お花作った
小さい頃から草花が好きで、最近も趣味は園芸をやっています。デザインや創作をする上でも植物をモチーフにしたものを作ることが多かったのですが、見たり育てるだけではあきたらずついにお花づくりに着手しました。自社ブランドのFushigi Productsで、3Dプリンタで作った「花のフィギュア」を売り始めたのです。
参考にさせてもらった作品
自然の花もよいですが、人間が作った花にも味わいがあります。造花や花の形をしたオブジェが好きで気に入ったものを買って集めており、今回の造形の参考にさせてもらいました。(ありがとうございます)
このナデシコのオブジェはフィンランドのテキスタイルブランドaarikkaのもので、残念ながら現在は廃盤になっているようです。素朴で合理的な材料取りで、かつ花の特徴を捉えたデフォルメがたまらなく魅力的です。
廃盤なのがもったいない、自分でもこんなものを作りたいと思ったのが今回の制作のきっかけだったかも。
現行の花のオブジェとして、ぱっと思い浮かぶのがレゴ社のフラワーブーケです。こちらも北欧のメーカーだけあって、金魚草などいろんな花の表情をレゴのパーツで美しく構成しています。なんとなくですが、春っぽい雰囲気でしょうか。
新工芸舎さんの象花も、開発ストーリー含めてとても好きな作品です。こちらは光造形で形をつくっており、光造形のサポートなし造形条件が植物の発生していく条件に似ているという話を見て目からウロコだったのを覚えています。
omiseさんのBLOOMもとてもかわいい!グラフィカルで手描き感のあるカーブが素敵です。パッケージまで合わせてしっかり展開されてます。見習いたい…!
そんなこんなで参考事例には事欠かないのですが、自分なりの表現として何ができるだろうと試行錯誤を繰り返してゆきました。
今回のモチーフは原種のバラ、バラの実、モミの葉とクリスマスっぽい印象にしてみました。
花のニュアンスは本当に微妙で、形を少し変えるとツバキやケシのように見えてしまったりします。また、本物の植物をどこまでデフォルメするかも難しいです。あまりシンプルだと抽象的になってしまうし、逆にリアルすぎると安っぽい造花の印象に近づきます。花びらの数もどうしようかな、バラの花びらは5枚のものが多いけど、製造上は3枚のパーツを2つ用意するほうが良いし…など、考えることがとても多かったです。
最終的にはシンプルな花びらの形でまとめましたが、花びらと雄しべ雌しべ(中心の黄色いパーツ)の形を変えるだけで無限に遊べそうです。
後加工のスタディ
今回の製品で、造形の大きなポイントとなるのがプリント後の後加工です。
今回使った葉と花びらのパーツは、すべて平面的にプリントしてからお湯に入れて整形しています。3Dプリントに使われるPLAは、樹脂にしては非常に低い温度で柔らかくなる(ガラス転移温度が60℃前後)ため、熱いお湯につけて数秒待つだけでふにゃふにゃになり、手で曲げて整形できるようになるのです。
この方法を使うと、完成形をそのままプリントするよりも非常に簡単かつ綺麗に造形することができます。なにより一つ一つ微妙に形の異なる、植物らしい花びらの印象を再現でき非常に満足しています。
梱包にもひと工夫
パッケージングにも工夫しています。Fushigi Products SHOPの通常の製品はざら紙やプチプチで包装した後段ボール箱に入れて発送していますが、今回は花の形をした商品ということもあり、商品の包装をブーケのように色紙で行いました。
包んであげるとさらにテンション上がりますね!かわいいです。
販売は12/8(日)まで
ということで、新製品「花のフィギュア」の紹介でした。ギフト向けということもあり期間限定販売ですので、気になっている方はお早めに!