その曲は私が旅人だということを思い出させた

その曲を初めて聞いたのは自粛期間中の暇なバイト先だった。有線放送から流れてきて、思わずダスターを持った私の手は止まった。

はっきりと歌詞は聞き取れなかったがたしかに「プルトニウム」と言っている。元素?放射能?に関係あったような気がする。この曲は誰のなんという曲だ、バイト中なのもお構いなく調べた。

【THE BLUE HEARTS 旅人】

なるほど、ブルーハーツか!もちろん名前は知ってるしすごく有名で人気があるのも知ってるけど私の世代ではないから詳しくは知らなかった。

家に帰ってすぐフルで聞いた。iTunesでダウンロードもした。なんだろうビビビッと来てしまった。

いい。いいのだ。あんまりにもよすぎた。疾走感のある曲調(後にブルーハーツはこのような曲調が多いことを知り聞き漁る)、歌詞。ここがこうと表せないけど満点なのだ。

そうよ、私は旅人だった。

今じゃチンケな飲食店でバイトなんかしてるけど(今はもう辞めたけど)、いつだって何かが爆発しそうでしそうで、私は壮大な物語の旅人だった。時々、世界が傾いて見えて、転げ落ちてしまいそうになる。

私の人生はレッドカーペットを引くほど長くないキッチンマットで十分なほど短いが、それなりに振り返ってみると色々あったし、計画通りに行かなかった。その計画通りに行かなさ、をブルーハーツは、他の暑苦しい応援歌みたいに負けるな負けるなの一点張りではなく旅人っちゃそんなもんたい!って言ってのけている、、気がした。でもそんなとこで旅路は終わらないのだと思える、これこそが1番頑張れそうな気持ちになるかもしれない。

【プルトニウムの風】というのは、目に見えないしすぐに解決できない言わば共存しなければならない困難である。言うならば、普通にぬくぬく生きてて気にしてないったってチェルノブイリもフクシマもなかったことにはならない。けどその中でやって行かなきゃなんない。逃げられない現実を、真正面に真剣にそれでいてポップに言ってくれている。この曲は聞く人全てに旅人だということを思い出させてくれる。

そしてこの前アルバムを買った。(うっかりライブ盤を買ってしまったので通常版を買い直すかも)
まだまだブルーハーツビギナーではあるけどもっといろいろ聞いてお気に入りを見つけたい。
たぶん私は、ブルーハーツに限らず甲本ヒロトの作る歌が好きなのだと思う。ハイロウズもクロマニヨンズも好きだもの。(当たり前だが青春はいい曲だ。これも狂ったように聞いてしまった。)

自分の人生にエンディング曲をつけられるならば旅人がいい。でもシーズン1のエンディングになると思う。人生の主題歌は、、なんだろう。また考えるべきことができた。

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