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「アメリカ大陸の発見と、アメリカ合衆国におけるその後の英語の発展などについて考えてみましょう」

Ⅰ「アメリカ(America)という名詞は実は女性形」

「アメリカ」という名前が女性形である理由は、地名の命名の慣例に由来します。地名の命名において、大陸や国名を女性名詞として扱うことが一般的です。

この慣習は古代ギリシャや古代ローマの時代に遡ることができます。当時、地名や地域名を女性名詞として扱うことが一般的であり、地名の起源や地域の概念を表すために女神の名前が使われることもありました。

この命名慣習は中世ヨーロッパにおいても続き、多くの地名が女性名詞として命名されました。例えば、ヨーロッパやアジア、アフリカといった大陸の名前は女性名詞です。そのため、「アメリカ」も女性名詞として命名されたのです。

アメリゴ・ヴェスプッチの名前から派生した「アメリカ」という名前は、彼の探検活動によって新大陸であることが明らかになった地域に与えられたものです。その際、地名の命名における慣習に従って、「アメリカ」は女性名詞として扱われました。

なお、この慣習は全ての地名に適用されるわけではありません。例外も存在しますし、地域や国によっては男性名詞として扱われる場合もあります。しかし、「アメリカ」という名前が女性形である理由は、地名の命名慣習に基づいていると言えます。

Ⅱ「クリストファー・コロンブス」と「アメリゴ・ヴェスプッチ」

クリストファー・コロンブスは最初の航海で到達した地域がアジアの一部であると信じていました。彼は1492年に最初の航海を行い、当時のヨーロッパの人々がアジアと呼んでいた東方の富裕な地域に到達することを目指していました。しかし、彼が到達したのは実際にはアメリカ大陸であり、彼自身がそのことに気づいていなかったとされています。

コロンブスは最初の航海で到達した地域を「インド」または「東インド諸島」と考えており、彼は自身がアジアの一部に到達したと信じていました。この誤った認識は、当時の地理的な知識の限られた状況やコロンブス自身の航海計画の目的に起因しています。

その後の航海や探検により、他の探検家たち(アメリゴ・ヴェスプッチを含む)がアメリカ大陸が新大陸であることを発見しました。ヴェスプッチの報告や地図に基づいて、新大陸に彼の名前が付けられ、後に「アメリカ」という名前が広まっていきました。

したがって、クリストファー・コロンブスは最初の航海の段階ではアメリカ大陸を既知の大陸とは思っていませんでしたが、後に他の探検家の活動によってアメリカ大陸の存在が明らかになったのです。

Ⅲ「大航海時代のころまでは、アメリカ大陸では何語が話されていたのでしょうか?」

コロンブスやヴェスプッチが大航海を行った当時のアメリカ大陸には、様々な言語が話されていました。アメリカ大陸は多くの独立した文化や民族集団が存在し、それぞれが独自の言語を使用していました。

北アメリカでは、現在のアメリカ合衆国の領域に広がる先住民族グループの中に、数百の異なる言語が存在しました。例えば、イロコイ連邦の部族が話すイロコイ語族、ショーニー族やモホーク族などが話すアルゴンキン語族、ナバホ族やアパッチ族などが話すアサピン語族などがあります。これらの言語は、地理的な範囲や文化的な背景に基づいて多様性を示していました。

中央アメリカや南アメリカでは、マヤ文明やアステカ帝国、インカ帝国などの高度な文明が栄えていました。それぞれの文明は独自の言語を使用しており、マヤ語やナワトル語(アステカ語)、ケチュア語などが代表的な言語として挙げられます。

したがって、アメリカ大陸全体では、数百の異なる先住民族の言語が話されていました。コロンブスやヴェスプッチが到達した地域での主要な言語は、先住民族の言語であると言えます。

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