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待ちわびていた一日🍷

こんにちは。
オーストラリアのワイナリーで働いているフミです🍇

オーストラリアに来て2ヶ月。
ずっと、待ち侘びていた『収穫』。

今年の夏は涼しくて、
ワイナリー一同、焦らされたヴィンテージに。

じわりじわりと糖度が上がり、
じわりじわりと酸度が下がる年は、
フレーバーはしっかりとして、
ワイナリーとしては嬉しいことが多いそう。
(極端な冷夏や雹などは別にして。)


いずれにしても、冬より前に必ず収穫されます。
ということは、ギュッと短い期間に
ラッシュが起こるのですよね。


急なハードさにドキドキしつつも、
楽しんでいます!

今日は、初日にした醸造法について書きます📝

なお、お世話になっているワイナリーでは
『赤ワインはこうする』
『白ワインはこうする』
などのルールがなく、目指すスタイルに合わせて
それぞれのブドウにあらゆる醸造方法を当てはめ、
フレキシブルに対応しています。

黒ブドウは全てこうしている、
という解釈をされませんよう🙇‍♀️


全房発酵・マゼラシオンカルボニック
(炭酸ガス浸漬)

赤ワインの話です。

ワインについて授業を受けたり、
調べたりされた方はご存知と思うのですが、

ブドウ収穫後に房から果粒を外して破砕して
果皮種子果汁を合わせた果醪を発酵するのが一般的ななか、
房ごと発酵していく手段もあるのです。

品種によって向き不向きがありますが、
バロッサの名産品シラーズは向いていると言われ、
エレガントな味わいになりやすく、
採用している生産者も。

まずは密閉発酵槽と房つきブドウを用意
樽に房を載せ、選果、葉を除く。
良い房を樽の中へ。
タンクで行う醸造家も。
いっぱい詰めたら蓋を閉め、一定期間放置

いわゆる、全房発酵と半炭酸ガス浸漬法なのですが、別々で習う手法がこうして一緒くたに行われるんですね〜

赤ワインは100%こうしてつくられている、ではなく
こうして作られた赤ワインがブレンドの1枠として
個性を発揮しています。


ホールベリーで発酵

これ、何気にかなり驚きました。

除梗(ぶどうから茎を除き、実だけにすること)と
破砕(果粒を砕き、果汁を出させること)って
必ず同時に行われるイメージ。

除梗しない場合は破砕もされないし、
除梗する場合は破砕もされる、と思いがち。

いやいや。
全て自由なんだなあ。。

キャビアのような、ホールベリー

除梗だけして、破砕しない!

数日かけて、結局重さなどで破砕されていくものの、
じわじわと発酵されるので、
しっかりとしたタンニン>エレガンス
というゴールイメージのもと、採用されています。

破砕されていない、
ホールベリーが積まれた容器はなんとも新鮮!
出来上がりが楽しみです。



これらはごく一部ですが、
まさに!私が見たかったこと…

教科書で習う「除梗・破砕」「マゼラシオンカルボニック」「全房発酵」それぞれに超意味がある。

目指すスタイルが先にあって、
それに基づいて各工程の選択がなされている。

それでいて、収穫時期からクイックに
醸造方法を選択していかなければならない。
(酸化は収穫した瞬間から始まる。)


そのプレッシャー、
そのスリル、
緻密な計算、
常日頃の勉強、
過去の試算や経過観察、

そういったものの掛け合わせは、
めんどくさくて「才能」で片付けたくなるけど、
紛れもなく努力の賜物なのです。


日々、そんな姿を目にできるなんて。
毎日が本当にフレッシュでドキドキしています。

ありがとう、スーザン&マイケル!

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