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1/21 ポトフ

この日は財布を失くした。映画を見た帰り、喫茶店で財布がないことに気付いた。帰り道、財布がないか来し道探してみたがやはりない。
翌日、映画館に無いか電話したところ、あるとの連絡を受けた。その前週も、喫茶店に財布を忘れて、ヨドバシカメラで気付いて速攻電話したところ、財布が届いていた。この国は人が良い。
何も特別な映画では無い。おそらく貴族で美食家と、天才料理人との間で愛情みたいなものが湧き、トラブルがあり、そして乗り越える映画だ。結婚しないか、という問いかけを断り続ける料理人ではあるが、明らかに愛情はある。性的なこともちゃんとする。これは、美食家のラブストーリー映画だ。
11/23 土を喰らう十二ヵ月|funkuso 

似たような映画に、土を喰らう十二ヶ月がある。こちらは日本で、田舎に籠って飯を作る小説家の映画だったが、快作だった割に、ラブストーリーが余分だった。沢田研二には色気があった。だからと言って松たか子は、老人の願望に見えた。そして原作は、飯が大いに主眼だつた。飯はめちゃくちゃ美味そうだったし、この映画を観て以降、ほうれん草の根を料理に使うようになった。
それと比べると、ポトフの方はストーリーの大枠がずーっとラブストーリーだ。初めから二人で延々と飯を作るシーンから始まる。たぶん同年代の二人で、中年ではあるが、お互いに性的魅力はある。それでいて、お互いに仕事人であり、飯に対して真摯で、誠実で、必死だ。周りの人間も含めて、とても真っ当で、良い人だ。そこで飯を作る。かかっている手間は尋常ではない。

監修はピエール・ガニェールだ。値段は4万弱。そりゃそうだよな〜〜!!
土を喰らう十二月は土井善晴。わたしは土井善晴ファンなので、とてもありがたいのだが、料理人としての格はさすがに敵わない(というか土井先生は料理研究家なので)し、あくまでツチクラの方は文筆家の昔手習いで教わった精進料理で、ポトフの方は奇跡とも称される美食家である。作中におけるポジションが全然違う。
とはいえ、精進料理の美味しそうな具合は、負けてない。ポトフは、信じられないくらいの手間をかけているので、食べてみたいが、もはや味の想像がつかない。貧乏人の馬鹿舌の限界を感じてしまった。
ラブストーリーとしては途中で完結している。美食家としのドダンが最後にかけては描かれる。これは少し足早に感じた。それでもカメラワークで強引に仕上げた。★4

https://twitter.com/funkuso2nd/status/1748519086618034623?t=iMArnZOKAAPMaRjxFNTEPg&s=19




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