タイでゴーゴーボーイに行った話①
東南アジアが好きだ。
あのよくわからないパワーがある感じ。
屋台も店もマッサージ店も、雑多な「これでいいんだ!」感に溢れていて、なんか生きる気力が湧いてくる。
これはそれの極地の片鱗を見た記録。
何をしようか?
その旅の主目的は、タイのプーケットでのダイビングだった。
ベトナムのハノイで過ごしたあとにプーケット島へ移動。
とんでもない嵐が前日に来ていたにも関わらず、嵐の後のほうが海が綺麗だという現地の方の意見を聞き、そのまま強行することになったダイビング中のこと。
一緒に潜った現地在住のダイビングショップスタッフの女性(30代くらい?)と潜るスポットまでの移動中の船の上で、日本に帰る前にニ泊する予定のバンコクの話になった。
その時点での旅行の経過としては、
ハノイでは陶器で有名な村(買った陶器7個くらいは移動中に全部割れた、最悪。)と食べ歩きとショッピングと博物館鑑賞など。
プーケットでは到着後即空港の乗合バスのおじさんと口喧嘩、現地のよくわからないバスで島を一回り観光、繁華街の怪しい兄ちゃんによるピンポンバーの誘いに乗り一人で鑑賞(?)とダイビングとCannabis(調べてください) 失敗してグロッキーになる遊びをした。
結果的にコンテンツは多くなったものの、ほとんどノープラン旅行だったため、バンコクで何をするかは決めておらず、とりあえず有名な美容皮膚科でほくろとり(一つ1000円!!)をしようかなーくらいしか考えていなかった。
そんな時、お姉さんからの提案にあがったのが、GOGO BOY。
GO GO Girl(調べてください)といえば男性グループでタイ旅行をしたらよく行ってくる人を見るが、boy 版があったとは。
要約すると、結構若くていい感じのお兄ちゃんたちの体をお触り+さらにお金さえ出せばお持ち帰りができるとのこと。
彼女曰く、割とハマるらしい。
まっ昼間、ちょっと波は激しかったけれど爽やかなボートの上。
そんな場所で風俗の話を大声でできたのは日本人が私とお姉さんしかいなかったから
(ではなく、私の倫理観が終わってるからな気もするが、)
コップンカータイランド、あそこは私が自由になれる場所。
私の骨はあそこに埋めることを検討しよう。
まあそんなことはともかく、しっかり爽やかかつ健康的にダイビングをした後一人バンコクへ移動。
ひとまず食べ歩きやマッサージを受けている間も、私の頭にあるのはただ一つ
GOGO BOY
日本の観光雑誌やサイトには載っていなかった。けれどお姉さんに教えてもらったバンコクのGOGO BOYストリートの場所にはしっかりGoogleマップでピンをつけてあった。
つまり、もう行くしかないわけである。
いざ行かん、男の楽園(?)
というわけで、バンコクに移動したその日の夜。
ドライバーごとで当たり外れが激しいけれど、タクシーより安く済んで一人旅には重宝するUberバイクで、知らないおっちゃんの背中に抱きつきホテルから30分ほど。
ついに噂のGOGO BOYストリートに到着、してしまった。
いやーーーー、あ・や・し・い
怪しいじゃなくて妖しいほう。
適切な形容詞はムラムラしているじゃないだろうか?
ダイバーのお姉さんが言っていたように、日本人どころか観光客がそもそもほとんどいない。
暇を持て余した客引きか店員がわからないタンクトップ姿のお兄ちゃんたちがジリジリと寄ってくる。
えー死ぬのかな私?
ごめんお母さん、風俗行って死んだなんて日本で報道されないことを願いたい。
そんなことを考えていた私に、救世主が現れた。
「あなたドコからキタノー?」
未だに脳内再生・完コピ共に楽勝です、この声。
男に囲まれかけた私の肩に手を置き、急に現れたのは女性ではなく、まあいわゆるオネエ。
いや生初めて見た。失礼ながらちょっとマジマジと見てしまう。
見た目は割と普通の男性、少し身長は低いけれど顔も整っていて清潔感のある身なりをしていた。」(クリス松村に似ていたので便宜上以下クリスとする)
クリスは続けた
「日本人でしょ?アナタ」
まあはい、そうですけど。
「いい男っぱいいるヨ。ここどんな子がタイプ?」
友達との恋バナでもよく出るこの質問。
空気を気にしたり相手の許容範囲を考えてどう答えようかいつもなら困ってしまうけれど、今回ばかりは言ってしまった。
「なんかタイの男性のあれって大きくないらしいじゃないですか?だかやちょっと行くか迷ってて…」
我ながらよくこんなことを言ったなと思うけれど、確かにそれはこのエリアが危険そうであるということとと並ぶ最大の懸念の一つ。
昔X(旧Twitter←この表現大好き)で国別アレのサイズ表みたいなものを見た時、タイがはランキング下位ににランクインしていた記憶があり、
せっかくお金払ってみるのであれば、より良いものを見たい
と思ってしまったのだ。
まああるし貧乏性な考えかもしれない。
だが、その次に彼の放った言葉が私の意思を決定づけた。
「ノンノンノン、china, Korea, Indonesia, 他もいっぱいいるヨ」
何たるグローバリゼーション。ここまで進んでいるとは。そこまで言われれば断る筋合いはない。
これで残念だと悔しいから、さすがにしっかり半額以下に値切りはさせてもらったけども(確か当時のレートでワンドリンク+入場料4000円→1500円くらいだった)。
クリスに腰に手を添えられながら、怪しい音が響く店の中へ、私は足を踏み入れたのだった。
つづく
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