荘厳な地下礼拝堂 ヴィエリチカ岩塩坑 【ポーランド】
世界遺産への認定は1978年から始まり、その数は年々増え続けています。
中でも最初に登録された12の世界遺産は根強い人気を誇ってます。
その12種類の中にはガラパゴス諸島、イエローストーン国立公園などがありますが、ポーランドからは2箇所も登録されました。
それがクラクフ歴史地区とヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群です。
今回はヴィエリチカ岩塩坑の紹介をしたいと思います。
1.まずはヴィエリチカ岩塩坑の荘厳さを見て欲しい
ヴィエリチカ岩塩坑はその名の通り、岩塩を採掘するためにできた坑道です。
1044年に世界最古の製塩企業として始まり、1996年に商業採掘が中止、現在は年間110万人が訪れる観光地となっています。
そんな岩塩坑、岩塩が取れるからにはもちろん地下にあります。
地下ってなんだか怖いけど、ワクワクしますよね?
そんな期待を寄せている方を裏切らないおもてなしが、入口すぐにあります。
378段の下り階段です。
階段が木製なので、膝への負担は少ないのが幸いです。
私がまだ若者であるうちに来られて良かったです。
※帰りはエレベーターがあるので安心してください。
階段を下り終え、地下64mまで達したところで一旦休憩が入ります。
おじさんおばさんは達は息が上がっていました。
終わりの見えない階段を降りる経験は生まれて初めてでした。
坑道内部では丸太を組み上げて支えとしています。
ガイドさんが当時の岩塩運搬システムの説明をしてくれます。
ここはコペルニクスの間といい、1493年にここを訪れたコペルニクスの岩塩像があります。
ところで岩塩坑と言いながら岩塩はどこにあるのか?と思った方もいるかもしれません。
実は写真で見えている木以外の全てが岩塩です。
ガイドさんが照明を消し、壁にライトを当てました。
するとこの写真のように、壁が白色の結晶、つまり岩塩であることが分かりました。
ちょうどいい感じの柱があったので私自身もスマホのライトを当ててみました。
黒い塊が白く光りました。
もちろん舐めるとしょっぱいです。
地面はたまに塩水で濡れており、とても滑りやすいです。
これはギンガ女王の伝説をモチーフにした岩塩像で、坑夫がギンガ女王に指輪を渡しているシーンです。
これらの彫刻は当時の坑夫によって作られました。
16世紀頃には馬にトロッコを引かせて採掘した岩塩を運搬していました。
岩塩の運搬は大変な重労働です。
ここで思いっきり足を滑らせ尻餅をつきかけました。
打撲はしなかったものの注目を集め、恥ずかしかったです。
よく見ると階段跡があります。
ここは聖ギンガ礼拝堂といい、この坑道内1番の目玉です。
ヴィエリチカ岩塩坑を紹介する際によくこの構図の写真が用いられますね。
聖ギンガ礼拝堂の別アングル写真です。
礼拝堂がいかに広いかお分かりいただけると思います。
このシャンデリアの白い部分は全て塩の結晶でできています。
礼拝堂では日曜朝にミサが開かれています。
岩塩で彫られた最後の晩餐もこの礼拝堂にあります。
これは著名な芸術家ではなく、ここの坑夫が彫ったものだというのがすごいですね。
さらに進むと地下塩湖があります。
まだまだ歩きます。
観光客用のルートは約3.5kmあるそうです。
私が最も好きなのがミハウォヴィツェの間です。
天井を支える巨大な木の柱がとても美しいです
別アングルから。
ガイドツアーじゃなかったら30分くらいここに居たかったです。
トロッコ線路の跡。
ここはスタシツの間といい、最も天井が高い部屋です。
下から上を向いて撮りました。
こ子にはお土産売り場も併設されています。
現在は観光客用の廃坑になっているとはいえ、ヴィエリチカ岩塩坑産の岩塩を購入することができます。
様々な岩塩の展示も!
最後に坑道内にある軽食コーナーでピエロギとジュレックを頂いてきました。
味はノーコメントで…。
そこからはエレベーターで一気に地上に戻りました。
2.古都クラクフとヴィエリチカ
ヴィエリチカ観光の起点となるのが、ポーランド南部の都市クラクフです。
クラクフはポーランド第3の都市で、1596年にワルシャワに遷都するまでの約550年間ポーランドの首都でした。
そして第二次世界大戦でも戦禍にあう事無く、繁栄していた当時の面影を残しています。
そのような歴史的背景から、観光ガイドなどでは「ポーランドの京都」とも呼ばれています。
そして、そのクラクフからわずか車で20分の距離にヴィエリチカはあります(電車では40分ほど)。
クラクフそのものにはヴァヴェル城、聖マリア教会、織物会館などの見所がたくさんありますし、車で1時間ほど行ったオシフィエンチムにはあのアウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所(世界遺産)もあります。
街そのものだけでなく、その近隣に2箇所も世界遺産が存在する稀有な都市、それがクラクフなのです。
訪れる際は最低2泊3日はして市内、アウシュヴィッツそしてヴィエリチカを観光して欲しいと思います。
クラクフのシンボル 聖マリア教会
3.クラクフからヴィエリチカ岩塩坑に行こう!
クラクフ市内からヴィエリチカにはバスもしくは電車でいけます。
私は電車が好きなので電車に乗りました。
行き方はとても簡単です。
クラクフ中央駅は近代的な駅です。
電車も格好いいですね。
低床式なので、段差がありません。
ヴィエリチカ駅(Wieliczka)は終点なので、乗り過ごす心配がありません。
切符は駅の券売機でも買えますし、検札にきた車掌さんからも買えます。
ヴィエリチカ駅
駅からヴィエリチカ岩塩坑までは徒歩5分と非常に近いです。
チケットは当日でも購入できますが、あらかじめ訪問することがわかっていればオンライン予約をお勧めします。
岩塩坑内部は個人で回ることはできず、必ずガイドさんに付いて回るガイドツアーになります。
ただ残念ながら日本語でガイドはないため、英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ロシア語、ポーランド語のいずれかから選ぶことになります。
たとえ英語がわからなくても、雰囲気だけで十分楽しめますのでそこまで落胆しなくても大丈夫です。
なお、坑道内に大きな荷物を持って入ることはできません。
敷地内に荷物を預けられる場所がありますので、そこを利用しましょう。
少しでもヴィエリチカ岩塩坑に興味を持っていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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