赤ちゃんわんこの超かわいいこいぬさん

超かわいい赤ん坊の小犬。主成分はスポンジ。身長30cm。生命科学の学習経験者。生態進化…

赤ちゃんわんこの超かわいいこいぬさん

超かわいい赤ん坊の小犬。主成分はスポンジ。身長30cm。生命科学の学習経験者。生態進化発生学、遺伝子水平移動の自称オタク見習い。もの凄くかわいい、という点においてのみ、猛烈に自信があります。写真にて一目瞭然と確信しています。

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このnoteに関して

本noteの開設理由は「非公式の卒業論文」です。大学学部の卒業研究において、私は、自らの力不足、研究室内の指導者からの猛烈な指導そして苛烈な人間関係により、実質的に何も遂行することができませんでした。なぜ卒業できたのか、今日も記憶にはありません。コロナ禍の混乱を経て、その記憶はより確実に消失したと言える自信すらあります。思い出そうにも、思い出せないのです。ただ、往復で半日もの時間を溶かして通学し、予習復習で睡眠不足で朦朧としながら勉学に勤しんだ(周囲からは大学生活楽しまずにな

    • 未解明、あるいは、揺らぎのある個体発生に関する、個人的な文献調査3件

      ①ナマコの個体発生における巨大化と小型化、および、成体の未解明な「オーリクラリア幼生」について 間接発生の発生様式をとる棘皮動物のナマコの個体発生は、卵→オーリクラリア幼生→ドリオラリア幼生→ペンタクツラ幼生→稚体→成体、の順序で進行する。本川達夫博士の「ナマコガイドブック」p.24によると、前述の個体発生において、幼生段階でサイズが最大になるのはオーリクラリア幼生だというのである。 ウィリアムソン博士の著書「The Origins of Larvae」のp.122には、

      • 2021年に読んだ、後生動物の初期進化における幼生化現象(larvalization)の仮説の文献について

        動物の発生様式の起源や最初の動物の幼生形態といった、仮説にとどまるテーマについては個人的な興味があるといえばあるので、近年見つけた情報で気になったものを適当に書いておきたい。身勝手な読書記録という形である。 2019年に、Russian Journal of Developmental Biology誌では、ロシアのモスクワ州立大学無脊椎動物学研究室の研究者らが、動物の起源と進化における仮説を発表した。この仮説では、膨大な過去の文献を渉猟し、動物の起源、初期の動物の個体発生

        • 1999年という遠い昔に修得しようとしてできなかった、多細胞体制への進化の仮説について

          2000年のJOURNAL OF EXPERIMENTAL ZOOLOGY (MOL DEV EVOL) 誌288号に掲載された、Maximal Indirect Development, Set-Aside Cells, and Levels of Selectionという論題で私が書き残していた落書きを、断捨離の過程で見つけたので、掲載する。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/1097-010X(200008

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          1994年に発表された論文の、動物の初期進化の模式図に心打たれて、殴り書きを残す。

          30年近く前に発表された論文だが、私がこの論文を見つけたのはつい最近だった。当時オーストリアの大学に所属していた研究者が、自身の無脊椎動物の研究や当時発表されていた後生動物の進化の仮説などを総合して、動物の初期の進化を想像したというものだった。無脊椎動物では小型の浮遊幼生と大型の固着生活の成体という二相の生活環があること、細胞外マトリックスの成分は原初より変わっていないということ、から、立襟鞭毛虫の群体生活から、組織間の相互作用に伴う細胞の運動などが起こり、運動・食餌・生殖な

          1994年に発表された論文の、動物の初期進化の模式図に心打たれて、殴り書きを残す。

          理解できるようでできない、収斂進化、そして、平行進化に関する雑記。

          ①高校の生物の教科書で、私の心を踊らせた「収斂進化」について 収斂進化という言葉を、高校で生物を習った人なら、副教材などで触れたかもしれない。定義については実験医学の用語集を借りるが、異なる系統の生物が,環境要因などで同様の選択圧に曝されることにより,似かよった形態へと,それぞれ進化を遂げるような現象、ということになる。 収斂進化:バイオキーワード集|実験医学online:羊土社 www.yodosha.co.jp オーストラリアに今も生息する有袋類と他の哺乳類と比較

          理解できるようでできない、収斂進化、そして、平行進化に関する雑記。

          ミトコンドリアに関する幾つかの雑記(下)

          ①退化したミトコンドリアという細胞内小器官の存在 退化したミトコンドリアが、ある生き物の中にいて面白いのだという話を、その研究室の主任教授より聞かされたことを、なぜかわからないが、ふと思い出した。トリコモナスやジアルディアといった嫌気性の呼吸を営む生物の体内にのみあるという、ハイドロジェノソームおよびマイトソームという名前の細胞内小器官である。ミトコンドリアとどのように形態や代謝経路や遺伝情報が異なるのか、思いをはせた未熟な時期が、私にはあった。これらの"退化したミトコンド

          ミトコンドリアに関する幾つかの雑記(下)

          ミトコンドリアに関する幾つかの雑記(上)

          ①変則的な遺伝暗号に関して https://ameblo.jp/mitakushigeki49/entry-12676434016.html 上記の敬愛するブログを読んだ。コドン表には生物を構成するアミノ酸に対応する遺伝暗号とアミノ酸の物性という物理的な情報の二つがあるのだ、と私なりに理解した。コドン表といえば、私の卒業研究とも僅かに重なるかもしれないが、細胞内の微小器官には、核でもないのに独自の遺伝情報・遺伝暗号をもつものがいて、核とはその遺伝暗号の規則が若干異なるよう

          ミトコンドリアに関する幾つかの雑記(上)

          北極・南極に生息する細菌・ファージ・魚類に関する雑記。

          ①北極の海氷と融解水の池で単離された好冷菌とバクテリオファージ 2006年のThermophilesに掲載された、北極で見つかった好冷菌とバクテリオファージについてである。 グリーンランド海の東に位置するスヴァールバル諸島で、研究チームは3種類の細菌を採取した。採取場所から、細菌をそれぞれ1A、11B、21Cとした。 1Aは一カ所の同じ海氷で採取され、残る2つは各々異なる融解水の池で採取された。いずれの細菌もグラム陰性で、16sRNAの配列を用いたホモロジー検索では、1

          北極・南極に生息する細菌・ファージ・魚類に関する雑記。

          様々な個体発生の変態制御:共生細菌、バイオフィルムの微生物、ウイルス感染。

          ①共生細菌がもたらす後生動物の発生様式の変遷・雑種形成の阻害について 2021年に国際的な研究チームがPNAS誌に発表した、発生様式の異なる同属異種のウニについての報告を、偶然見つけることができたことを、幸運に思う。Heliocidaris tuberculata(以下Ht)およびHeliocidaris erythrogramma(以下Hg)については、前者が小さい卵のサイズでプルテウス幼生になり摂食を行うこと、後者が大きい卵のサイズで摂食を行わない哺育型の幼生になること

          様々な個体発生の変態制御:共生細菌、バイオフィルムの微生物、ウイルス感染。

          様々な雑種形成:実験および自然そして期待。

          ①昭和初期に知られていた、棘皮動物を中心とした雑種形成実験について 発生生物学の古書でのみその名が知られているかもしれない、故岡田要博士の「実験発生学」は、私自身、どこかで一部分を複写したもののみを所有しているが、書物自体を所有できていない。何故複写(ただし一部である)があるのかもわからないが、有名な古書店でも取り扱いがない。 岡田要 - Wikipedia ja.wikipedia.org 岩波講座 生物学(動物学)のシリーズとして、昭和6年3月20日に刊行されたこ

          様々な雑種形成:実験および自然そして期待。

          ジャガーのゲノムに刻まれた、雑種形成と機能獲得の歴史

          私が非公式の卒業論文にて取り上げた、幼生転移仮説の提唱者であるウィリアムソン博士は、生前、哺乳類の幼生転移に関して、純粋な思いつきとして、このようなことを述べていた。 もし子猫が犬や猫で同じように発現したら?もしアラブ馬が子豚から成長して出来たらどうか?モーガン馬がポニーのような小型で生まれたら?未成熟な発生段階が成体と区別できる、と私達は仮説を立てられないだろうか? 私がこの後で、以下の説明文を加えている。 最初の例では、犬と猫は別々に子猫の発生段階を獲得しており、第

          ジャガーのゲノムに刻まれた、雑種形成と機能獲得の歴史

          人間の脳の進化と幼生転移・ウイルスの関与、転移因子の神業、テッポウエビの社会性

          ①人間の脳の進化と幼生転移・ウイルスの関与について 非公式の卒業論文で取り上げた、幼生転移仮説の提唱者ドナルド・ウィリアムソン博士は、人間の脳に関して、面白い思いつきを述べている。 博士「私達は、イタリアのコモ湖があるベラジオに行き、『自然史の視点から見た人間の脳、感覚器官の進化の三千万年』の会議に出るのさ。演題は、私の『幼生転移』と呼ばれる考え、『雑種形成説』とも呼ぶだろうが、幼生のみならず、少なくとも幾つかの動物の幾つかの器官に、進化の仕組みとして起こったという考えだ

          人間の脳の進化と幼生転移・ウイルスの関与、転移因子の神業、テッポウエビの社会性

          昆虫の過変態と遺伝子発現パターンの多様化の知見を巡り歩いて

          米国のケンタッキー大学の研究チームが、過変態によって発生を進めるハバチの一種Neodiprion lecontei(和名はなく、英語名はredheaded pine sawfly)の転写産物の網羅的解析をした研究成果である。2021年にMolecular Ecology誌に発表されたが、アーカイブとしては2019年に既に原文が掲載されており、検索で読むことができた。正式な発表の論文内容と変わりはなかったので、私はアーカイブのものを読んだ。 https://onlinelib

          昆虫の過変態と遺伝子発現パターンの多様化の知見を巡り歩いて

          ファーブル昆虫記の「過変態」の章、および、昆虫のセミ・カマキリ・トンボで見られる「前幼虫」の存在。

          ①ファーブル昆虫記で「過変態」の章を見つけて ファーブル昆虫記の知名度はもの凄く高いが、その中身については、意外に周知されていないのだと、私自身が読んでいなかったことで感じた。恥ずかし限りだが、この老齢になって、ようやく手にすることができたのである。第2巻【下巻】にて、スジハナバチヤドリゲンセイおよびツチハンミョウの過変態の綿密な観察についての記述があった。 完訳版ファーブル昆虫記待望の完訳版刊行!奥本大三郎の手によって現代によみがえった『完訳ファーブル昆虫記』は、自然に

          ファーブル昆虫記の「過変態」の章、および、昆虫のセミ・カマキリ・トンボで見られる「前幼虫」の存在。

          過去の出来事が真核生物に伝わることの起源についての雑記

          過去に読んだ本や文献もあれば、記憶にすらなく、説明できない内容のものもある。非常に不思議な埋蔵のテキストだが、私にとって今後何らかの足しになるかもしれない、と直感的に思い、掲載したい。なお、書籍については、適当と思われるものをリンクとして追加した。 ルパート・シュルドレイクが著した“生命のニューサイエンス”および未だに邦訳されていない“The Presence of the Past”では、過去の出来事が重力場となって、生物種に関係なく発生や行動などあらゆる生命活動に影響を

          過去の出来事が真核生物に伝わることの起源についての雑記