Whenever You Call
いますぐ駆けつけてよ。
彼女の口グセだ。
友達とご飯するって言ってたのに、その約束がドタキャンになった夜。シャワーの調子が悪いとかで、たたき起こされる土曜日の朝。そんなんばっか。都合のいい男も、いいとこだ。
ゴメン、ゴメンと言いながら慌てて駆けつける僕も僕なんだけど。
あれは1年前のちょうど今頃、深々と雪が降り積もる一日だった。
柄にもなく、僕は熱を出した。体の節々が痛くて動けない。一人暮らしの惨めさが身に染みる。
「何してるの?」。彼女からの電話。のどが痛くて満足に答えられないのが情けない。
そのかすれ声で、彼女は全てを察してくれた。
ゴメンね。待ってて。いますぐ駆けつけるから。
なぜ、謝られたのかはいまもわからない。
一緒にいたい時、いなきゃいけない。いてあげきゃいけない。
互いにそう思ってるから、ゴメン。
二人をつないでくれる、不思議で素敵な言葉。
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