恋をしていた2 / 愛とセックスについてのまえがき

愛とセックスに関してのまえがき

わたしたちの関係は、友達以上恋人未満、人はセフレというであろう関係でした。
だからこそ、セックスという話題は避けては通れないものでした。

こういう話題が苦手という人には申し訳ないですが、わたしはこの話題についてかなりおおっぴらな方なのです。そして、好きな人とそういう時間を過ごせるということは、ものすごく幸福なことであるということは言っておきたいです。TPOは大事ですが、汚いことでも恥ずかしいことでもないと思っています。

けれど、別に誰とでもしたいとか、することがただ好きというのとは違います。
本当に、彼の心が汚れていなくてよかった。わたしは何も知らなかったから、ただ都合よく傷つけられていたかもしれないから。

大切にされるセックスは、深いコミュニケーションです。
それを言葉でも行動でも教えてくれたのは彼でした。

彼に触れたい、彼にキスしてほしい、彼に触れてほしい。そんな思いを知ってしまってから、わたしの日記はいよいよ人に言えない部分が増えていったと思います。


昼寝が好きな彼とわたしの至福

その彼はよく眠る人だった。昼も夜もよく眠る人だった。私よりベッドの方が彼に愛されていたのかもしれない。確かに、彼がよく聞くヒップホップの歌手だって、愛しているのはママとベッドだけって歌ってた。

私たちはほんとうに半日以上もただ裸のままベッドの上にいた。

お昼の11時に目を覚ましても、14時にもうお腹が空いたと笑いあっても、夕方になるまで起き上がれないような休日だった。ご飯なんてなくてもそれが私たちの最高の日曜日だった。

私は平日は朝8時までには起床し、欠かさず朝ごはんを食べるような生真面目な生活を送るのが好きだったけれど、それも彼を前にしたらなんてことない取るに足らないものだった。

’ただ’彼と一緒にいることだけで、私は天気のよい秋の日におひさまをいっぱいにすいこんだ布団のような気持ちになれた。

彼の小さなアパートに差し込む光、腕枕の感覚、静かな寝息。
夜寝つく時にはいびきをかくのに、朝は静かなこどものような顔で眠っている。その顔に光が薄く差し込んでいて、少し長いまつげに影をつける。

わたしは彼を起こさないように静かに抜け出してトイレに行く。部屋に戻ったらわざと再び服を脱いで彼の横に潜り込む。彼は半分眠りながら、それでもわたしにキスしてくれる。

いつまでも、いつまでも続いてほしいこの日曜日の午前。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?