#42 集団浅慮に陥らないための3つの工夫。
三人寄れば文殊の知恵。
日本にはそんなことわざがありますが、しばしば
会議が多い
決定が遅い
良い決断がくだせない
といった事態が起きることがあります。
なぜそんなことが起きてしまうのか?
どうすればそれを防ぐことができるのか?
立場の異なる方々との調整役を担うソーシャルワーカーであり、
職場のマネージャーである自分なりに、説明してみます。
その上で、自分がチームで良い決断を下すために心がけていることを書いてみます。
1 集団浅慮(group think)とは?
集団浅慮という言葉を知っていますか?
集団浅慮(group think)は、集団で何かの合意形成を行うにあたって、意見が正しいかを十分に吟味することなく、おかしな決定をしてしまうことです。
例えば、会議をやればやるほど施錠対策がめちゃくちゃ厳しくなったり。
いや、そこにそこまでリソース割かなくてもよくない?みたいなこと、ありません?笑
会議をすればいい判断を下せる、みんなで決めれば安心だから、、ということで、会議が増えるのも、集団浅慮の影響のひとつかなと。
この集団浅慮って本当に厄介で。
発言力のある人の意見って通りやすいじゃないですか。
例えば、発言力のある人が提案する施策が、「集団の施策」となってしまうと、それは集団として「良い施策」ではなく、「安心な施策」でしかないんですよね。
これって考えれば考えるほど難しい。
この集団浅慮に陥らない工夫、あくまで自分の場合は、ですが、以下のことを心がけています。
2 工夫1:同じ立場の人に相談する
ぼくが職場内で重要な決定、主張をするときは、事前に上司か、他エリアのマネージャーに相談しています。
重要局面では、この「相談」をしてから、チームに提案をすることが多いです。
何故かというと、立場上、自分の発言が、そのままチームの意見になりうる可能性が高いからです。
ぼくはこの「立場」が意見の優劣や強弱に影響してしまうのが本当に残念だなーーと思っているのですが、、
それはまた別の機会で考えてみたいと思います。
そういうわけで、「自分が思う意見」というより、「チームのための意見」とすべく、事前に客観性を持たせることのできるよう工夫しています。
3 工夫2:率先してファシリテーターになる
そもそも意見を出さない。進行役に徹する。これが2つ目の工夫です。
そうは言っても意見いっちゃいますけどね!!!笑
それでも、自身が「ファシリテーターやります」と会議で宣言するだけで、ちょっと違います。
ファシリテーションスキルはまだまだ磨いているところですが、、
意見を引き出す
ことばに詰まったところでフォローを入れる
整理して物事を伝える
というのは、相談支援業務での経験が活きている気がします。
本来、傾聴対応に慣れている福祉職従事者であれば、ファシリテーターはやりやすいんじゃないでしょうか。
そんなわけで、発言力のある人ほど、意見しにくい役割においてみるというのはいいかもしれません。
4 工夫3:話しやすい雰囲気づくりを心がける
発言してもらえなければ、ファシリテートもできない!ということで、話しやすい雰囲気をつくるのが3つ目の工夫です。
(...工夫を紹介すればするほど、「自分できてるのかな?」って自己内省しちゃいます、、、笑)
最近、チームのミーティングでトーキングオブジェクトを導入しました。
これを持っている人に今発言権があるということを示します。
ファシリテーターが任意の人にこれを投げる
意見を出してもらったら、意見を出した人が、次の人に投げる
これを繰り返します。
そうすると、なんとなく雰囲気良く意見が出せる(ような気がする)んですよ!!!
上場企業の研修ワークショップではこのようなトーキングオブジェクトを用いたファシリテーションが有用とされ、積極的に導入されているそうです。
これは明日にでも職場で導入できるので、おすすめです。
(ちなみに写真のオブジェクトは、スタッフに作ってもらいました。か、かわいい)
話し合いの場づくりのための工夫は、色々あるのかなと思います。
よかったら会議やミーティングでどんな工夫をされているか、教えてくださいね!
5 まとめ
集団浅慮は、いかに優秀な人材が揃った会議の場でも起きうる心理現象です。
集団浅慮に陥らないために、
自分の意見に客観性を持たせること
発言力のある人は、率先して進行役に回ること
発言しやすい雰囲気作り、場づくりに努めること
それらについて、紹介してみました。
日本は、とにかく会議が多いと揶揄されがちな国です。
一つ一つの会議が質の高い会議であれば、会議の数も少なくて済むし、時間も短くて済みます。
「三人寄れば文殊の知恵」
それが実現するような集団を、形成していきたいものです!
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