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1on1で見えてきた、ファンタラクティブに足りなかったこと

こんにちは。ファンタラクティブPRの石原です。
前回に引き続きカルチャー作りの話をカルチャー推進室長中村に聞いていきます。
今回は、実際に中村がファンタの組織に対して取り組んでいったこと、そこから得られた気付きを語ってもらいました。

メンバー全員との1on1が入社の決め手に

石原:前回の記事で、中村さんが今までの経験から企業文化の大切さを実感してきたことがよくわかりました。
ファンタではUI/UXデザイナーのマネージャーだけでなくカルチャー推進室のリーダーとしても奔走されていますが、元々代表の井村さんから組織開発をやってほしいと依頼があったのでしょうか。

中村:転職するにあたっては、「裁量を持って事業を伸ばすことにコミットできること」を軸としていました。
ファンタでは組織開発やマネジメントが求められていたこと、さらに自分が手を動かしデザイナーとしてのスキルアップができると考え、「渡りに船」の形でジョインを決めました。

特に前職では、メンバーに真摯に向き合い、ポジティブに思考し続けてもらうことを促すと、個々のパフォーマンスが多かれ少なかれ拡大すること、スキルの伸長が大きく変わることを実感していました。それが組織の変化を促すきっかけになることを実感していたので、さらに裁量を持って組織開発を試せる場所を探していたというのもあります。

転職を悩んでいる中で、井村の「うちはリモートワークだけどうまく組織開発できてきている」という話を聞き、どうやってるんだろう、一旦話を今いる人たちに聞いてもいい?と尋ねたのをきっかけに、じわじわとファンタラクティブのジョインに繋がっていきます。

入社前にメンバーとリモートながら1on1で話を聞いていると、井村の認識が甘い箇所や、この辺もっとこうするとさらに良くなるのでは?というポイントが見えてきました。また、メンバーの優秀さにも触れ、このチームで自分のバリューをどう出していくかのイメージが湧いてきました。

入社の決定打は、1on1でキャッチアップしたことを井村に共有した際に、しっかりと受け止め、咀嚼し、聞いてくれたことでした。
経営者は自社について日々考え、悩み、思考と試行を重ねていて、考えれば考えるほど自社への愛が深まり、私のようにいきなり社外から来た人の意見を受け入れがたくなるものだと思っているので、井村の対応に感動しました。

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▲ファンタにジョインした頃のエピソードを交えながら丁寧に説明してくれる中村さん

1on1で気付いたこと

石原:入社前にメンバー全員と1on1を始めたんですね。ファンタは今基本フルリモートなので、皆が集まってゆっくり話せる機会も少なく貴重な時間になったと思います。そこで気付いたことなど教えてもらえますか?

中村:
そうですね、気づいたことを挙げると大きなところで、
・メンバーが自走をするための判断軸の不足
・共通言語と共通認識の不足

があります。

ここでまずファンタの働き方やメンバー数の変遷の話をします。
ファンタではコロナ禍前から「その日最高のパフォーマンスが出る場所で働く」という働き方を採用しています。リモートだけではなく、オフィスへの出社も認められていて、オンラインもオフラインも気分によって!という混在スタイルです。
(※オフィスのある東京から離れて在住していて出社を前提としていないメンバーもいます。)

2014年設立から数年間人数が一桁で少なく出社型のメンバーが多かった時は、社長=プロジェクトマネージャーという形で井村自身が差配を行いディレクションやマネジメントを行っていたので、上手く業務が回っていたようです。
昨期と一昨期は人数を拡大するフェーズでした。ちょうどコロナ禍に入ったあたりですね。
出社を好んで選んでいたメンバーがこの頃からオンラインに切り替え始め、それが原因かはわかりませんが、組織内の課題が少しずつ積み上がり、たまたま顕在化してきたタイミングで私が組織ヒアリングと題した1on1を行いました。今考えるとなかなか良いタイミングで課題を抽出することができたのではないかと感じています。
大きな課題として、意思疎通の回数が大きく減ったことと、今まで意思決定者が井村しかいなかったためメンバー個々で判断する基準やルールが曖昧だったことなどが見えてきました。

井村がプロジェクトを進行している間はオンラインオフライン問わず順調だったのが、メンバー数や案件数が増え複数の案件を同時に進めるにあたり、井村以外のメンバーが進行を担う局面が増えていく中で、先ほど挙げた
・メンバーが自走をするための判断軸の不足
・共通言語と共通認識の不足
の課題が顕になっていきました。

これらにより、井村がメンバー達に伝えてきたことが、人によって捉え方に違いや温度差が生まれていることがありました。

井村が今まで伝えてきたのは、クライアントのチームメンバーの一員になって供に利益を求めることです。
それに対して、例えばこれまでの型通りリサーチから始めてインタビューを行うべきだ!と考えるメンバーと、残り期間を考えたら早く要件定義をしてとにかく進めなくてはいけない!と考えるメンバーで意見が食い違っていたり、新しく入ったメンバーは様子を伺いながら聞いていたりする中、プロジェクトがなんとなく進んでしまっていてメンバーの不満が少しずつ溜まっていったことがあったようです。
このような状態が続くことで、コミュニケーションを避け報連相が滞り、情報共有に格差が生まれてしまっていました。
この時、もしかしたら組織崩壊の入り口に差し掛かっていたのかもしれません。

井村自身は愛を持ってコミュニケーションを図っているはずなのに、愛が伝わらなく、井村とメンバーの間ですれ違いや認識の歪みが少なからず生まれていました。

その対策として、困った時の共通認識や判断軸になる、これまで井村とメンバーで培ってきたはずのファンタラクティブらしさってなんだろうという共通言語を作るワークショップをメンバー全員で実施することにしました。

組織の共通言語「カルチャーコード」に込めた思い

石原:井村さんを含めたメンバー全員の目線を合わせることが大事だと考えられたのですね。その共通言語というのが「カルチャーコード」のことでしょうか。

中村:はいそうです!6つ作りました。
最近、FANTERACTIVE Radioでも1つずつご紹介しているのでよかったら聴いてみてください。

FANTERACTIVE Radio
https://open.spotify.com/show/1u432kk2nll9ZU1v5FyIg9?si=33gx6f8SSLaCFxqbShr3qA

石原:6つのカルチャーコードは次回の記事で詳しくご紹介していきましょう。
ファンタのカルチャーは、トップダウンではなく皆で作り上げていっている感じがしますよね。

中村:そうですね!皆で作っていくことを意識しています。皆がカルチャーに対してどう考え感じているかを個人的には意識しており、定期的に声を拾いにいっています。

組織における共通言語を作ろうとした時に、社長の井村がただ思いを述べて形にし組織に反映しようとしても、共感が得られないと共通言語にはなりえないと考えています。
メンバー達が納得感のない言葉を発しても「言わされている言葉」になり、認識のズレを生み共通言語として使えなくなる可能性があるからです。
共通言語化は、お互いに言っている言葉の意味や示すものが共通認識になって初めて成り立つことだと考えています。日本語なんだから同じ意味でしょうというものではなく、こういう意味で使おう!こういうことだよね?とすり合わせ、改めて定義することが大事だと考えています。

これは日常的に仕事を進める上で、メンバーやお客様とのやり取りの中でもよくあることだと思ってます。例えば「デザイン」という言葉を使った時に、人によって認識がずれたり、指し示す物やこと自体にズレが生まれたりすることと似ていると思います。仕事を進める上で都度、言葉の定義を明らかにして認識の齟齬が生まれないように気をつけています。

組織も同じように、プロジェクトの進め方や考え方、優先順位を定義し、納得感を生む共通認識を細かく作っていくことが大事だと思っています。
お互いの考え方や状況を理解している状態からスタートすると、必然的にコミュニケーションの質は上がるものだと思います。
「カルチャーコード」はそのような状態を作るものとして捉えています。

カルチャーコードの概要は、「行動指針」や「Values」に近いです。命名を准えてもよかったのですが、ここではあえて「カルチャーコード」というワードを採用しています。
理由は2つあり、1つ目は完全に主観ですが、「行動指針」も「Mission Vision Values」の「Values」も多くの会社で形骸化している印象があり、同様の名称を使うと、自分たちが議論して決めたものの印象が希釈されてしまうかもしれない懸念があったからです。
(もちろん行動理念やValuesが大事にされていて、共通言語化されている会社があることは認識しています。)
2つ目は、バージョン管理の考えを持たせたいと思っており、皆で定期的に見直し、ver1.0.0をリリースして修正が入ったらver1.0.1や1.1.0にアップデートしていきます。過程も記録しておくと、途中で入ったメンバーと共通言語や共通認識を作っていきやすいだろうと考えたためです。

カルチャーコードのベースにある思想は創業者である井村の考え方です。それについて皆の納得感や共感を生めるように、プロセスを工夫して全社ワークショップを設計していきました。

問題提起から解決までの実行をメンバー皆と一緒に取り組んでいきたい

石原:まだ十数人の会社ですが、今後も一緒にカルチャーを作っていける人にぜひ来てほしいですよね。決まったから終わりではなくて、一緒にカルチャーを育てていくというか。

中村:そうですね!カルチャー作りや浸透のための問題提起や案を出すだけではなく施策実行イメージを一緒に持って進めていけるといいなと思ってます。考えること実施すること自体が楽しいという組織の雰囲気を作っていけたらいいなと思ってます。

石原:ありがとうございました!次回、実際に皆でカルチャーコードを作りあげていったプロセスと、生まれた6つのカルチャーコードをご紹介します。

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