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『王林×アナザースカイ 彼女が愛されるワケ』 テレビかじりつきVol.13

滝沢カレンと王林。

2人は今のバラエティにおいて笑いの決定力が頭ひとつ抜けている。それぞれモデル、アイドルと本業はあれど、女性タレントという枠でいえばその爆発力は他の追随を許さない。ともに『さんま御殿』でブレイクを果たしたのも共通している。
2人の魅力を存分に引き出す明石家さんまの手腕は言わずもがな、今でも定期的に同番組に呼ばれることからも、番組サイドが2人に全幅の信頼を寄せていることがわかる。

彼女たちは独特の言語感覚を持つ。言葉選びそのものが個性的で、トークの展開も周囲の予想を気持ちよく裏切る。その裏切り加減は絶妙。パターンが読めない。だから毎回飽きることなく聞けるし待てる。誰かを傷つけるでもなく、計算が見えるわけでもないのも反感を買わない理由だろう。

彼女たちは自分が本気で信じていることを伝わるようにと一生懸命話してるだけに見える。そんな繕いのない無防備さがある一方で、妙に納得感のある哲学的な切り口で語るときもあり、共演者を感心させる場面も少なくない。

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ついツッコミを入れたくなるようなトークと、不思議と不快感のないむしろ可愛げのある憎めないキャラクター。過去の量産型のおバカタレントと一線を画すピュアさと掴みどころのなさが、一過性の需要で終わらず、いまだにバラエティに引っ張りだこの秘密なのかもしれない

王林ちゃんは先日放送の『アナザースカイ』を見ても愛される理由がよく分かった。地元の青森をPRするアイドル・りんご娘での活動が彼女の本業だが、そこにかける彼女の想いがとてつもなく愛に溢れていた。

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はじめは郷土愛もりんご娘への想いも今ほど無かったという。グループの先輩たちの熱い気持ちに触れて徐々に感化されていったようだ。

東京で仕事をするようになってからも当初はバラエティでの頑張り方が分からず悩んだらしい。トークでなぜ自分が笑われるのか分からないと語っているのも別の番組で見たことがある。もしかしたら今だって苦しんでるのかもしれない。

それでも彼女が頑張れているのは、自分が売れるとか自分が評価されるとか、そんな野心がもはや二の次だからだろう。目的は青森を知ってもらうため、青森を好きになってもらうためだから。

『アナザースカイ』のスタジオでも伝統の津軽塗をあしらったイヤリングを身につけていた。自分を通して青森の魅力を発信していきたい彼女らしい。今はSNSもあるし、可能性は無限大。実際、彼女のインスタグラムはとても素敵で、身長が高くて手足の長い彼女のスタイルによって身にまとうアイテムはいっそう引き立っている。

郷土を輝かせることによって反射するかのように自分自身が輝いている王林ちゃんはアイドルとしてもモデルとしても百点満点の仕事をしていると思った。

東京は仕事をしに来る場所。拠点はあくまで青森。どう考えても多忙なのに、いまだに青森から片道3時間半かけて新幹線で通う。青森でみんなが待ってるから頑張れるとも語っていた。

あらゆる葛藤や迷いを抱えながらも、彼女の眼差しと想いはどこまでも澄み切っていて美しい。

番組では青森をアナザースカイとしていたけれど、ほんとうは東京こそがアナザースカイで、今も昔も彼女の上にはずっと青森の雄大な青空がホームとして広がっているはずだ。

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