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私の3年目、soarの3年目

NHKの『サンデースポーツ2020』で「見えない障害」についての特集をやっていた。
プロ野球の結果が知りたくてたまたまチャンネルを合わせたのだが、他人事とは思えぬ内容で、釘付けになってしまった。

最近知り合った人たちは初耳かもしれないが、私も「見えない障害」を持つひとりである。
具体的には、パニック障害や社交不安障害(SAD)と、長年連れ添っている。
周囲の目が気になり、たとえば人前でスピーチをしたり、電話をかけたり、食事をしたりすることに、過度なストレスを感じる、といえば想像しやすいだろうか。
コントロールができなくなると、動悸や過呼吸、めまいなどのパニック発作が出て、身動きが取れなくなってしまう。

そんなこともあり、稀に電車の優先席を利用することがある。
優先席といえば、先日、俳優の松村凌太郎さんのツイートが話題になったことは記憶に新しい。

今日の特集でも取り上げられていたが、優先席を利用「するべき」人たちは、いわゆるお年寄りや妊婦さんといった、「見た目に分かりやすい」人たちに限定されやすい。
実際、私も周囲の視線が痛い時があるし、「揉めるくらいなら譲る」という覚悟を持って座っている。

「気づく」ということ。
左半身まひの女の子の話題に移り、それがいかにむずかしいことか、思い知らされた。

関東の場合、「エスカレーターでは左側に寄り、右側は空ける」という暗黙のルールが存在している。
右側の動線を塞ぐように、人が立っていると、少しイライラしてしまうという経験がある方もいるだろう。

しかし、先に述べたような事情がある人たちがいる。
「見えない障害」を持つ身として、「気づく」ためのアンテナは張れているつもりでいた。
「"つもり"だったんだなあ」と、気づけなかった自分自身に対してかなしくなった。

最後には「ヘルプマーク」について、認知度の低さや転売といった問題が取り上げられていた。
助けを必要としている人が見える形で発信できること、そして社会がそれを当たり前のように知っていること。
このふたつが、かなえられる未来であってほしいな、と心から思わされた。

私がサポーターとして関わらせていただいている「soar」というNPO法人がある。
そのメディアでは、社会的マイノリティの人たちが持っている可能性に光を当てて、ネガティブをポジティブに変換していく様子が、やさしい文章や写真、イラストなどで表現されている。

私自身、社会的マイノリティと言われる境遇だが、後ろを向いてばかりはいられない。
逆に誰も経験していない強みとして、チャンスに変えていこう。
同じ悩みを持つ人たちと交流して、お互いに励まし合い、soarの活動の素晴らしさを伝えていきたい、と思い、現在に至っている。

soarを通じて出会う人たちは一様に眩しいので、「それに比べて私は…」と卑屈になることも多いのだが(笑)
「見えない」ことに「気づく」ためのヒントをたくさんもらうことができて、自分の背中を押されているような感覚になる。
もちろん周囲の人たちに対しても、背中を押していきたいし、もっと「気づく」ことができるようになりたいと思う。

サポートしていただけると、とてもゴキゲンになります。ぜひぜひお待ちしています。