さりげない褒め言葉

あなたが時々
何気なく褒めてくれる
言葉一つ一つが
砕け散りそうな今の私を
なんとか繋ぎ止めてくれている

大人になってから
褒められることが
ほとんど無くなった

どんなに頑張ったとしても
無かったことにされたり
いいとこ取りされたり
ダメ出しされることばかり
そんな事の繰り返しの毎日で
心の木はすっかり枯れてしまった
希望の葉も全て落ちてしまった

枯れた心を隠しながら
笑顔で過ごすのは
思った以上にしんどくて
でも笑ってないと
またダメ出しされて
言葉の毒が私を押さえ付けてゆく

あなたの周りの人が羨ましい
あなたの深い懐の中で
自由に泳ぎ回るその人たちは
笑顔と希望に満ち溢れている
それぞれの実力を発揮して
生き生きとしている

私もあなたの側に行けたら
そんな思いであなたを
遠くからそっと見つめる

私とあなたの間には
見えない壁がいくつにも重なって
近づきたいのに
近づけない

でも、あなたを見ているだけで
たまに他愛のない会話をするだけで
生きてていいのかなと思える
なんとなく救われた気持ちになれる

いつもあなたから貰ってばかりの私
あなたに何ができるのだろう

強くて前向きで
いつも笑っているあなた
でも時々心配になる
「大丈夫？」って
声をかけたくなる
でも今は遠くで見守ることしかできない

いつの日か
見えない壁が無くなって
まっさらな気持ちで笑い
お互いに支え合い
成長を喜びあい
夢を語り合える2人に
なれたら嬉しい

今日は思いがけず、あなたから
さりげない褒め言葉をもらった
枯れ果てたと思っていた心の木から
一つだけ小さな芽がひょこっと
顔を出した

今の私の状況は
倒れてしまいそうなほど辛いけど
もう少しだけ頑張ってみようと思った