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デザインの巨匠から学ぶこと

こんにちは!デザイナーのfurukawaです。

私たちの生活は様々なデザインに溢れています。いつも目にしている看板、いつも食べているパンの袋、今日飲んだカフェラテ・・・これら全ての商品に『ロゴ』が存在します。

ロゴデザインとは・・
社名や、商品名などを図案化・装飾化された文字のこと。 ロゴによって、コンセプトや特徴、理念なども含めて視覚化したもので、そのもののアイデンティティを視覚的に伝えることができる。

また、有名になればなるほど、ロゴを見るだけで何を指しているのかがわかります。
大きな商業施設などに行った際にインフォメーションボードに羅列するロゴは、知名度が高い店舗ほど、ロゴによって瞬時に判断することができます。
今ではどの商業施設にもテナントを置く『無印良品』もそのひとつです。

今回は無印良品ロゴから紐づくデザインについて掘り下げていきたいと思います。


『デザインされていないことがデザイン』

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無印良品のロゴを見ると、装飾されていない文字がロゴになっています。
ロゴデザインでイメージすることは、図案化したマークがあり、社名や商品名もデザインが施されたものを想像します。


・・・あえてデザインしなかったのはなぜでしょうか?・・・

今では『無印ブランド』として確立していますが、
元々はスーパーの西友のPB(プライベートブランド)が始まりでした。
スーパーで売る商品として、『生活者に寄り添ったブランド』にしたいというコンセプトで展開し、商品ラインナップの中には、生産の段階で形が崩れてしまい商品にはできないが、十分においしいもの。をあえて商品にしたものもあります。

話題になった、『さばの尾肉水煮』はこのコンセプトに沿った商品ですね。

見栄えの良いお腹部分を使った商品の“切り落とし部分”を集めて、お手軽な価格で商品にしたものです。


『日常生活というのは延々と続くもの』という発想から、

生活の中にあっても、自然に馴染むもの。

ロゴマークだけが目立つのではなく、生活の一部として馴染むことをコンセプトにしたのが、今の『無印良品』のロゴでした。


目に止まるデザインを作る考え方に慣れてしまっていますが、
『目立ちすぎないこと』がコンセプトなことに驚きです!


このロゴを作ったデザイナーはグラフィックデザイン界の巨匠だった!

今や、どこでもみる『無印良品』のロゴ。
『あえてデザインしないことをデザインしたロゴ』を作った方はどんな方なのでしょうか。

コロナウイルスの関係で、延期になってしまった『東京オリンピック』。
その前の1964年に行われた東京オリンピックで、海外の方でもわかるよう、マークによって、競技や場所を示す『シンボルデザイン』の作成を取り仕切っていたのが、無印良品ロゴの生みの親であり、グラフィックデザイン界の巨匠である田中一光さんです。

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ちなみにピクトグラムは1964年の東京オリンピックから使用されるようになりました。


このマーク何に見えますか?

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世界共通で伝わる『トイレ』を意味するピクトグラムですね。
このデザインのもとは、1964年の東京オリンピックで、『トイレ』を示すシンボルデザインとして、田中一光さんが提案し、採用されたアイディアです。

当時の話し合いでは、日本のトイレといえば和式。
だが、外国の方には伝わらない。だったらどんなピクトグラムなら伝わるか?という話し合いが行われていたようです。
悩みに悩んだ結果、最後はこのピクトグラムに辿り着き、オリンピックで使われることで世界的に広まる大きなきっかけとなりました。

発想の転換で『全ての人に共通するもの』としてこのピクトグラムのアイディアが出たことにまた驚きです!



日本絵画から多くのことを学ぶ

田中一光さんのデザインは琳派から大きな影響を受けており、手掛けたデザインに落とし込んでいます。

琳派(りんぱ)とは、桃山時代後期に興り近代まで活躍した、同傾向の表現手法を用いる造形芸術上の流派、または美術家・工芸家らやその作品を指す名称である。本阿弥光悦と俵屋宗達が創始し、尾形光琳・乾山兄弟によって発展、酒井抱一・鈴木其一が江戸に定着させた。
出典:Wikipedia

琳派で有名な作品は、俵屋 宗達作『風神雷神図』です。

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田中一光さんは琳派をもとにデフォルメしたデザイン、オマージュしたデザインが多くあり、色使い、レイアウト、デフォルメの表現など、琳派から多くを学んでいたようです。


余談ですが、葛飾北斎が自身の技法を伝承するために、万人に共通して使える『円』を用いて伝えたことも有名です。ここからもデザインレイアウトを学ぶことができます。

葛飾北斎はコンパスを使用して描いたり、黄金比の比率で描いた絵画もあり、ここからも学ぶことがありそうです。
今後、葛飾北斎についても掘り下げていきたいと思います。

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語り継がれるデザインを生み出すために

デザインの巨匠、田中一光さんから、改めて大事なことを教えていただきました。
・ユーザーに寄り添ったデザインをすること。
・誰が見てもわかるデザインをすること。
何百年経っても残る絵画は、デザインの参考書になる。


少しでも近づくために、勉強の日々はまだまだ続くようです・・・


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