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繁忙期の一日の仕事@ワイナリー🍇

こんにちは。
フミです🍇

現在、オーストラリア・タスマニアのワイナリーで、
ワインの醸造チームに参加しています。
オーストラリアでは過去4軒ほどお手伝いしましたが、
今回のワイナリーは過去イチハードです🥳
最繁忙期の、とある一日をお伝えしたいと思います。


5:00 am|仕事開始

タスマニアの朝は夏の終わりでももう寒い。
スウェットに、ウルトラライトダウン、コートも着て
天の川を見ながら出勤します。

わたしのワイナリーは、最繁忙期は朝5時から夕5時、
もしくは、夕5時から朝5時の2交代制です。
わたしは朝5時から夕5時のメンバーでした。
朝出勤し、ナイトシフトのメンバーに挨拶をして交代。

メンバーが揃ったら、コーヒーを飲みつつ、
今日の時間内にやりたいことを確認。
道具の用意をしたり、使うタンクのリンスをしたり。


6:00 am|plunge①

パンチングダウン、ピジャージュ、とも。
発酵中の赤ワインは、液体にブドウの果皮や種子が
浮いているような状態。
それを棒で突き崩して液体に沈め直し、
味わいや香りをよりしっかりと抽出させる作業です。

見た目以上にとってもハードな作業で、
全体重をかけても棒を沈み込ませられないことも。
繁忙期は2〜3トンの発酵槽が30個ほどになるので、
2人でやっても2時間かかります。
コートを着るほど冷えた朝でも、
終わる頃にはブラトップ一枚で汗をかいています。

発酵槽に橋を渡して上から突きます。
浮いている果皮や種子の部分はこんな感じ。


8:00 am|発酵進捗確認

プランジュが終わったら、ワインたちの健康チェック。
温度、糖度などを発酵槽ごとに測っていきます。

液体を槽からバランスよく採取する棒
まずは温度。発酵中はあったかくなります。
糖度をBaumeという単位ではかります。
時にはより精密な検査をするためにサンプル採取も。

検査を終えたら、引き続き順調に発酵するよう、
いくつかお手入れをしていきます。

ごく微量の亜硫酸を溶かしたスプレーを表面にふる
蓋をして、浮かないように軽く水を張る
未発酵もしくは発酵完了している槽には、ドライアイスを放り込む。

どのくらいどのような手入れをするかは
作り手によって全く違うのですが、
現在滞在しているワイナリーは
酸化に対してとても気を配っているのを感じます。

空気に触れる部分には酸化防止を。
ドライアイスを落として、二酸化炭素の膜をつくり、
ワインが酸化しないようにします。
なお、発酵中のブドウは二酸化炭素を発生させるので、
ドライアイスの添加は必要ありません。

発酵中のワインの温度に関しても、
できるだけコントロールしようとする作り手も、
なにもしない作り手もいて、さまざまです。


9:00 am|プレス① ピノ・グリ

初めてこのワイナリーに来た時に、
「何でナイトシフトが必要なの?!」
と、とても不思議に思ったのを覚えています。

その答えはですね…、マシンを24時間働かせないと
間に合わないペースでブドウを収穫しているから!
繁忙期には、二つあるプレスマシンを
できるだけ絶え間なく回し続ける必要があります。

プレスマシンとは、簡単にいうと、
ぶどうから液体を絞り出す作業につかうマシンです。
白ブドウは基本的に収穫して除梗・破砕をしてすぐ、
黒ブドウは発酵が完了してから絞ることが多いです。

この日は、ピノ・グリとピノ・ノワールを、
それぞれ一台ずつ使ってできるだけ絶え間なくプレス。
短いものは40分、長いものは2〜3時間かかる作業。
合間に大急ぎでクリーニングして、再稼働。

こちらは赤ワインの作業中ですが、私のワイナリーのプレスマシンはこんな感じのものが2台。


10:00 am|dig out、プレス② ピノ・ノワール

プレスマシンに入れるために、
発酵を終えた赤ワインの槽からブドウを出します。

これを
こうする作業!
まずはできるだけワインを先にポンプで吸い出す。
ワインをできるだけ除いたら、シャベルやバケツですくい出す。バディのIzzyと。

これが本当〜〜〜に大変な作業なんです!
去年、dig outだけにフォーカスした記事を書いたら、
わたしの全記事で一番読まれている記事になるほど
ご好評いただいたので、リンクを載せます😂
ご興味ある方いらっしゃったら、是非🙇‍♀️

プレスマシンには1回2〜3トンほど入るので、
それくらいかき出しが完了したら、一旦プレス。


12:00 pm|plunge②

朝6時にやったプランジュをもう一回。
私のいるワイナリーでは基本的に1日4回プランジュ。
dig outでクタクタでも関係ナシ!
全身がすでに痛いです😂


2:00 pm|ランチ😭

適宜パンやバナナを齧りつつお腹を満たしますが、
ようやくお昼ご飯〜
ほぼ必ずワインは一本空けられます。

牛肉のキャセロールonパン
ちょっと贅沢ランチな日もありました🥹
チキンとチーズとグリーンのホットサンド


3:00 pm 〜5:00 pm|繰り返し

できるだけプレス、dig out、マシン洗浄を繰り返す。
5時に来たナイトシフトのメンバーにバトンタッチ。
どこまで終わったよ〜と共有して帰宅します。


この日はプレスに追われた1日でしたが、
日により作業はさまざまです。
ワインの中から固形物を除くラッキングという作業、
樽熟成させるための樽洗浄とワインの詰め作業、
別の醸造過程を経た2種類のワインのブレンディング、
委託醸造のワインをタンクトラックに移したり、
時間があれば、マシンをより細かく分解洗浄したり。

12時間シフトが続いていた時は、本当にキツかった!
仕事中は必死だし、帰れば食べてシャワーして寝る、
そんな連続だったので、一瞬で過ぎていきました。
途中で首肩の限界が来てマッサージに駆け込んだのも
遠い昔のような気がするけど、つい先週のおはなし。

でも、今までになく汗水たらして筋肉痛になって、
自分が関わったワイン〜!という気持ちが強いです。
全員12時間ずつ働いていたので、
「辛いのはみんな一緒」
「これが醸造シーズン」
みたいな腹を括った雰囲気も、素敵でした😇


さて、今はというと、
わたしは朝の6時からお昼の3時まで働き、
ナイトシフトの人は3時から夜中の12時まで働く、
9時間ずつのシフトになっています。

少し落ち着き、こうして記事を書くこともでき、
なんと仕事を始めてから初の休日もいただけました😮‍💨
今から初のタスマニア観光に出掛けてきます🚶‍♀️🤍


まだもう少しだけブドウもやってくるし、
発酵を始めたばかりのかわいい子たちもいます。
引き続き、愛情を持ってシーズンをやり切ります✨

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