「あれ、この本、読んだことあるんだけど……!?」 運命の巡り合わせ
おとといまで、沢木耕太郎さんの旅行エッセイ「旅のつばくろ」を読んでいた。
おもしろい巡り合わせがあったので、ここに残しておきたい。
実は、沢木耕太郎さんの本は、まったく手に取ったことがなかった。
読もうと思ったきっかけは、数ヶ月前に職場で、沢木耕太郎さんの本を発見したこと。タイトルは失念してしまったが、民俗学者・宮本常一について書かれているページを発見して、ちょっとおもしろそう……と頭の端っこで温め続けて、ようやく手元にやってきた
読み進めて、ふと気づいた。
「あれ、この話、読んだことあるんだけど…?」
◆◆◆
引っかかったのは、「小さいけれど」という一編。
金沢の白米の棚田の話である。
しかし、いったいどこで読んだのかわからない。
文芸誌も買わないし、もちろん沢木さんの他の本を読んだこともない。
なぜなんだ……?
調べてみると「旅のつばくろ」はJR東日本の新幹線車内誌、「トランヴェール」で連載していたものだと発覚!秋田に帰るときに秋田新幹線の中で読んだのだろうか。
まさに、運命の巡り合わせ。
普段、わたしは年に1回程度しか秋田に帰らないうえに、夜行バスを利用する方が多いので、滅多なことでは新幹線には乗らない。毎回、車内誌を手に取るわけでもない。
ということは、1年に1回も乗らない新幹線の中で、たまたま車内誌を読んで、出会った話なのだった。
そう気づき、自分の胸が熱くなった……。
これだから、本はおもしろい。
◆◆◆
世の中には、至る所に読み物がある。
雑誌のコラムや新聞の小説など、自分で本を探さずとも、生活をしているとどんどん入ってくる。
思わぬところで、再会するおもしろさ。
「旅のつばくろ」は、難しい言葉がほとんどないからスルスルと読めるのに、沢木さんが思いついたように寄り道する様子や、旅先で出会った物事への視点が興味深かった。
続編「飛び立つ季節」も出ているよ!
旅好き、特に国内旅行好きの人は手に取ってみては。
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