと思っているのですが、お二人的には今回の提案書の中で肝になっているのはどの部分だと思いますか?

花澤:マーケティング業務設計をやる価値を説明する上ではEXとCXの観点に触れているページが肝になると思いますね。

EX・・・Employee Experience、従業員体験
CX・・・Customer experience、顧客体験

渡辺:私はやはり問題解決までのストーリーの部分だと思います。フュージョンがマーケティングの課題について問題解決まで伴走しますよ、という所です。伴走して問題解決して、最終的には自走できるところまで寄り添います、というのがフュージョンのスタイルなので。

逸見:フュージョンの伴走型支援の強みの一つにシステムに強い、というのがあると思うんですよね。マーケティング支援の会社でも、システム面は外部ベンダー頼りだったり、システム自体は強くなかったり、という所が結構あるんですよね。

渡辺:自社サービスの運用もあるので、どうしてもシステムに強いメンバーが必要なんですよね。リソースが必要になってくる分、社内的にもシステムを毛嫌いせずに取り組んでいくという姿勢はありますよね。フュージョンの場合はシステムとオペレーションが表裏一体ということも多いので。

花澤:ベースが伴走支援なのでクライアントがAというツールを使っていればAで対応するし、Bを使っているならBで対応するし、というスタンスです。このツールじゃないとできない、みたいな所は特徴の一つかもしれません。

逸見:フュージョンの領域は普通のマーケティング支援会社じゃできないことが多いんですよね。基幹システムからデータを吐き出して、という感じの話になるとベンダーに入ってもらわないとできない、というような。「伴走」って言ってるのが本当にその通りなんだな、と。オペレーショナルな部分からシステムの領域まで理解して、クライアントと一緒に取り組んでいる。
伴走しながら解決していくから、ブラックボックス化するんじゃなくて工程が見えているわけですよね。なおさらフュージョンとこれからも一緒に色々やろう、となるじゃないですか。

花澤:私が意識しているのは、先方の担当者がどこまでの領域を任されているのかという点です。マーケティング業務設計の提案をして網羅的に話せるようになっても、まず対峙している方の課題解決から取り組んでいかないと自分事化してもらえないと思います。目先の課題を解決して、それはどういうところに繋がっていくか、ということを意識して話をしていかないといけないなと思っています。

渡辺:会社として利益を出さなきゃいけないことは理屈としてはわかっていても、数字と自分がやっている業務がどう繋がっているかっていうのがピンときていないことは多いですよね。マーケティング業務設計支援では、KPIツリーでそういう構造の分解までできるのがポイントだと思います。

逸見:担当者一人で複数の施策の運用をしなくてはいけない。しかも自分は一人だけど施策の承認者はバラバラだし、それをお願いしているコンテンツ制作の会社も違う、ということもありますよね。ただ忙しい、っていう話をしたとしても上長からすると「忙しいのはわかった。でもやらなきゃいけない。」ってなっちゃうだけなんですよね。

花澤:だからこそ、業務フローや課題を可視化して効率化できるようになるとこうやって利益に貢献できる、っていうことを伝えるのが重要なんですよね。業務がスムーズになったらもっと他の事にも取り組める、とか。

忙しいマーケティング担当者の時間を取り戻すために

逸見:ここまででも結構どういうクライアントに使って欲しいサービスか、という部分の話が出ましたけど、改めてどんなクライアントに向いていると思いますか?

渡辺:自分の業務で忙殺されてちゃんと考える時間を取れていない人、というのはフィットする一つの例だと思います。タスクを一杯抱えてて忙しくて処理するだけになっているような。その業務を可視化して改善策を見つけられれば、時間を作ることができて動き出せると思うんですよね。

花澤:私も渡辺さんのコメントは本当にその通りだと思いますね。忙しいけど何とかしないといけない立場の人っていうこともあると思うんですよね。プレイングマネージャーみたいな役割だったり。
問題を取り違えていて、改善できていないとしたらもったいないですよね。複雑に絡み合っている課題を解きほぐして可視化することで打てる手もあると思うので、そんな人に活用してもらえるといいと思います。

逸見:タスクを押し付けるわけではなく、このタスクはこの部署でやる方が早いし成果に直結している、というような流れを把握するためにも、一度整理しましょうということですね。

渡辺:タスクが分解できて定義し直せるだけでも気持ちが楽になりますよね。それだけでもやる価値はあると思うんですよね。そういう人ってついタスクが集まりがちなので。そして気持ち楽になると処理能力もモチベーションも上がりますし、他の人が助けやすくなりますよね。

花澤:タスクがパンパンで気持ちに余裕がない人って逆に助けづらいということもありますからね。こういう達を助けたい、という観点もいいのかもしれません。

逸見:ぜひそういう人達に寄り添って改善の手伝いにできるといいですね。本日はありがとうございました。

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ご興味を持ってくださった方は、ぜひご覧ください!

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