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【勘違い横行】福祉・介護の現場で『優秀な人材』とは

みなさんこんちには。

いつも閲覧いただきありがとうございます。

さて、今日は福祉・介護現場で『優秀な人材』の定義とは

というお話をさせていただきます。

それではいってみましょう。

現場の抱える問題を解決できる人材

一言で言ってしまえばこれです。

課題解決をできる人は優秀というのは当然誰もがわかることです。
しかし、現状現場職員が思っている課題とは
・人材不足
・時間に追われる
・イレギュラーへの対応

といったところです。

そもそもこれが福祉・介護の質的向上につながらない原因です。

つまり、この課題を解決してくれる人が優秀とみなされる傾向にあります。

その場しのぎを繰り返す現状

上記のような課題を解決してくれている・・・ように見える人

それはどのような人物かというと

仕事を時間通りに行い
問題行動のある利用者を抑えその場を収めることができる人


これ、一見凄い人のように思えますが言い換えれば

利用者のペースそっちのけで業務的に仕事を行い
問題行動のある利用者よりも強い立場になり抑えつけられる人


になっているのが現状です。

もちろんそればかりではありませんが、そのような状況になる人は多々いると思います。

本当に優秀な人材の3つの条件

ぼくが長年、行動障害のある方の施設で勤めていたのでその経験ベースの話になりますが、上記のようなマウントをとり仕事ができる風の人を多く見てきました。
そして、自分もすべてではありませんが、そんな一面があったり、そうしなくてはいけない現状にあったこともあります。

本当に優秀な人材の条件としてぼくは3つ挙げられると思います

・短期的な解決でなく根本を見直せる
・常に客観的な視点を持ち冷静な対応ができる
・優しく親切で丁寧な対応ができる

この3つの条件は必須だと思います。
しかし、意外とできないのが現場の仕事です。

本当の課題とは

福祉・介護の仕事にとって本当の課題とはなんでしょう。
前述した
・人材不足
・時間に追われる
・イレギュラーへの対応
は現場にとってはその日、またはその人が仕事時間を終えるまでの課題に過ぎません。
そして、それを解決すると翌日も、一週間後も、半月後も、一年後もその課題をせっせと毎日こなしていくわけです。

当然ですが専門職としてのスキルなんて上がりません。

本当の課題とは

利用者の困りごとを理解し
多角的な面から環境改善を行い生活の質を上げること

だと考えています。

食事が抱えるネック

ぼくが14年間障害の施設に勤めていて、必ずどの施設も食事の時間に追われているのは間違いありません。
また、知人の施設の話を聞いても食事に割く時間というのは常に問題を抱えています。
・食事介助のペースが早い。
・1人で10人の介助
・高齢化、重度化により食事ペースの低下
・食事中のトラブル

これらの問題はどこにでもあります。

それでは、なぜこの問題がどこの施設にもあるのでしょうか。

食事というのは1日3回あり、それは利用者だけでなく職員も同じです。
つまり、生活の基盤となる食事の時間に、誰かが食事を食べずに働かなくてはいけないのです。

一般事務職、営業職などお昼休憩は皆同じタイミングで取れますし、お昼を食べている間はお客さんも同じくお昼を食べています。

しかし、現場はお昼を食べる人、働いている人は交代で行ているのが現状です。
利用者数に対し、最低限度の職員数を置いている状態で、最も危険且つ、介助度の高い食事の時間に人を減らしているのです。
これがそもそもの原因です。

当然、職員は少ない人数で業務を回さなくてはならず対応も雑になり、利用者にストレスを与え、その捌け口は食べない、食事を投げる、利用者同士の口論、他害などに至ります。
結果、職員は食べている人がいる中でその対応に追われますから、ガツンと抑えてしまった方が楽、またはそうしなくてはいけない状態になります。

結果的に、終わり良ければ総て良し。みたいな感じになり、この職員はちゃんと利用者に時間内にごはんを食べさせられる人。
これはつまり、周りから見れば、あの人がいれば私に業務負担が回ってこないということです。

私にとって良い = 優秀

この考え方に陥りがちな職業なのは間違いありません。

ロジカルシンキング不要論

ぼくは、何か課題があれば必ず論理的思考で考えます。
持ち上がってきた課題に対し
・本当にそうなのか
・データはどうなっているのか
・科学的根拠はあるのか
・提案が課題解決とマッチしているのか
・目的を忘れていないか

などの視点で検証します。

現場から上がってくる課題。つまり
・人材不足
・時間に追われる
・イレギュラーへの対応
などです。
これらを解決するために論理的に考え、ぼくが提案したことはほとんどが「正解」です。
しかし、現場の職員は納得しません。
なぜかおわかりでしょうか。

これらの課題の裏には
「私たちこんなに大変なんだけど」
というメッセージは込められているからです。
気持ちをわかってほしい、でも自分で解決したくない。なんとかしてよ。
というメッセージを直球で言えないから何かのせいにして”課題”として挙げるのです。

これをわかって、その職員に優しく対応できる人は福祉・介護の仕事で上に立つ人として向いていると思います。
ただ、そこから一歩進むのはメンバーの質や時間が必要です。

ぼくはそこに労力を割くのはもったいない。
ぼくの時間を搾取されるのでやめておきます。

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