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炭鉱のカナリア

「炭鉱のカナリア」
という言葉を知っているだろうか?

カナリアは毒ガスの影響を受けやすく、人間よりも早くはっきりとその影響が現われる。そのため、炭鉱夫はカナリアを炭鉱に持ち込み、カナリアの状況を見て毒ガスの存在を確認した。

「あの子は困った子だ」

そういう風に呼ばれる子がクラスには必ずいる。
その子は問題児扱いをされる。
でも僕はその子たちを「炭鉱のカナリア」なのではないかと考えている。

彼らはとても敏感だ。
授業の退屈さ、クラスの微妙な人間関係、環境のちょっとした変化。
こういう状況を敏感に感じ取る。

この子たちが騒ぐ。
落ち着かなくなる。
うろうろしはじめる。

こういう状況が生まれた時、僕たち教師は
「しっかりやりなさい!」
と声をかけがちだ。

しかし、これは「炭鉱のカナリア」に
「さわぐんじゃない!」
と言っているようなものだ。

1番敏感に反応する。
彼らは学級のセンサーのようなものだ。
彼らは僕たちに何かを伝えようとしている。

そう考えていくと、その子は問題児ではなくなる。
クラスの状況が今どんな状況なのかを教えてくれる道しるべになる。

誰かを問題児にして(したてあげて)すべて責任をおしつける。
これはすごく簡単なことだ。

でも、本当に問題なのはその子を取り巻く環境なのかもしれない。
(友達関係かもしれないし、つまらない授業なのかもしれない)

問題行動はセンサーだ。
それがわかれば、学級に澄んだ空気が行き渡る。

「炭鉱のカナリア」を見殺しにしてはいないか?
問題行動を目にするたびに僕は立ち止まって考える。

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