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興味を仕事に。出前授業で伝える”女子学生の理系の道”

社内外で活躍する社員を紹介する"社員紹介 - Member's voice -"、
その第一弾でご紹介するのはFURUNOのエンジニアとして漁場予測などの研究開発をしながら、”女子学生の理系の道”への進路サポートの出前授業をおこなっている稲川千津さん。
2人のお子さんを育てながらバリバリのエンジニアとして活躍しています。

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趣味はゆるキャラ巡り。FURUNOのマスコット「マイルくん」もお気に入り。

理系の仕事の魅力

稲川さんも参加している出前授業は、武庫川女子大学が実施している教育プログラム「ひょうご理系女子未来塾」の活動の一環。
理系分野をめざす女子中高生を応援するプログラムで、理系分野で活躍している女性と交流する機会を持つことで科学への興味・関心を高め、理系のキャリアを描くサポートをしています。
稲川さんは西宮市・芦屋市の中学校に講師として出張し、ご自身の仕事や進路のことをお話しています。

まずその出前授業について、稲川さんにお話を伺ってみました。

稲川さん「世間で"リケジョ"というワードが良く聞かれるようになってから、これまでも高校生や大学生に進路や仕事の話をする機会がありました。ですが中学生向けに話をするというのは初めてのことで少し戸惑いもありましたね。純粋に仕事や進路の話だけだと興味を持ってもらえないかも知れないと思ったので、中学生のお子さんを持つ同僚に相談して、最初の掴みなどは工夫したり、技術寄りになりすぎないように注意しました。」

私が同席させてもらった授業の最初には「みなさん、最近魚食べてますか??スーパーの魚の値段ってどんどん高くなってるの気づいてますか?」と日常生活に触れていました。そういう狙いだったんですね。

稲川さん「私自身高専出身と珍しいルートなので、"なぜ自分が高専を選んだのか?"については皆さん興味を持っていただけたかなと思います。

講義の中で、「私の目標は社会の役に立つ製品を生み出して、自分の子供たちに「あれはお母さんが作ったやで!すごいやろ!」と自慢することです!」なんて言いましたけど、自分で作ったものが社会の役にたつ、ものづくりで未来を創ることができる、これこそが理系の魅力。
このメッセージが生徒さんたちに届いていると嬉しいですね。」

仕事内容を楽しそうに話す姿は生徒さんにも伝わっているはず

リケジョは何も特別じゃない

稲川さんは中学校卒業後、高等専門学校に進学し、理系の道に進まれました。しかし根っからの理系人間ではなかったとのこと。



稲川さん「出前授業で生徒さん方に届けたいことは”理系って特別じゃないよ"ということですね。
小さいころから数学や理科が好きで、ずっと図鑑を読んでいたり、数学のドリルを解いてるような人だけがいく進路じゃなくて、普通に興味があれば入っていい道なんだよと。

高専卒という珍しいルートなのでなおさら、子供たちが特別に思わないようにフラットな気持ちでお話するようにしていました。
部活動に熱心に取り組んでいたエピソードや高専もオープンキャンパスで楽しそうだったから受験したということをお話して、みんなと同じ様な中学生だったことをアピールしていましたね。」

中学ではソフトボール部に所属。貴重な写真を実家からご提供いただきました。

やってみたいという気持ちを環境で諦めないで


講義では一人一人と向き合って話すことを大事にしていました

これまで4校に出前授業を行った稲川さん。子供たちと触れ合ってどのように感じられたのでしょうか。

 稲川さん「授業を受けてくれた学生さんから「理系の仕事に興味を持った」や「楽しそうに仕事をしている」というコメントをいただいて嬉しかったですね。
「理系の仕事=真面目、退屈そう」というイメージを覆すことができていたら嬉しいです。

今の子供たちってスマホやネットで大人の世界の情報も簡単に入手できるので、仕事はきついものというネガティブイメージも生まれやすいのかも知れないなと思います。
ですが理系の仕事は趣味や興味の延長線上にあって楽しそうだなと感じてもらえるといいですね。」

仕事中にお声がけ、そのときも笑顔で対応いただきました

 稲川さん「実は“リケジョを増やそう”とは私自身はあまり考えていません。どちらかといえば、ご自身が興味をもっていることが理系なのであれば、その道にそのまま進んでもいいよということを伝えたいと思っています。


ただ私の高専時代は40人クラスのうち女子は6人だけでした。私はその点は特に何も思わなかったのですが、中には女子が少ない環境に戸惑いを感じていたり、躊躇する人もいるかも知れない。せっかく理系に興味があるのにそうなると勿体無いなと思って出前授業を引き受けました。
前例をお話しすることで未来の理系女子の背中を押すような授業になっているといいなと思います。」

講義最後の質問コーナーではたくさんの生徒さんから手が挙がり、一人一人と向き合って笑顔で質問に答えている姿が印象的でした。

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沢山の質問で嬉しい時間オーバー

 将来、ご自身のお子さんも興味があれば高専に入ってほしいな~なんて口にしていた稲川さん。
自身が"リケジョ"とも思ってはいないそうですが、まだ世間では"リケジョ"がレアな存在だからこそ、仕事内容や進路を説明する機会にはぜひ参加していきたいそうです。
稲川さんのエールは子供たちにたくさんの選択肢と挑戦する勇気を届けているはずだ。

執筆・撮影 高津こうづ みなと



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