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016:オープニングパーティ〜人生で最高の夜

人生では、何度か「一生忘れられない出来事」に遭遇します。私の場合は2005年1月18日がその日でした。

最初は漠然とした「いつかバリ島にホテルをオープンしたい」という夢。そう思ってからわずか三年半後のこの日、遂にホテルがオープンすることになりました。

「いつか」と思っていた夢が、まさかそんなに短期間で実現できるとは想像していませんでした。この大きな夢が達成できたのは私だけの力ではなく、たくさんの人達の協力があったからです。このホテルは応援してくれた大勢の人達の想いが形になったものと言っても良いでしょう。

そこで、私達の感謝の想いを少しでも形にしようと思い、正式にホテルがオープンする前に、協力してくれた人達を招いてのオープニングパーティを開催することにしました。

ただ、「招く」といっても、日本からバリにご招待するための余裕はありません。ホテルでの滞在やパーティはもちろん無料ですが、日本からバリまで飛行機で来てもらうためにはある程度の費用がかかります。果たしてどれくらいの人達が参加してくれるだろう・・・と思っていましたが、結果的には出資者の約半数が参加表明をしてくれました。

パーティの内容についてはスタッフと一緒に何度も打ち合わせをして決めました。バリらしさを感じてもらうためにガムランの演奏やバリダンスなどを盛り込み、せっかくなので、演奏とダンスは地元の人達に依頼をすることにしました。会場の飾り付けは何日も前からスタッフ総出で準備をし、当日のセッティングも心を込めて自分たちで行いました。

ホテルにとっての最初のお客様は、それぞれ日程やフライトは違いますが、全員がパーティの数日前にはバリに到着しました。空港ではホテルの車がピックアップし、そこからホテルまで20分ちょっとのドライブです。そして、ホテルに到着するとみんなが心からお祝いの言葉をかけてくれました。

「素敵なヴィラができたね!」
「本当に実現したんだね。」
「夢の達成、おめでとう!」

ホテルはまだプレオープンで本番はこれから。正直なところ不安もありましたが、応援してくれた人達からの言葉はそんな私にとって大きな力になりました。

パーティーまでの数日間はいくつかの観光スポットや、バリ伝統のダンスなどを楽しんでもらいましたが、初めてバリに来た人も含めてみんなバリを大好きになってくれました。

人生で最高に感動した夜

そして迎えたオープニングパーティ当日。

夕方、空が少し赤みを帯び始めた頃にパーティがスタートしました。まずはバリ伝統の楽器であるガムランの演奏とダンスです。音楽とともに雰囲気も徐々に盛り上がり、次第に全員の気持ちが一体になっていくのが感じられました。

あの夜の出来事は今でも忘れることができません

私がステージに立って、日本から来てくれた人達に感謝の言葉を述べていた時の会場の空気感は、目を閉じると今でもその場にいるかのように思い出されます。出資をしてくれた人達。そして、これから一緒に運営していってくれるスタッフ達。立場は違いますが、そこにいる全員が私の夢のために協力をしてくれたかけがえのないパートナーです。

そんな人達に囲まれてのパーティなのですから、これ以上に感動的な瞬間はないでしょう。

そしてパーティも中盤になり、日本から来てくれた人達から祝福のメッセージやお祝いのプレゼントをいただいた時には、盛り上がりが最高潮になりました。みんな本当に楽しんでくれているのがわかる素敵な笑顔で、中には抱き合ったりしながら全身で嬉しさを表現する人もいました。

出資してくれた人達、そして、ホテルのスタッフ達。パーティ会場にいたのはそれぞれ立場が違う人々でしたが、それら全員の想いがひとつとなり、夜遅くまで最高に素敵な時間を過ごすことができた一夜でした。

「いつか」と思っていた夢があっという間に現実になり、それをサポートしてくれた人達と達成の瞬間を共有できた夜。この夜のオープニングパーティは、私の人生の中でも間違いなく最高に感動した出来事で、またとない体験でした

読んでいただいてありがとうございます。何かを感じてもらえたら嬉しいです。これまでの経験について本にしようと考えています。よろしければポチッと・・・。