001：夢を持って「今」を幸せに生きよう！

世界には70億を超えるたくさんの人々がそれぞれの人生を歩んでいます。国や宗教、人種はもちろん、職業や生活環境などは一人ひとり違っていて、全員がそれぞれの個性を持ち、考え方も生き方も違うと思います。でも、その中で全員に共通した思いがあるとしたら、それは「幸せになりたい」ということではないでしょうか。

私はずっと「夢を叶えることができたら幸せになれる」と思っていました。

では自分の夢って何だろう？それが初めて明確になったのは大学の時、長距離バスでアメリカ一周の旅でのことでした。

当時私は、自分の将来に対して「このまま卒業して就職して、それでいいのか？」という疑問を持ち始めていました。そこで大学を一旦休学し、その頃大好きだったアメリカに行ってみようと思ったのです。その旅でその答えが得られるかはわかりませんでしたが、そのまま惰性で社会に出るのだけは嫌でした。

人生初の海外旅行。それもほぼノープラン。行きたいと思った街を訪れ、現地でホテルを調達し、気に入ったら好きなだけ滞在するという自由な旅。結果的にそこでの出会いが私の人生に大きな影響を与え、その後の人生の方向を決定づけました。

30歳になるまでにアメリカに住む！

それが私の人生において初めての明確な夢です。それまでも漠然とした夢はいくつもありましたが、具体的かつ期限を決めた夢はこれが初めて。そして、帰国してから夢の実現のためにすぐに行動を開始しました。

最初にやったことは、大学を辞めること。

当時の私が歩んでいた人生の先には、求める未来はないと思ったのです。退学後に就職する時も会社を選ぶ時の条件はただひとつ。「給料が良いこと」でした。目的はできるだけ早くアメリカに行くための資金を貯めてることだったからです。

仕事は金融関係の営業。今考えれば、その会社はかなりブラックだったのですが、それでも、同期の社員の中では常にトップクラスの成績を収めつつ、約1年半ほど勤務しました。

最終的にその会社を辞めた理由は、日を追うごとに仕事が厳しくなり、どんどん同期が去って行ったこともありますが、それよりも、その環境では自分が目標とする先輩や上司がひとりもいなかったことが大きかったです。将来のために、自分が「こうなりたい！」と思う人にできるだけたくさん出会い、その人達からいろいろな経験を積んでおきたいと思ったのです。

幸せな人生を送るために必要なこと

幸せな人生を送るということは、夢や目標を明確にしてそれを達成すること。そのためには自分の出来る範囲を広げるために、収入を増やし、自由な時間を多くし、いつも一緒に楽しめる仲間をつくること。私はずっと、そういう考えをベースに行動してきました。

そして30代の中ばに、大成功ではないけれどある程度の収入と時間を手にすることができ、自由で楽しい人生を手にしたのです。まさに最高の毎日。「これがこれからずっと続くなんて、本当に夢のようだ」と感じました。ところが、不思議なことに最初は楽しかったのに、時が流れるに従って何か満たされないと感じる事があり、その気持ちは次第に膨らんでいきました。

ある時、その理由が「人生の目標を見失っているからだ」と言うことに気付き、新たな目標を探し始めます。そして数年後、ある出会いがきっかけで大きな夢ができました。

バリ島にホテルを作る！

当時の私には、ホテルを作るだけの資金もノウハウもなく、あったのは「それを実現したい」という強い思いだけでした。そのため私はこれを「一生かけて叶える夢」にしようと思いました。どれくらい時間がかかっても良いので、いつか必ず達成しようと決断したのです。

でも、そこから信じられないような出来事が次々と起こります。

この夢を掲げてからわずか三年半後。バリ島に夢に見たホテルがオープンしたのです。まさに奇跡のような出来事でした。今振り返ってみても、それまでの私の人生において最高の出来事で、これ以上の感動を経験したことはありません。毎日が本当に夢のようで、そんな充実した日々が永遠に続くように思われました。

しかし残念なことにその期待はあっという間に裏切られてしまいます。

オープンから一年半後、最も信頼していたビジネスパートナーに裏切られてホテルの全ての権利を奪われ、約一億円というとんでもない負債を抱え、さらには無実の罪で警察に拘束までされてしまったのです。

まさに天国と地獄を一度に体験したような出来事でした。

本音を言うと、その時は「死んでしまったらどれだけ楽だろう」とも思いました。しかし私はその選択はせず、どれだけ時間がかかっても自力で返済しようと決意しました。

私は今でも返済を続けているので、今の私は間違っても「成功している」とは言えません。それよりも「大失敗した」と言うべきでしょう。そんな私が自分自身の体験を書こうと思った理由のひとつは、実際にホテルがオープンしたという事実です。もしも、違うパートナーを選んでいたら、今でもホテルのオーナーとして運営を続けられていたかも知れません。

結果的には全てを失いましたが、全くのゼロから僅か三年半で夢を達成し、バリ島にホテルがオープンした。短期間で夢を実現したという実体験は、これから夢を叶えようと思っている人にとって、きっと何か役に立つことがあると思います。

また、今の私は決して経済的に豊かとはいえず、成功しているわけでも、時間を自由に使えるわけで、大勢の仲間に囲まれているわけでもありません。でも、毎日感謝をし、幸せに過ごすことができています。そのきっかけは、間違いなくバリでの出来事です。

私はこの経験からたくさんの事を学びました。その中で最も大きかったのは、「幸せになる」ということに対する考えの変化です。

幸せかどうかは、どのような状況・どのような環境かという「外的な要因」によって決まるではなく、どのように考えるかという「心の状態」が重要である。

もしも、以前は叶えたかったけど、実現できないだろうと諦めてしまっている夢があったら、ぜひもう一度実現に向けて一歩踏み出しましょう。あなたが心からその夢の実現を信じたならば、きっとその夢は叶うはずです。なぜなら、私が全くゼロの状態から大きな夢を叶えられからです。

失敗を恐れてはいけません。私は今でも「失敗した」とは思っていません。上手くいかない出来事があっただけで、それは何かを学ぶとても貴重なチャンスだったと考えています。諦めない限り失敗はないのです。

そして、幸せな人生は、成功を手に入れた先にあるものではありません。幸福と成功は全くです。私はそれを身をもって体験しました。私の経験がみなさんにとって「幸せに過ごしながら夢を叶える」ためのヒントになると信じています。