ハナクマらへん日記

神戸の小さなホテル「ハナクマ荘」と「草戸」のスタッフ”まの”の日記。主に、花隈と湊川の…

ハナクマらへん日記

神戸の小さなホテル「ハナクマ荘」と「草戸」のスタッフ”まの”の日記。主に、花隈と湊川の間のさんぽを記録しています。ほぼ週末あたりに更新中。

最近の記事

#10|町のシネマは未知へのとびら【兵庫区・新開地「パルシネマ」】

映画通のための映画館?「パルシネマ」の存在に気がついたのは兵庫区に引っ越したばかりのころ。 レトロな看板。古そうな名画のポスター。 外観からも年季が入っているのが伺える。 その趣深さから、「映画通のための映画館」とはじめは勝手に神聖視していた。 ところが兵庫区で暮らすうちに、その印象が変わっていく。 ただマニアが映画を観る場所ではなさそうだぞ。 ご近所のカフェとのコラボ上映会、新開地といえばの落語の会など、なんだかいろいろなイベントをやっている。 毎月発行される上

    • #9|小さなアトリエを訪ねて[兵庫区・平野]

      やっと”定住”します このあいだ、神戸に来てから何回目かの引っ越しをした。 といっても、引っ越し先は前の家から道路を一本挟んだだけなので、生活圏はまったく変わらない。 変わるのは、この家にきっと住むであろう年月の長さだ。 この家では落ち着いて10年、20年は暮らしていきたいと思っている。 そう思ったとき、町を見つめる心持ちがまったく変わったことに気がついた。 ひとときの刺激や流行りだけではなくて、この町の空気をかたち作っているものや、ここで生活を営み、地域を育んでいるひ

      • #8|旅先の公園で[兵庫区・会下山公園]

        旅行のときも、朝はいつも通りに目が覚めるほうだ。 大体5時から6時には目が開いて、家ではない景色に一寸はっとしたあと、思い出してほっとする。 そのままぼーっと横になっているのも好きなのだが、なんとなく体を動かしたいときは、適当に着替えてさんぽに出る。 わたしと同じような趣味の方はもしかしたら少ないかもしれない。 こんな日くらいゆっくり寝ていれば? でも、朝、知らない町を歩くのはなかなか楽しいのでもしよかったらおすすめしたい。 旅の朝さんぽのたのしみ 特に大きな公園や

        • #7 山歩・さんぽを神戸のまちで

          山歩・さんぽってなんだろう?海外からやって来るゲストは、とても気軽に山へ行く。 摩耶や六甲などに驚くほどの軽装で出かけるので、はじめはちょっと心配になった。 でも彼らはべつに、本格的な山登りをしているわけではないらしい。ケーブルカーやバスで山頂付近まで行って、ちょっと森の中を歩く。そのひとときを楽しんでいるようなのだ。 そういえば最近出会ったことばで、そういう自然の中での過ごし方をぴったり言い当てたものがあった。 それが「山歩」。 「さんぽ」と読む。 このことばは「YA

        #10|町のシネマは未知へのとびら【兵庫区・新開地「パルシネマ」】

          #6: 路地裏ワンダーランド ~湊川神社らへん~

          このところ、お出かけはもっぱら自転車派だった。 早いし楽だし、停めるのも気軽だ。電動アシストつきなので、神戸の急坂もへっちゃら。 でも、目的地まで一直線の自転車では見逃してしまう景色があることもわかっていた。 「おっと、なんだこれは」と思わず立ち止まるような面白いものは、やっぱり徒歩の方が見つけやすいのだ。 先日の路地裏での出会いが、改めてそう教えてくれた。 ちなみにわたしは昔から路地裏に惹かれている。 味のある看板、擦り切れたシャッターの絵、民家のアジサイ。だれかの生

          #6: 路地裏ワンダーランド ~湊川神社らへん~

          #5:ほのぼのと。地域のお祭り「みなとやま市」に行ってきた

          とある小学校の校舎が、数年前に地域と自然を繋ぐ施設に生まれ変わった。 その名は「NATURE STUDIO」。 中にあるのは、小さな子どもの視点で楽しめる水族館。森の小道のようなボタニカルショップ。 神戸らしいフードが揃うフードコート、クラフトビールの醸造所などもある。 週末は若い観光客でいっぱいだが、ここは観光のためだけでなく、地域のコミュニティ作りの場でもあるという。 先日、「地域の皆さんのためのフェスティバル」が開かれると聞いて、遊びに行ってみた。 元は校庭だった

          #5:ほのぼのと。地域のお祭り「みなとやま市」に行ってきた

          #4:「大好きだから行けない店」に行ってきた

          花隈に住んでいた頃、通ったお店がいくつかある。 べつに気負うこともなく、「あ、食べたい」と思えば迷わず歩いて行けたものだ。 でも引っ越してから、心持ちが変化した。 いま住んでいるのは兵庫区で、自転車でたった15、20分。なのに私にとって花隈は、「せっかく行く」町になってしまった。それに日々の子育てやらで、外食が貴重になったことも大きい。 そうなると、大好きなお店に行くのにタイミングがむずかしくなった。お腹や精神の状態が最高じゃないともったいない気がする。せっかく行くなら、

          #4:「大好きだから行けない店」に行ってきた

          #3: 〈山さんぽ〉烏原貯水池からカフェ、そして日帰り温泉

          神戸は山へのアクセスがすこぶる良い。 市街地から坂を登っていくと、いつの間にか登山口に辿り着いている。 家に近いからと、日々気軽に山を歩く方も多いみたいだ。「烏原貯水池」はそんな地元の人々の散歩スポットの一つである。 じっさい、七十をいくつか超えた義祖母は毎日通っているらしい。(彼女は一万歩以上の散歩が日課のスーパーおばあちゃん) 初夏のハイキングはきっと爽やかで気持ちいい。晴れマークが並んだ週末、思い立って行ってみることにした。 10:00 | バスで麓まで、そしてひ

          #3: 〈山さんぽ〉烏原貯水池からカフェ、そして日帰り温泉

          #2 ハナクマ荘にあるお店のこと

          花隈には、店主さんが一人で切り盛りするお店がたくさんある。どこも唯一無二の魅力に溢れていて、そのお店を目当てに町を訪れる人も少なくない。 実はハナクマ荘の一階にも、そんな愛されるお店たちがあるのです。 loji flower | 花屋さん loji flowerさんはその名前のごとく、道端にある草花のようなさりげなさで、日常を彩ってくれるお花屋さんだ。 特別な日でなくとも、その辺のグラスにさっと生けたくなるお花がいつも可愛らしく並んでいる。花を飾る習慣なんてなかったけ

          #2 ハナクマ荘にあるお店のこと

          #1 :インディアンカレー、そして珈琲とロールケーキ。

          2年前、兵庫区に引っ越した。それから出産、子育てとばったばったの毎日で、花隈を散歩する機会はめっきり減ってしまった。電車で十分足らずの距離なのに、なんだか遠い町になってしまったよう。 ただ、行けない間も「ここに行ってみたい」「あそこのカレーが恋しい」と、SNSは頻繁にチェックしていたのだ。そのうち行きたい場所リストがとんでもなく長くなって、逆に足を踏み出せずにいた。 そんなナゾの状況を、先日ようやく脱出できた。町は相変わらずのんびりした雰囲気でほっとした。心に 決めていた

          #1 :インディアンカレー、そして珈琲とロールケーキ。

          はじめに|ハナクマらへん日記について

          はじめまして。ハナクマらへん日記を書いている、まのといいます。神戸で「ハナクマ荘」と「草戸」という小さなホテルを家族で営んでいます。 神戸に暮らして、気がつけば10年。けっこう長い時間を過ごしているのに、この町を散歩するときは未だにわくわくと心が弾みます。郊外の住宅街で育ったからでしょうか。歩けばすてきなお店に出会える環境が、楽しくて仕方ありません。 住宅街にふと現れるパン屋さん。店先までスパイスのいい香りが漂うカレーやさん。カフェ、八百屋、中華にフレンチ…と、魅力的なお

          はじめに|ハナクマらへん日記について