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私がヴィンテージを着る意味。

私の趣味は?と聞かれたら、いろいろあるけど「古着屋巡り」。
ここ10年ほど続いている趣味です。
ファッションは好きなんだけど、その中でもとりわけ惹かれるのが「ヴィンテージ 」。

今日はその魅力にせまってみました。

お下がりばかりだった幼少期。

私の家は、みんなファッション大好きなんだけど、服をたくさん買ってもらえる方針ではなくて。唯一たのしみだったのが、母のいとこや叔母からのお下がりでした。

お下がりっていわば自宅で保存してたヴィンテージ 。

紙袋いっぱいの服を漁って、着たいものを選んでコーディネートしていく、今考えるとあの経験が私のファッションの原点。たくさんの中からお気に入りを見つけるっていうのは、昔も今もある意味変わっていません。

お下がりっていっても、10年くらい前のものもあって、ちょうど流行が一周したかな、って感じで。あまりダサさは感じなかったんですよね。

BATSU-CLUBのネットTシャツ。ダボダボのビックサイズパーカー。プードゥドゥのアコーディオンスカート。カモフラ柄のシャツ。アーガイル柄のベスト。思い起こすと、お気に入りのアイテムの多いこと!

身長が小5からほぼ伸びなかったので、高校生ぐらいまではたくさん着ていました。(大学生になったらさすがに似合わなくなった&入らなくなった)

田舎だと買うところがだいたい一緒なので、学校に行くとかぶるリスクも割とあって(笑)

絶対に人とかぶらないっていうのもお下がりの魅力でした。

中高生は、派手さが大事だった。

中高生になって、ストリートファッションやB系の波がやってきて、それを地元で牽引していたのが、古着屋フロアを擁する駅前ファッションビルの存在。

古着屋フロアによく通っていたのですが……なんと改装ですべて撤退。悲しみのあまり、しばらくは古着から離れて森ガール系やロック系を挟みます。

真冬のマイナス気温でライダースを着ていた私、今考えると強すぎる。顔が派手なもので派手な服をよく選んでいました。森ガールになりたかったけどなりきれなかった……

運命の出会い。

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大学時代、ある日ぶらついてて見つけた老舗のヴィンテージショップ。そこのオーナーがカッコよくリーバイスを着こなしていて「こんなふうに年を取りたい!!」と一目でファンに。

ロバート・デニーロが同じものを映画で着ている、ナンバリングがあるのは高くなるなど、色んな知識を教えてもらって思い切って買ったアウター。それがきっかけで、ズブズブヴィンテージ沼にハマっていったんです。

社会人になって上京してきて1番嬉しかったのが、「ヴィンテージショップがそこらじゅうにある!」

休みのたびに、原宿、代官山、中目黒、吉祥寺、下北沢とかけずり回っていました。今考えると体力ありすぎ。

それからもう6年。私は今も懲りずにヴィンテージのお洋服を地道に集めています。

どうしてそんなにヴィンテージに
惹かれるのか。

なんでそんなハマってるの?また古着着てる? ってよく言われるので、たまには語ってみる。

自分がヴィンテージに惹かれるのは無意識だったけど、理由を分解してみるとこんな感じかな。

・手元にたどり着くまでのストーリーが好き
・絶対かぶらないし余白がある
・生地がしっかりしているものが多い
・実はエコ

・手元にたどり着くまでのストーリーが好き

国内外問わずですが、ヴィンテージって大体、誰かのものだったわけですよね。(デッドストック=過去の在庫もありますが!)

ミリタリーものに多いのですが、時々名前が書いてあったり、時には「手作りじゃないかこれ?」ってものまであったり。修繕のあとがあったりもします。どこかの誰かが使っていたものが、国も時も超えて、巡り巡って自分の手元に渡ってきた。

それでサイズもピッタリなものを見つけると、運命を感じます。今日まで存在してくれていてありがとう……!奇跡……!という気持ちになります。

ちなみに前述のアウターはJ.KELLYさんのものだったらしい。ミリタリーものでこんなにきれいなんだから後方支援をやっていたのかな?軍をすぐ辞めたのかな?とか妄想が広がります。

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・絶対かぶらないし余白がある

既製品も取り入れることがあるけど、やっぱりかぶっちゃうんですよね。今は前ほど嫌じゃないけど、昔はかぶるのはすっごく嫌だった。一日中落ち込んでいた。その点、ヴィンテージは絶対かぶらない。

ただ、着方が謎な服やサイズがデカすぎるものもあります。そのぶん、ベルトや小物で遊ぶ「余白」もある。

身長が低い小柄な私にとって、その器の深さがまた魅力でもあります。さすがにあまりにも大きいサイズは無理ですが、ある程度は工夫次第で、大きい服だって不思議なシルエットだって着こなせる!って希望が見えるんですよね。

・生地がしっかりしているものが多い

昔の生地って今より手間ひまかけられてるな、と思ってます。生地がしっかりしているものだけが淘汰されてきた可能性もあるけど……

ウールは今のものよりも重いし、モヘヤもぱやっぱやしてるし、色落ちもしやすいんですけど、丈夫だし化学繊維が発達していない時代のものは毛玉にもなりにくい。(豆知識ですが、アクリルは毛玉になると取れにくいんですよね)

なのでとにかく持ちがいいんです。
私が着ているものも5年以上着てるものがちらほら。

ただ、縫製に関しては結構お国柄やメーカー、時代で変わるかな、という印象です。

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1920〜30年代のものと思われるソロチカ(ウクライナの民俗衣装)。魔除けの刺繍が袖に施されてるんですが、なんと手縫い。当時は各家庭で作っていたものだそうです。
諸説ありますが、ヴィンテージは100年前までの物、それ以前のものはアンティークと分類されます。なので厳密にはこれはアンティークになります。

・実はエコ

これは最近気づいたことで別に意識していたわけじゃないんですが。

アパレル業界の闇だと思うんですけど、売れなかった服は廃棄にされるんですよ。流行り廃りがあるからアウトレットにするにも限度があるし、大量生産して大量廃棄しているのが現状です。

私が小学生からアパレル業界にずっと憧れていたのに、仕事の選択肢に選ばなかったのは、これが理由の一つでもあって。お店の片隅で売れ残った服を、シーズン終わりにアウトレットや倉庫に送り返すのがものっそい悲しかった。

自分はお気に入りは何年でも大切に着たい派なので、ヴィンテージに惹かれたのは必然だったのかもしれません。

ここではあんまり触れませんが、海外での不法な労働や大量生産のことを考えても、「大切に長く着る」ってこれからも大切にしたい価値観だなって思います。

あとアパレルの原価率ってものすごく低いので(だからこそ70%OFFとかできるのさ)、物にもよるけど、ヴィンテージは真っ当にお金を出してる感じがしてる。

もちろん、既製品も買うことがあるけど、それはとんでもなく気にいったものだけ。せめて10年選手、なんならマイヴィンテージ、娘や姪っ子のお下がり(今のところ全く予定がないですが)として育てたいと思うものを基準に選んでます。

逆に値段や希少性はあんまり関係なくて、安くても好きなら買うし、高くても好きなら買う。

悩むときは買いません。今までの経験上、悩んで買った服ほど着なくなるパターンが多い気がする。

一目惚れの服って上手く着れないってなって手に負えない時もあるんです。でも寝かして数年後、急にスタメンになったり、意地でサイズ調整に出したり。
工夫や体型の変化でいかようにもなるので、出会いを大切にしたいんです。

都内ならここが好き。

じゃあどこにいけばいいんじゃ?という方にいくつかおすすめのお店を載せておきます。大人古着デビューの方も入りやすそうなところをピックアップしてみました。

HOOKED VINTAGE(青山)

青山というか渋谷というか、微妙なところにあるんですが、洋服だけじゃなくて家具などもあって、ちょっとセレクトが土っぽい?といいますか。素朴な感じの世界観が好き。

Canari Vintage(代々木上原)

取り入れやすさと値段のお手頃さ、オリジナルでとにかく入りやすいのはここ。明るい雰囲気でセレクトショップ感もある。

ヴィンテージショップって、そっとほっといてくれるタイプの店員さんが多いんだけど、ここは系列店も含め、かわいいお姉さんが気さくにお話ししてくれて、幸せ……ってなります。

mepontego(高円寺)※閉店

ここはとにかくお店がオープンな感じで、クリーンな雰囲気。植物やヴィンテージの食器もたくさんあって、お気に入りのお店の一つです

メンズ・レディースともに取り扱いあり。個性爆発系が多い高円寺の中では珍しく、状態良し、柄ものも着やすいものが多い!

Preloved(南青山)

アパレルブランドShinzoneが手がけているヴィンテージショップ。パーカーやジーンズなどカジュアルなものが多いのになんだかクリーンな感じなのはやはりShinzoneの系列という感じがします。

ちなみにShinzoneもヴィンテージのセレクトをしているので、そっちの方が取り入れやすいかも?

ameri vintage(代官山)

某大手アパレル企業で経験を積んだ黒石奈央子さんが立ち上げたアパレルブランド。黒石さんが低身長なのもあって、身長が低い人でも着こなせるモードきれいめ系を探すなら必見!

女性らしいきれいめかつ大胆な柄使いやシルエットが魅力なんですけど、実はここでもちょこっとヴィンテージを取り扱っています。オンラインショップや代官山店はヴィンテージの取り扱い多め。バッグが多めなので、取り入れやすさ◎

ヴィンテージのハードル、低くなってるよ。

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これを読んでヴィンテージチャレンジしたい! と思ってくれると嬉しいです。

セレクトショップの老舗Beamsでもヴィンテージを取り扱うイベントを毎年開催しています(一部店舗)。ヴィンテージショップでセレクトブランドを扱っているお店も増えている気がします。

敷居がどんどん低くなってきていると思うので、ぜひ触れてみてくださいな。

P.S.
。をたくさんつけると、雑誌のオリーブみたいになりませんか、マガジンハウス感が出ると勝手に思って今日はつけまくりました。

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