見出し画像

希望の雨、溢れた涙 映画『ショーシャンクの空に』

今見たばかりなのに、もう一度観たい。彼の覚悟を、彼の強さを、絶望と希望の表裏が精細に表現された朽ちることのない名作。

あらすじとしては

冤罪によってショーシャンク刑務所へ投獄されてしまった有能な銀行員の主人公アンディが、腐敗した刑務所内でも仲間を作り、共に語り合い成長し、理不尽な仕打ちの中でも決して人生を諦めない傑作ヒューマンドラマ。 出典 映画ウォッチ

この映画では多くの登場人物の心象が描かれていた。牢獄での図書係を任されていたブルックスはショーシャンクで50年もの月日を費やしていた。ある日、彼の仮釈放が決定するが、彼は喜ぶどころか不安と恐怖に満ちていた。

その後、彼は外の世界で必死に努力をするが、現状に耐えきれず自殺してしまう。

画像1

”どうも眠れない、落ちていく夢を見てー飛び起きる” 
”疲れ果てた不安から解放されたい”

自分自身、彼のような立場に立ち、ショーシャンクがまるで実家のような感覚に至ってしまったのなら、彼と同じ選択をとってしまうと思う。希望は無く、仲間もいない、孤独。

レッドが言っていた言葉が強く残った。

”終身刑は人を廃人にする刑罰だ、陰湿な方法で”

今まで自分は終身刑よりも死刑の方が、という考えを持っていた。だがこの映画を見て、終身刑への考えを改めさせられた。確かに被害者の気持ちに立って考えた時、「一瞬でも早くいなくなってほしい」と思うだろう。牢獄の中でタバコや少しの娯楽を持っていると知れば尚更のこと。

ブルックスの最後を見て、”牢獄が彼の家になっている”そう感じた。あの牢獄にしか居場所はなく自由もない。肉体ではなく、孤独、懺悔と毎日戦っていた。

トミーの死

この映画の中で私が一番受け入れ難かったシーンが牢獄の仲間、トミー・ウィリアムズの死だ。

画像2

彼は物語の途中で新入りとして登場し主人公アンディに大きな影響をもたらす人物で、私が最も好きな登場人物だ。

彼は窃盗をし続け、数多くの刑務所を点々としていた。そんな彼には帰りを待つ妻子がおり、アンディとの出会いをきっかけに高卒免許を取ることを決意する。彼に言葉遣いや読み書き、多くのことを学び師弟関係を築いていく。

そんな中、彼の罪状を聞いたトミーは驚き、刑務所で出会ったある殺人犯の話をする。アンディは冤罪で、真犯人がいるのだと。
その話を聞きアンディは青ざめ、所長に話をつけにいく。いくらアンディとはいえそんな話を聞いてもらえる訳もなく、彼は絶望する。

悲劇は止まらない

彼の冤罪を明るみに出したくない所長はアンディを懲罰獄送りにし、ある夜トミーに話があると言いアンディの真犯人の話を確かめる。

”ええ、真実です、神に誓って”

その瞬間、彼の体に弾丸が撃ち込まれる。

真実を知る彼は所長にとって消しておかねばならない存在だったのだ。高卒免許の試験に合格し、これから罪を償い新たな人生が始まろうとしていた矢先の出来事だった。

悲しみ、怒りが止まらなかった。彼のアンディとの頑張りを知っていたからこそなぜここで死ななくてはならなかったのか、、。

正直、このシーンで私はトミーが撃たれるまで所長はもしかしたらアンディを救うのかも知れないとも思っていた。撃たれた瞬間、そう思っていた自分は馬鹿だな哀れだな、と感じた。こんな塀に囲まれた中に生きる囚人を捕らえておくという役目の所長に「救ってくれるかも知れない」「もしかしたら」という希望を感じていたのだ。

希望の在り方

この映画には「希望」というキーワードが多く使われており、塀の内外で希望への在り方の対比がなされている。

塀の中では希望は無意味でしかなかった。アンディやトミーのように。

”希望は危険だぞ。希望は人を狂わせる。塀の中では禁物だ”

塀の外、自由な世界では逆に希望がなければ生きていけなかった。これまで、希望は危険と捉えてきたブルックスやその他の受刑者にとって生きにくい世界だっただろう。

アンディの親友、レッドもまた仮釈放でブルックスと同じ道を辿ることとなる。不安、恐怖に苛まれ、彼は自殺を考えるがアンディが牢獄内で彼に言った言葉が後、彼に希望を与え、命を繋ぐことなる。

”希望はいいものだ。多分最高のものだ。素晴らしいものは決して滅びない”

アンディは牢獄内でもずっと希望を持っていた、悲劇にあっても、心が折れそうでも、彼は未来を見ていた。
私もそのような本当の意味で強い人でありたいと思った。

画像3

画像4

まとめ

名作「ショーシャンクの空に」を見て、若いうちに見れてよかったと感じました。終身刑への考え方は勿論のこと、人としての生きがいや希望の在り方について考えさせられ、これからの人生で数多の壁を破るロックハンマーとなる作品だと思います。

最後まで読んで下さり有り難うございます、それではまた次の作品で。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?