手のひらの虹、いとをかし|ふあんクリエイターの推理日誌
手洗いで遊びをせむとや@家
わたしの「手洗い」には付加価値がある。
手に石鹸水をなじませたところで、両手の親指と人さし指で枠をとり、シャボンの膜をつくるのだ。そして、光にかざして観察する。小学生のころからの、たしなみ。(さすがに毎回は行わない)
無色透明に見えるが、よくよく目をこらすと、虹色のマーブルインクが入り乱れ、結構な速さでグルグルと対流している。専門家ではないので、この現象が何なのかはわからない。石鹸の成分なのか、手の油分によるものなのか。そしてなぜ流れが生まれているのか。
眺めつづけていると、徐々に虹色が濁りはじめ、茶色の波や黒点が浮かびはじめる。色が混ざるからなのか、これも理由がわからない。
濁りはじめてから程なくして、パッ!と膜が弾ける。
あぁ今回はおしまいだ、いいものを見たな、とそれだけで満足してしまいそうになるのだが、本来の目的である「手を清潔にする」ための作業を忘れてはならない。
手のひらの虹を見つめたあとに行う丁寧な洗いとすすぎにより、気持ちの灰汁も流されていくように思う。
[つづく]
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