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ふしぎデザイン通信

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「作り、考え、伝えることで不思議な価値を生み出すデザインスタジオ」ふしぎデザインが考えていることや、仕事の舞台裏を紹介するマガジンです。
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記事一覧

Prusa MK3S+のベッドを大きくする改造をした

Prusaクオリティででっかい造形物をプリントしたい…… しかし、Prusa XLを買うお金(約30万円)はない…… ということで、手元にあったPrusa MK3S+を改造して大きくすればよいのではないか?と24年のはじめに思い立ちました。 結果から言うと、大きくできました!オープンソース最高!! もともとのPrusaMK3のベッドサイズはX250mm Y210mm Z210mmですが、それをX340mm Y304mm Z210mmに拡大することができました。以下、詳しい内容

「Ways of Being」に登場した変なコンピュータ(など)のまとめ

人間以外の知性がどれほど多様で、どのように働いているかを様々な側面から書いた「WAYS OF BEING」を読んで、作品づくりやデザインの参考になりそうなコンピュータ(など)についてまとめた。ほとんどの事例は第六章「ノンバイナリーな機械」より引用しているが、それ以外の箇所で触れられた作品も多い。 既存のコンピュータは0と1で計算するバイナリーのコードを用いるが、「コンピュータのようなもの」はそれに限らず、多様な制御方法やアウトプットをもつ。著者はそれら「ノンバイナリーな機械」

相互参照するメディアと人体

はじめにこの記事を書き始めたのは2024年の4月7日なのですが、そのとき僕のYoutube上では星街すいせいさんの「ビビデバ」という曲に関する動画がアホほどレコメンドされていました。 もともとVtuberが好きでずっと雑談配信を見ていたので、Youtubeからしてみればレコメンドするにはいいカモなのかもしれません。友人に教えてもらったこのMVを見て、いい曲だな〜と思いつつ何回か再生していたら、関連動画やリミックスした動画でYoutubeショートが埋め尽くされる勢いになって

デザインって良くも悪くもなるよねという話

この記事は、はてなブログに2018年に書いた記事をnoteに再録したものです。 最近、STS(科学技術社会論)やバイオテクノロジーのELSI(倫理的・法的・社会的問題)と呼ばれる分野の研究をしている方々とお仕事で関わることが多い。 ゆらぐ はなす つなぐ Gene Drives Elastic Future | ふしぎデザイン 分野の名前が難しいので想像しづらいかもしれないが、要するに「科学技術を社会になじむようにする方法を考える」分野だ。(僕の理解です。実際は違うかも

すこしふしぎなデザインのための「ぶっ壊れ」(Image Cast#133より 後編)

このテキストは、Image Clubのあずまさんと鉄塔さんが行っているポッドキャスト「Image Cast」#133に、ふしぎデザインの秋山がゲストとして出演したときの配信をベースにしたものです。テキストの書き起こしには、webサービス「Podex」を利用させていただきました。記事タイトルにもなっている素敵なタイトルはあずまさんによるものです。 テキストに書かれていない部分も音声ではお楽しみいただけますので、ぜひお聴きください! 〜前編のあらすじ〜 風邪を引いてお休みのあ

すこしふしぎなデザインのための「政治」(Image Cast#133より 前編)

このテキストは、Image Clubのあずまさんと鉄塔さんが行っているポッドキャスト「Image Cast」#133に、ふしぎデザインの秋山がゲストとして出演したときの配信をベースにしたものです。テキストの書き起こしには、webサービス「Podex」を利用させていただきました。記事タイトルにもなっている素敵なタイトルはあずまさんによるものです。 テキストに書かれていない部分も音声ではお楽しみいただけますので、ぜひお聴きください! 〜あらすじ〜 風邪を引いてお休みのあずまさ

ムーミン谷の冬と居場所について

この記事は、はてなブログ上に書いた記事をnoteに再録したものです。2017年に書いた記事ですが、2024年の今でも今でも同じようなことを考え続けています。 数少ない、何度も読み返してしまう本に「ムーミン谷の冬」がある。 家族や仲間たちがみな冬眠する寒い季節に主人公のムーミントロールが目覚めてしまい、今まで知ることのなかった雪と暗やみの世界に触れる、というお話だ。そこでは明るい夏の世界とは違った生きものや魔法、ルールが存在していて、ムーミントロールは戸惑いながらも彼らの世

ヤンデレUIと俺様UI

家電との再会自宅で使っていた炊飯器の調子が悪くなり、面倒がって半年以上修理に出さずに炊飯器なし生活を送っていました。修理に出して帰ってきたとき、あまりの便利さにびっくりしました。ボタンひとつで美味しいご飯が炊ける!令和に生活する人間とは思えない感性ですが……。それと同時に、炊飯器を始めとした家電のユーザーインターフェイスに改めて向かい合ってみて、これは非常に独特だなとも感じました。 洗濯機や電子レンジ、食器洗い機などもそうですが、白物家電や調理家電の操作体系は基本的に以下の

工業デザイナーとして独立するときにおすすめのこと

はじめにこの記事を読んでくださっている方には、いずれは工業デザイナーとして独立してみたいと考えている人がいるかもしれません。その人たちのために、というと偉そうなのですが……自分が独立した時にやって良かったこと、これをやっておいたらよかったなぁということをまとめてみました。なんとなく20代中盤くらいの人をターゲットに書いてみます。10年前の自分くらいですね。 ※この記事の画像はすべてAdobe Fireflyを使ってAI生成したものです 1. 実務経験を積むフリーランスとし

Antiの気分

Twitter。 いや、もうXになりましたが、とにかくそのアカウントを削除しました。とはいえ削除したのは個人的に使っていたアカウントの方で、Fushigi Products SHOPの広報用アカウントは残してあるのですが。 思えば10年以上使っていて、人生の中でデザインをやっている期間の次にTwitterをやっている時期が長いかもというぐらい愛用していました。なぜやめたのかというと、最近のイーロン・マスクCEOの私物化っぷりにボイコットするような気持ちで、Xの世界から一歩引い

未来についてのあれこれ

年末年始なので、未来について考えたいと思い久々にブログを書きました。 未来は絶望かと思っていたけど、希望もあるかもねという内容です。 1 未来の見た目は変わっていないミライドンの瞳は古い未来? ミライドンというポケモンの話をします。 このポケモンはシリーズ最新作「スカーレット・バイオレット」のバイオレットverに登場し、その名の通り未来を連想させるようなキャラクターデザインが特徴です。 この画像にもあるように瞳がLEDマトリクスのようなドットパターンになっているのですが

博報堂のwebマガジンで紹介してもらいました

ふしぎデザインが、縁あって博報堂のwebマガジンセンタードットの、「Open Innovation Radio」で紹介されました!やった〜〜 詳しくは上記記事をお読みください!! …で終わってしまってはもったいないので、ちょっと記事について書いてみようと思います。 そもそもの経緯このOpen Innovation Radioというシリーズは、博報堂のブランド・イノベーションデザイン局に勤める德田周太さんが企画し、社内向けに発信するトークショーを記事化したものです。第一回の

「上手な絵」でなく「伝わる絵」を描く工夫

※この記事は、京都芸術大学(旧名称:京都造形芸術大学)クロステックデザインコースで担当している1年生向けの授業「造形技術演習」の内容をベースにしたものです。 デザインをはじめ、いろいろな仕事をしていると「イメージを伝える」ことが必要になってきます。 自分が思いついたいいアイデアをチームメンバーに伝えたり、チームで考えた内容を共有するプレゼンをしたり…いろんなシチュエーションがありそうです。 絵で伝えるそんなとき、「言葉だけでなく絵や図で伝える」というのは非常に強力な情報伝

ふしぎプロダクト その2 nuibakeの開発

ふしぎプロダクトのシリーズ第2弾は、在宅ワークをちょっと楽しくする卓上ブラシ、nuibakeです! アイデアのきっかけ昨今の情勢もあり、家にいながら仕事をすることはかなり普通のことになってきたように思います。僕自身、いまは共同アトリエと家の両方で仕事をすることがあり、PC作業などは自宅で済ませることも多いです。 家で仕事をしていて面白いな〜と思うのは、自宅の作業スペースは「プライベートとパブリックが入り混じった空間」だということです。公私混同という言葉が通常はマイナスの意味