「デジタル・コンストラクションが変える建築デザイン」講演メモ
2018年9月までRMIT、ETH、UCLA、MITなど、世界各地の大学・研究機関に滞在し感じた世界のデジタルなデザインとロボティクスに関する研究と実践および教育の潮流について報告する。
慶應義塾大学教授の池田靖史さんがサバティカル期間中に訪れた先(10ヶ国52の都市と45の大学を調査訪問)で得た世界のデジタル(主にロボティクス)実践を報告する会に参加してきたので,メモ.
池田さんがシェアしてくれているリンク集ですべて公開されているので,気になる方はリンク先を参照してくださいませ.
建設産業の自動化
配筋作業の自動化
ロボティクスアームによるブロック積み
取り壊しロボットのリモートコントロール
ロンドンで「Digital Construction Week」のようなエキシビションで色々紹介されてるけど...
そんなに楽しくない!
なぜか?
こういうものの講演の場では,よく出てくるConstruction productivity 1950〜2012のグラフ.そこでは,レイバーあたりのプロダクティビティが上がってないのがコンストラクションだけと示されている.
これはバリューアップをどう考えるか,というグラフ.
要は,今までと同じ建物をどう早くつくるか,ということが問題になってくる.
そうではなく,新しいロボティクスがどう建築を変えるのか?を考えたい!
先端的デジコン研究機関
ETHとシュトットガルト大学が2強
圧倒的に予算と施設の規模が大きい
また,dfabでは,重要なプロジェクト20個選んで8〜10年サポート.単純計算で年間30億ほどかけたりしているところもある.
ICDは,プロモーション前提でプロジェクトを進めたり,仕組みが整っている.質の高い動画が上がってたりする.
また,ザハ・ハディドの事務所には技術開発部門が存在している.
→デザインで終わらせる訳ではなく,技術的に可能か検証する,ということを設計事務所として行なっている.
AUTODESKは「PIER9」という拠点を設け,研究開発を奨励している.たとえば,リサーチャーインレジデンスという制度は,AUTODESKが滞在費を払って,実験を行うことができる.
ソフトウェアメーカーが,ソフトウェアを売るためには出口としての産業を育てなくてはいけない,ということを真面目に行なっている.
もう一度.
圧倒的に予算と施設の規模が大きい!!!
ロボティクスがいろんな研究の出口になる
ロボットというのは,コンピューテションの1分野ではなく,大きな意味を持っている.
マテリアルに対するリサーチがロボットが出力する時にどのくらいの粒度がいいのか,というところに繋がってくる.たとえば,木材のジョイントの研究がロボットと結びつくことで何ができるかを考えられる,とか.
気になったものを簡単に.
石材系
スラストを最小にしていく3次元曲面を考える.その応用.
コンクリート系
DFAB HOUSEは,一軒家を模してデジタルファブリケーションを利用して何ができるかを実験する.たとえば,曲面の金網をコンクリートの配筋にするなど.
smart slabは,均等ではない荷重を支えるスラブをどのように実現するかなど.
XtreeEは3Dプリンティングにより,構造的な合理性を担保した複雑形状を生成するもの.
木質系