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セミナーリポート「セカンドキャリアにシフトする ~ 組織と個人が今からやること ~」Funleash主催セミナー

皆さん、こんにちは。本日は、5月18日に開催されたセミナー「セカンドキャリアにシフトする ~ 組織と個人が今からやること ~」のリポートをお届けいたします。

今の予測不能な変化が激しい時代にあり
希望する人が何歳までもいきいきと働き、豊かな人生を送るために、何をすれば良いのか?
・企業が成長し続けるためには、会社と個人の関係をどのように変えてゆく必要があるのか?
このような疑問に関心をお持ちの方々も増えていることと思います。

今回はゲストに『日本成長戦略 40歳定年制』等の著者である東京大学教授 柳川載之氏と、新規事業創出支援等を手掛ける(株)フィラメント 創業者でCEOの角 勝氏をお迎えして、とてもカジュアルな雰囲気の中でイベントが進行してきました。

その中でのポイントを振り返る今回のリポートが、下記のような想いをお持ちの方々の、ヒントやキッカケとなれば幸いです。
✅会社から自立したキャリアを作りたい
✅将来のキャリアチェンジに向けて準備したい
✅働き方が変化する中、セカンドキャリアのために今から準備をしたい
✅ミドル・シニア人材の更なる活躍を期待する経営者・人事担当
✅従来の日本型雇用の変換の真っただ中、自社の組織を変革したい

講師の方々について既によくご存じ頂いている方は、下記の目次から本編リポートからお読み頂くことも可能です。

●登壇者プロフィール

<特別講師>
■ 柳川 範之 様 東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授
≪ 略歴 ≫
中学卒業後、父親の海外勤務の都合でブラジルへ。ブラジルでは高校にいかず独学生活を送る。大検を受けたのち慶應義塾大学経済学部通信教育課程入学。同課程卒業後、1993年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。慶応義塾大学経済学部専任講師、東京大学大学院経済学研究科・経済学部助教授、同准教授を経て、2011年より現職。

内閣府経済財政諮問会議民間議員、内閣府全世代型社会保障検討会議議員、東京大学不動産イノベーション研究センター長、東京大学金融教育研究センター・フィンテック研究フォーラム代表。NIRA総合研究開発機構理事等。

≪ 主著 ≫
主な著作物:『日本成長戦略 40歳定年制』さくら舎、『東大教授が教える独学勉強法』草思社、『東大教授が教える知的に考える練習』草思社、『40歳からの会社に頼らない働き方』ちくま新書、『法と企業行動の経済分析』日本経済新聞社等。

■ 角 勝 様 株式会社フィラメント 創業者・CEO
≪ 略歴 ≫
新規事業開発支援のスペシャリストとして、上場企業を主要顧客に、前職(市役所職員)時代から培った様々な産業を横断する知見と人脈を武器に、事業アイデア創発から事業化までを一気通貫でサポートしている。オンラインとオフラインを問わず、共創型ワークショップや共創スペースの設計・運用にも実績を有する。経産省の人材育育成事業「始動」のメンターも務めるなど、関わった人の「行動の起点をつくる」ことを意識して活動している。CNET JAPANにて「新規事業開発の達人たち」「コロナ禍で生き残るためのテレコラボ戦略」連載中。1972年生まれ。関西学院大学文学部卒。

<ファシリテーター>
志水 静香 株式会社Funleash代表取締役・アカデミア学長

≪ 略歴 ≫
人事ソートリーダー。Linkedin認定インフルエンサー。「2020インフルエンサーオブザイヤーTOP10」複数の外資系企業で人事責任者として変革を実行。人と組織の可能性を引き出す変革の外部支援。講演、執筆など幅広く活動中。ファンリーシュメンバーご紹介ページ https://funleash.jp/team/

●自分のキャリアを自分で考え、そして仲間をつくろう

特別講師である柳川先生からのご講演冒頭で印象的だったのが、「世の中は変わってしまった」という一言です。変わりつつあるのではなく、「いま『既に』世の中や社会は変わっている」という点は、つい見失いがちな事実の1つかもしれません。

では何が既に変わったのかについて、柳川先生からは下記の4点を中心に詳細に伝えられました。

・一つの会社で一生を過ごす時代の終わり
・多様な働き方が可能な時代に
・多くのチャンスと新しい可能性
・村からの旅立ち

副業や兼業が身近な選択肢となってきた今、「このままでは会社に居られなくなる・・・」といった後ろ向きなものではなく、前向きに考えていくことが重要となる。そのために何を変え、何を工夫していくかを考えていくこと、そして今までも色々な可能性や新たなフィールドを社内でも見つけてきたことを思い出し、将来への発想を変えていくことの必要性が柳川先生から伝えられました。

更に何よりも欠かせないものとして挙げられたのが
「自分のキャリアを自分で考えること」

これが一番大事であり、このスタンスがあれば大丈夫!とも仰っておられました。
とは言え、これを身につける方法は一見難しくイメージされてしまう点かもしれません。
そこで柳川先生からは、「頭の中の発想の癖」という点について解説がありました。癖を直すのは大変でありつつ、特別な資格やスキルが必要ではなく、誰でも直せるものである。会社に頼りがちな癖は、誰にでも直すことが出来るもの、という点は、シンプルながら大切なヒントであると感じます。

次に必要性が伝えられたのが「スキルの棚卸し」

実はこのスキルの棚卸しが出来てない方は、とても多いとのこと。
では、どのように棚卸しをすれば良いのでしょうか?

柳川先生からは、汎用的なスキルに切り替えるための棚卸しへの視点が紹介されました。
・どんな意味を持ち
・どんな風に役に立つか
・どんな形で未来に活かせるか

これらを掘り下げていく為に、学問(経済学や哲学など)の理論で整理できることも、また現在複数人で展開しているチーム作業を想定した時に、自身が一部でも複数分野を担えるようになることも、転職やセカンドキャリアの構築への強みとなるそうです。

最後に触れられた「人的ネットワークの重要性」

この点は先に挙げられたポイントの「村からの旅立ち」という点とも通じていきます。
ここでは社員の個人努力に限らず、会社側による社員が外へ出る自由度を上げることの推進も、将来を大きく左右するようです。その延長線上にある、社員活躍からオープンイノベーションが加速していくことや、社外交流に前向きな女性への期待も語られました。

また、村から離れる(既存の組織から離れる)の真意についての下記も
心に留め置きたい点だと強く感じます。

Ombre Blue Sky Facebook Postのコピー

セカンドキャリアを考えていくにあたり、柳川先生から伝えられた数々のポイントは、まだまだ誤解していた方も多いのではないでしょうか。


●自分のオポチュニティを信じるためのコツ

次に20年の公務員キャリアからの転職を経て、今は株式会社フィラメントのCEOを務める角さんから、VUCA時代であり、人生100年時代であり、終身雇用の終焉といわれる今の時代にどう生きるかについてのヒントが、参加者へ届けられました。

ご自身のキャリア構築に関する実体験を振り返りながら、下記の点を中心に展開されたお話には、参加者の方々から多くのコメントが寄せられていました。
・私のキャリアシフト ー公務員から起業までー
・キャリアシフトできた理由
・当時から意識していたこと

その共感ポイントの多い数々のエピソードの中でも、ご講演内の下記スライドが印象的です。

角さんシート1

大阪市の公務員キャリア期の
【ちょっとした冒険】として
・各種SNSや寄付系の投資にチャレンジ
・市役所の「新規事業提案制度」にも応募
などの行動に始まり、
自分の企画力という強みを認知したことなど【学び】から、【発信】を通じて得ていく【出会い】や【繋がり】。
そして更に、新たに触れていく【情報】からの【ちょっとした冒険】へのサイクル。

ここにも特別な資格やスキルを問わない、誰もが体験できる好循環のヒントがあるように感じます。
セカンドキャリアを考えていくにあたり、
自分の「やりたいこと」、「強み」、「社会に求められるポイントを見出す」という全てが揃わなければ行動を始めることが出来ない、と考えている方も多いのではないでしょうか?

角さんのお話からは、何でもクイックに行動してみることや、小さなアクションと学びの繰り返しを続けることで、自分のオポチュニティを信じることに繋がっていく!というメッセージが伝えられました。

また最後に、角さんが心にとめているポイントとして、人の心のほとんどは、出会いによって作られること。

出会いから起きる「感化」という心理現象について

出会い ⇒ 理解 ⇒ 共感 ⇒ 対話 ⇒ 繋がり
この一連の流れを通して、
その個人の意識や癖などの思考習慣にも大きく関連していく

角さんのこの考察も、とても興味深いものです。

このイベント内でご紹介頂いたエピソードの他にも、下記の角さんnoteでの発信から刺激を受けて頂けることも間違いありません。ぜひフォローしてみて頂き、じっくり楽しんで頂けたらと思います。

●今日これからのセカンドキャリア実現に向けて

後半に展開された、パネルディスカッションでも多く出たキーワードが
「組織が個人を縛らないこと」でした。

そこには、私たち個人も会社に依存した思考に陥りがちであることへの気付きや、自分の自由な発想を共有し合える仲間との出会いを模索していく必要があるでしょう。
その先にある組織と個人の互いの信頼関係を前提としたキャリア思考が、セカンドキャリアの実現に向けて、一層強く求められそうです。

まずは身の回りにある、小さな学びの機会を見つけ、参加する行動に移すことから始めてみようと気持ちを新たにした時間でした。

Report by 戸田岸 舞(ファンリーシュ コミュニケーション・リーダー)

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