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【実践編】n=1分析をバルクオムで実施しました。

先日書かせていただいたnoteでも紹介しましたが、昨年末に読ませていただいた「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」をもとに、バルクオムとしても9セグマップ作成とn=1分析を行いました。

今回はその流れや、tipsなどをご紹介させていただきます。

※基本的に、西口さんの書籍にある内容をベースにして進めておりますが、西口さんの本に書いてあることと異なる点もあるかと思います。

なので、内容としては本のご説明ではなく、あくまでバルクオムとして何を行ったか?というのを書ければと思います!

どうしても読んでもわからない人はまず本を読みましょう!笑

使い始める上で、共通認識をもとう。

まず一番大事なのは、社内で意識統一することだと思っております。

私としては、なによりもこの書籍で出てくる「9セグマップ」を用いることにより、事業会社でよく議論にあがる「売上=マーケティング」「認知度や好意=ブランディング」というような各施策における議論を数字ベースで行えるようになることが大きなことだと思っております。

9セグマップは読んでいただくとわかる通り、認知ファネルを横軸に置き、そこの縦軸に「次回購入意欲の有無=ブランド選好度」を合わせたものです。

この両軸があれば、その施策はどのセグメントをどのセグメントに移すためのものか?という議論になりますので、施策の目的を明確化して議論を進められます。後々検証もしやすいと思っています。

現状理解をしよう。

上記のような共通認識を持ったら、まずは自社の状況を9セグメントマップ化し、自社のターゲット層において、どういう分布が行われているかを確認しましょう。

だいたいはネットアンケートなどをもとにした調査にて行えます。

アンケートで最低限必要なことは、
自社のターゲット層となる年齢層、性別を洗い出しておき、その層に該当する人たちに絞り

1.(競合他社含め)自社の認知度を測ること
2.使用経験を洗い出すこと
3.現在の使用有無を聞くこと
4.次回使用意向があるかを聞くこと

になります。付随して、どこで買ったか?満足度はどうか?どういうイメージ・満足度を製品に持っているか?などを聞いても良いかもしれません。ちなみにnは認知度の状況によりますが、5,000~10,000くらいあるとよいと思っています。

ここに、自社として「ロイヤルユーザー」と「一般ユーザー(ライトユーザー?)」の閾値を作り、入れ込みます。

閾値は、製品使用に付随した、累計購入回数なのか累計購入金額なのか、はたまた別の数値など(使用製品数、利用コースなど?)を組み込むことで、自社における9セグマップを作成することが必須です。

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上記のような形式になるので、右側二つの境目は各社様の数字設定によるかなと思っています。

皆さまの会社における「ロイヤルカスタマー」や「休眠・離脱」の定義を改めて考えるきっかけになるかもしれませんので、是非社内で議論して作ってみましょう!

※最初に出た「自社のターゲット層となる年齢層、性別を洗い出して」
の箇所にて、そのセグメントの人口数を出しておき、アンケートデータの結果とかけあわせることにより、実数においての9セグマップが完成されます。自社の認知度が低いとその母数の多さに絶望しますが、伸び代があると思ってやるしかないと言い聞かせました。笑

現状理解の後、n=1の目的を明確にしよう。

ここにくるまでに時間かかりましたが、9セグなく、ここから始めても大丈夫です。ここから始める場合は、自社の目的とロイヤルユーザー様の定義だけ明確にしておきましょう。

弊社の場合の目的には、以下2点でした。

1、既存のユーザー様を理解する
2、今後のビジネスドライバーとなるインサイトの発見

ゆえに、n=1分析で各セグメントのユーザー理解(ロイヤルユーザー様と離脱ユーザー様)とそれをもとにしたペルソナ・カスタマージャーニーを作成し、今後のメディア戦略を構築しました。

どうやってユーザーインタビューしたの?

こちらについて、バルクオムでは「定期継続中のユーザー様」と「定期解約済みでメルマガ受領してくださっているユーザー様」に向けて、顧客アンケートをメルマガを通して実施し、その中の項目で、個別インタビューの可否のお伺いをしました。

OK出してくださった方を再度リスト化し、それぞれのみなさまの初回接触データやデモグラ情報などを加味し、9セグマップのうち、右側6個に該当する人たちをピックアップしました。

それぞれの方に再度メールをさせていただき、日程調整→ZOOMにて打ち合わせ。というような流れで10名ほどの方にご協力いただきました。
インタビュアーは社内の人間で対応しました。

※n=1分析といえど、1名だけではなく、複数名お伺いすると理解が深まります。

インタビュー時の注意点は?

今回はテレビ電話で行ったので、ちょっと通常とは異なるかも?ですが、以下のようなことを心がけるとよいです。

・社内でロールプレイングをして、本番前に慣れておく。

・インタビュー時間と質問項目は固めておく→途中で横道に逸れないため

・インタビュアーともう一人、メモする人を別で用意しておく。または許諾をとって録画する→議事録やメモを取ることに集中して本来のインタビューがおろそかにならないように+後から見返して深堀するため。

・ユーザー様の購入データをもとに、仮説を建てておく→その通りになればカスタマージャーニー等作成にそのまま活かせるが、異なる場合、WHY?を深堀出来る。

・誘導尋問しない、示唆を与えない→あくまでお客様の素の声をいただくことが大事

・聞き上手さん、1のことに対して5ぐらい質問生まれるような人。→こっちが話さないで、相手のことを深堀できるような人。

・謝礼は後から伝える。(弊社の場合は製品を2個お選びいただきました!)

他にもちょろちょろあるのですが、まあインタビューするお客様の年代や性別にもよるので、できるだけお客様が話しやすい状況を作ってあげましょう!

インタビュー後のまとめについて

インタビューが終わったら、定量面、定性面でまとめていきましょう。バルクオムではインタビューを担当した2名でそれぞれまとめて後から見合わせて齟齬がないか確認しました。こうすることにより、一人よがりにならず、
インタビューに関わった人間で最終確認するとよいです。

私どもでは、私がどちらかというと定性面をまとめ、定量面を早見さんでまとめるような役割分担が行えたので、よりよかったです。

以下の項目などをまとめると、今後の戦略にかなり役立つかなと思っています。(参考イメージ添付します。ちなみにこの参考イメージは私が愛用するcacooさん
※リンク先はtechacademy様のcacooの説明記事です。

のテンプレートから取得しております。自分で作るのが大変なテンプレートが豊富にあり、枠に当て込んで資料をまとめられたりスライドを作りこんでいけるからとてもオススメです!)

1.回答の定量的なデータまとめ

2.カスタマーの声をポジティブ・ネガティブ・ニュートラルなフィードバックに分類して洗い出し

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3.ペルソナ

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4.カスタマージャーニーマップ

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5.SWOT分類

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6.カスタマージャーニーをもとにしたファネル

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7.今後のTODOリスト

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全部作る必要はありませんので、適宜目的に合わせて必要なものを作るとよいかなと思います。(僕はこういうの作るのが好きなのでとりあえずいろいろと作ってみよう!って思った次第で。笑)

まとめ終わったら

途中で記載した通り、インタビューをした人、聞いた人、そのデータを初見の人など、複数人を巻き込んで読み合わせを行いましょう。

この時、最初の仮説からズレていたところはどこか?仮説には出てこなかったがユーザーから出た声は何か?多く聞こえた声は何か?足りないものは何か?などを洗い出すことにより、自ずと次なる施策が生まれてきます。

カスタマージャーニーをもとに施策を作りこむ

上記の読み合わせが完了し、9セグマップの各箇所におけるTODOや改善点が洗い出されます。あとは会社の状況的に拡大したい箇所や早急に改善したい箇所を照らし合わせ優先順位をつけるようにしていきます。

この時、せっかく最初の9セグマップをつかったので、そのTODOが9セグマップのどこの数値をどこに引き上げるのか?というのを言語化すると目的がズレなくて良いので、是非そのようにしましょう!

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弊社のCMの話だと、上記のような青部分が大目的です。
付随して、認知未購入の人が購入してくれても有り難いし、一般ユーザーがロイヤルユーザー化してもうれしいし、消極ユーザーが積極ユーザーになってくれてもうれしいし、休眠のお客様が復帰してくれてもうれしいし。というような盛りだくさんの矢印になってますが・・笑

最後に

いかがだったでしょうか?ちょっと合間合間全部をかけている訳ではございませんので、気になるところや不明点あったかもしれません。

とはいえ、何か特別なことをしている訳でもないので、西口さんの本をしっかり理解したうえで、定義を作り、目的意識を持って実践することが何よりも大事だと思っています。

バルクオムとしても、何が必要で、何をすべきか。というのが洗い出せたことにより、新たなメディア戦略へと舵を切ることができました。

みなさまに置かれましても、顧客理解を深め、インサイトを発掘し、確度の高い、新たな施策へのきっかけとなれば幸いです。

最後まで読んでいただいた皆様へ

もしわからない・ここがもっと知りたい。ということがあれば、是非以下からご連絡ください。

私が気づいた&時間が許す限りでですが、ご説明させていただきます!(そうすることにより、私もアウトプット機会を得られ、より自分の中で体系化できるかなと思っていますので。笑)

twitterDM:https://twitter.com/fumilito

bosyu:https://bosyu.me/b/U96JCDvCT9s

今回もお読みいただきありがとうございました!

ネタを探しつつ、またnote書きます!

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