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「欲望に対する我慢」と成長

人間が成長する上で欠かせない重要な要素の一つに、「我慢」があります。
僕は子供を育てたことがないので断言はできませんが、子供に我慢を教えることは子育てにおいて非常に重要なことなのではないかと思います。

我慢することと、人間の成長(発達)には密接な関係があります。

そして成長に関わる我慢の要素は3つあります。

1つ目は欲望に対する我慢
2つ目は継続することへの我慢
3つ目は感情の我慢 です。

今日は、1つ目の「欲望に対する我慢」について紹介します。
人間は生きていくために欲求を伴います。「マズローの欲求段階説」などは聞いたことがある方もいるかと思います。
アメリカの心理学者、アブラハム・マズローは、欲求には「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」「超越的自己実現欲求」があるとしています。

ここでいう「欲望に対する我慢」では、特に「生理的欲求」について触れていきます。
場所や状況を考えず、食べたいから食べる、寝たいから寝るなど、生理的欲求をすべてありのままに表出していると、人として大変なことになります。
人は社会的な生き物なので、社会のルールがあります。承認欲求や自己実現欲求など、より高次の欲求を満たすためには必要に応じて生理的欲求に抑制をかける必要があります。

さらにいうと、自己実現のために、遊びたい気持ちを抑えて勉強する、食べたい気持ちを抑えてダイエットするなど、将来の自分を見据えた我慢も必要になってきます。

欲望の我慢に対する研究を以下に紹介します。

1972年、ウォルター・ミシェルによって行われた研究では、就学前の子供にこのような選択肢を与えました

・今すぐ目の前のマシュマロを一つ食べるか
・15分我慢して2つのマシュマロを獲得するか

ここで、目先のマシュマロを食べたいという欲望に打ち勝つことができた子供は、思春期に高い能力を発揮し、学問でも高い成績を収めたということです。さらに、このような結果が40年後にも維持されていたということです。

この結果からわかることは、
目先の欲望にとらわれずに、未来の報酬を予測して我慢できる子供は、その後の人生でも良い成果を発揮する可能性が高いということです。

つまり、目先の欲望に対し、自分を律して我慢できるかどうかが、人としての発達や成長と関連しているということです。

子供がスーパーでお菓子を欲しがってだだをこねても、お母さんが断固として譲らないのは、子供を成長させるために必須の行動なのかもしれません。




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