見出し画像

【前編】ファッションの都・パリの第一線でご活躍!〜アパレルパタンナー&セルフポートレーター「Manamiss」さん〜

こんにちは、フクコトバのRYOです!

私たちフクコトバが、実際にインタビューをさせて頂き「ぜひみなさんにご紹介したい!」と思った方をご紹介するシリーズ「〇〇さんのフクコトバ」をスタートしました!

〜「〇〇さんのフクコトバ」とは〜
主に、ファッション関係のお仕事をされている(もしくはご経験された)方に対して、ファッションに興味を持ったルーツや、お仕事の内容等についてインタビューをさせて頂き、そのインタビュー内容を記事にして、ご紹介しています。
ファッションに興味のある方、ファッション関係の仕事に興味のある方は、なかな世間一般では聞けないお話がたくさんありますので、ぜひお楽しみ下さい!!

〜「フクコトバ」とは〜
私たちが、ファッション(衣服)には、「花言葉のように、言葉にならない想いを伝える役割がある」と思いつけたコトバです。
この記事では、ファッションに関わる方の「ファッションを通したコトバ(想い)」をお届けします!

それでは今回は、現在はパリ在住でアパレルパタンナーとしてご活躍されながら、個人でもセルフポートレーターとして活動されている「Manamiss」さんをご紹介致します!

たくさん貴重なお話をお聞きできたので、ぜひインタビューの様子をご覧ください!!

実際のお写真もたくさん頂戴しましたので、ぜひ貴重なお写真も合わせてご覧ください!!

(*インタビュー:2021年8月9日(月)zoomにて実施)


①セルフポートレーターを始めたキッカケ

画像9

フクコトバ「RYO」
こんにちは、はじめまして。

アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
こんにちは、はじめまして。よろしくお願いします。
フクコトバ「RYO」
今パリは、朝の10時ですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうです、その通り朝の10時です!
フクコトバ「RYO」
朝早くからありがとうございます!
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
いえいえいえ、何も成し遂げてないのにインタビューして頂き嬉しいです。
フクコトバ「RYO」
とんでもないです!
noteも拝見させて頂いて、すごいなと思って、いろいろお話をお聞きしたいなと思いました。
今現在はセルフポートレーターとしてお仕事をされていて、元々はアパレルでモデリストとパタンナーをやられていたということですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうなんです。
一応は今も本当はパタンナーの方で、セルフポートレーターは名乗っているだけで1円も発生はしていないんですよね。
フクコトバ「RYO」
いやいやでも、Instagramもそうですし、後ろの背景もめちゃくちゃオシャレですよね。
(ご自宅に飾られていた写真がとてもオシャレでした)

画像8

↑実際に「Manamiss」さんが撮られたセルフポートレートの写真

アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
うれしい!ありがとうございます!
フクコトバ「RYO」
記事に書かれていたのを拝見させて頂いたのですが、本当に携帯のカメラと白い紙だけで撮影されているんですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
紙というか、私のお家の壁が白いので、真っ白な部分を使って撮っているんです。
携帯も全然私iPhoneとかじゃなくてMOTOROLAなんです。
フクコトバ「RYO」
そうなんですね!
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
2020年の終わりに、正社員でやっていたパタンナーのお仕事がコロナで半分の人員を減らすってことになって、私もその会社を去ったんです。
「コロナでパタンナーの仕事が少なくなってるから、1年くらいは多分見つけられないだろうな」っていう、なんとなくの心持ちでした。
その時まだパリはロックダウンでして、家の近所くらいしか出ちゃいけないていう感じで、なのでほんとにこのまま、一応職探しもするけど、鬱になりたくないなみたいな感じで思っていて、なんとなく思いつきで始めました。
やっぱりお家でお化粧もしないし、ただただ記録として、写真を撮るのは好きじゃなかったんですけど、そのときに髪を染めたりしてて、記録として残しとこうって始めたんですけど、やっぱりセルフィーとかしたことない人がはじめると、あんまり美しくないんですよ。
それで、家にある小物で色々隠してやりだしたら、なんかそれっぽくなってきたって感じですね。
「続けてみよう」とはじめて30枚目くらいでちょっと人に見せたくなってきて、Instagramに上げて、ほんとにお友達で興味がある人と、時々Instagramの表示で知ってくれた人くらいで、ほんとにフォロワーも少ないんですけど、30枚からはじめて今70枚で、とりあえず100枚やろうと今思っています。
フクコトバ「RYO」
今、78日目ですよね。いや、すごいですよね。
では、元々カメラとかがご趣味でやられていたとか、そういうのでは無かったんですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
全然やって無くて、ファッションは好きだったんですけど、スタイリングとかも自分の着る洋服ぐらいはするんですけど、憧れくらいでやったことがなくて、ほんとに何を思ったのか突然始めました。


②地元・長野のセレクトショップで名だたるブランドを知る

画像3

フクコトバ「RYO」
面白いですね!
あの今のセルフポートレートの話も後ほどお聞きできればと思うんですけれども、時系列を追ってキャリアと言いますか、お仕事の話もお聞きできればと思っております。
まず、ご経歴をnoteの記事で拝見させて頂いたんですけど、長野でお生まれになって就職とかのタイミングで東京に出てこられたって感じなんですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
高校を卒業して文化服飾学院という専門学校に行ったんです。
そのタイミングで上京しまして、3年間、日本で洋服の専門学校でデザインとパターンを学んで、ただもう在学中の3年目に就活より前に、私はヨーロッパ旅行に1ヶ月行きました。前から留学したかったんですね。
ただ親に金銭的にも余裕がなかったんで、「留学は就職してからだな」と思っていました。
それで、パリとかスペイン、ベルギー、イギリスと全部訪ねて、パリが一番居心地が良かったのと、その当時好きなデザイナーがパリに1,2人いたので、その時パリって決めて、東京で2年ほど働いて、お金も1年の留学分貯めて、その後パリに旅立ちました。
で、1年のつもりが、今年で13年目です(笑)
フクコトバ「RYO」
えー、すごいですね!
元々ファッション自体は幼少期の頃や学生時代から興味があったんですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうですね、小さい時は母親が手作りの洋服を着てたんですよ。
その当時のお母さんって結構みんな洋裁をやっていて。
でも、家にミシンがあったんですが全然触らせてもらえなかったんです。
ただ中学校くらいから着るのが楽しくなってきて、高校が私服だったんですが、それも洋服が楽しめるからっていう理由で行きました。
フクコトバ「RYO」
そうだったんですね!
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
あと、その私の実家はホントに田舎なんですけど、隣町の商店街にすごいハイセンスなセレクトショップがあったんです。
その商店街って、たいやき屋さんとか着物屋さん、本屋さんとか、そんな中、私がいた2000年くらいかな、当時尖ってたノゾミイシグロさんとか、マークルビアンとかマルタンマルジェラとか、 (現在2021年ではリックオウエンスやヴェトモンなどを扱っている)そのなんかすごいアーティスティックなものを置いてるセレクトショップがあって、そのお店にも通うようになりました。
「そういう方面がカッコイイな」と思って、その頃はアントワープ・シックスがすごく有名な頃だったんですけど、かなり影響を受けました。


③憧れのブランドを目指しパリに!

画像4

フクコトバ「RYO」
そうなんですね。
そこで学生時代にファッションに興味を持たれて、高校、専門学校と日本で通われて、急に海外に行かれると思うのですが、海外志向は前からあったのですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
当時、優秀な生徒はコムデギャルソンやヨウジヤマモト、ジュンココシノとかそういうブランドにつくというのが、私の中でイメージが合ったんです。でも、なんか全然私はその辺のブランドが好きじゃなかったんですね。
私は、マルジェラとかマルク・ル・ビアンていう方とか、そういうアントワープ系もしくはフランス系のブランドのデザインは好きだったので、だったらとりあえず好きなところに、もうちょっと近くで見てみたいなっていう感じでしたね。
フクコトバ「RYO」
では、フランス系のファッションブランドが好きで、「じゃあパリに行こう」って思われたってことなんですね。
でも奨学金とかもすごく努力されて取られたんですよね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
あれは本当にラッキーイヤーでした。(笑)
フランス自体には自分でだいたい200万円あったんで、それが1年分の費用だったんです。
でも、最初語学留学と好きなパリで研修ができればと思って行ったら、実はフランスって研修生は2ヶ月以内であればお金払わなくて良い法律なので、企業側も結構ウェルカムな感じで、小さいブランドなんかはほんとに研修生で成り立っているようなところがあるんです。
フクコトバ「RYO」
そういう仕組みになっているんですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
たまたま私が好きだったブランドは、実はすごい小さいアパートの部屋でやってるようなところだったので、ほんと高校生でも働いてくれるなら採るみたいな所でした。
本当に私のポートフォリオを持って行ったら、すぐに。
ポートフォリオ見られてないかもしれない。(笑)
「いつから来れるの?」と聞かれて、「明日から来れます」という感じでした。
フクコトバ「RYO」
その時は「もう人が欲しい!」っていう感じだったんですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうなんですよ、すぐ夢叶っちゃって!(笑)

画像10

↑夢が叶った研修1社目(Marc le Bihan)


④パリの名門専門学校での学び

画像5

フクコトバ「RYO」
でも、そこって良い意味でギャップですよね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
もちろん大きい会社には同じ手で行っても、叶う人もいるかも知れないけど難しいと思います。
私なんか一度、マルジェラとかでもやってみたかったので、知り合いの女の子は2000年の頃にマルジェラにポートフォリオ持って研修させてくれって直談判したらできたって話を聞いてたから、私も行ってみようと思って行ったら普通に駄目でした。タイミングですね。
フクコトバ「RYO」
そうですよね、いやでも面白いですね。
日本だと就職活動があって試験があって面接があって、いろんなこう形式張った採用までの道のりがあると思うんですけど、パリの場合、もうタイミングと実力が合わさって、そしたらジョインできるっていうのがすごい良い環境ですよね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
ただこれはその小さい会社の例で、私もそこをすごく好きだったので。
その頃は自分が夢見ていたところにいたので嬉しかったんですけど、流石に10ヶ月くらい無償で働いてて、でだんだんお金も欲しくなってきたし、もうだんだん何をしてるのかもわかっちゃったので、もうちょっと別のところも見てみたいなと思い、色々動いていたんです。
その時は語学学校も、もう「コミュニケーションが取れるようになるとフランス語を完璧にしなくていいや」ていう思考になっていたので、職業高校を見つけて、入学しました。
フクコトバ「RYO」
そうだったんですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
パターンは日本で3年やってたんですけど、専門用語は語学学校じゃ習えなかったのと、一応フランス式のやり方も見てみてみようと思いました。
正直そこで学んだテクニックはもう知ってるようなことだったんですが。
で、最後にコンテストがあって26歳で優勝してしまったんです。
その時、26歳だったんですけど、多分それもあって「研修したけど仕事につながらなかったら日本に帰んなきゃいけない」ってことを先生に話したら、「じゃあ推薦してあげる」と言って頂いて、たまたまその年にできた奨学金を利用しました。
多分1年目だったので応募者も少なかったと思うんですけど、それで4人に選ばれました。
それで、好きな学校を4校くらい結構有名なところから選ぶことができました。
スタジオベルソとかシャンブルサンディカルとか2校ほど有名なとこがあったんですけど、シャンブルサンディカルを選んだら通りました。本当にそれはラッキーでしたね。

*シャンブルサンディカル
正式名称は、「エコールドウラシャンブルサンディカルクチュールドウラパリジェンヌ」。
パリオートクチュール組合による専門学校という意味。

画像11

↑優勝された際の作品

フクコトバ「RYO」
色んなことが重なったんですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうなんです。
後々聞いたら、私の次の年から年齢制限ができたみたいです。
その奨学金の目的が、フランスって公立の学校が全部無料なので、平均クラスの家庭の子は、1年間で100万円もする学校には普通は出せないんですね。
私は日本でお金持ちじゃなかったけど、そういう学校を出させてもらったんですが、本当にそれは普通の事ではなくて、大学まで無料の公立高校に行く人が大半でした。
そういう家庭の子の才能ある子に私立の学校に入れさせてあげようっていう奨学金だったので、私の次の年から年齢制限が21歳くらいになりました。
フクコトバ「RYO」
では、元々は留学生が使用するような制度ではなかったということなんですね。(笑)
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
全然違いました。(笑)
なので、罪悪感はすごくありました。
フランスのできる子のための奨学金だったので。
フクコトバ「RYO」
本当にタイミングと実力が重なってということですよね。
少し整理させて頂くと、まずパリに行かれて、最初はお好きだった小さなアパレルでお仕事として働かれていて、その次に専門学校の方に行かれて、という流れですよね?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
専門学校というか1年間の専門の講座ですね。
その後に奨学金をもらって、有名な専門学校に行けるような形です。
フクコトバ「RYO」
それはお仕事も続けながらっていうことですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
その学生の間は仕事はせずに、夏休みに日本人のクリエイターさんのもとで縫い子のバイトとかをして、それを年間の生活費に充てるみたいなちょっと貧しい生活をしてました。

画像14

↑名門専門学校「シャンブルサンディカル」にて立体裁断の授業


⑤パリと日本の違い

画像10

↑ゴルチェ先生と3人の奨学生(一番左が「Manamiss」さん)

フクコトバ「RYO」
素人のような質問で申し訳ないのですが、パリってやっぱりそういったデザイナーさんだとか、世界各国からファッションがお好きな方が集まってくる場所っていうイメージがあって、Manamissさんのような方は各国から来られてたんですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
来られてます、来てますよ、やっぱり。
学校に行くと、それが浮き彫りで見えるんですけど、うちの学校はオートクチュール組合をやってる学校ということで、たぶん1950年代くらいから有名な学校なので、海外の人が刷り込まれて昔から有名な学校とうとその学校に来る所でした。
なので、クラスの半分くらい外国人でした。
半分フランス人、半分外国人で、日本、韓国、中国、スウェーデンベネズエラ、コロンビア、アメリカ人がいましたね。
フクコトバ「RYO」
その本当に優秀な方々が集う中で最終的には表彰をされたと思うのですが、何かManamissさんの中で、今振り返ってみて、こういうところを努力していたとか、こういうところが評価されたていうところはあったりしますか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
いかに日本で専門学校を卒業してる人のレベルが高いかっていうところですね。ここは全然努力じゃなくて同じ学校を卒業した人ならいけます。
そして、それに関しては日本人でその奨学金を見つけられたのは私だけだと思うので、いろんな偶然が、ほんとにどこに何が転がってるか、普通に留学していたらそこを探していないので、ある意味その知り合いがいてその変な講座を知っていた日本人の自分が凄くレアだと思います。
フクコトバ「RYO」
いやでも本当に運も実力の内といいますか、本当にそうですよね。
努力して探されたというのも実力のうちですよね。
日本の専門学校の実力が高いというところでいくと、日本とパリの違いみたいなものは、その時点で何かあったんですかね?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
奨学金をもらった専門学校で主席で卒業できるのですが、首席の得点を出すのに、卒業制作の点数と、普段のいろんな科目の点数、服装史とかプリントの図案を考える授業とか結構あるんですね。
私は奨学金で行ったので、割と日本人の真面目魂で、人のお金で行ってるから皆勤で行こうって決めてたんです。
そうすると、結構フランス人が効率よく服装史とかをサボってたので、そういう変な点数がすごく高かったんですよ。
フクコトバ「RYO」
なるほどですね!
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
あとは、たまたま卒業制作の点数もとっても高かったんですが、フランスの学校に行って違うなと思ったのは、プロジェクトを日本でやってたときも一応毎回先生に、これぐらい進んでますって見せて、アドバイスもらうのですが、日本は結構自分主体でどんどん突き進んでいくって感じなんです。
でもフランスは、先生に見せる、しかも担任の先生とプリント図案の先生、あと靴のデザインの先生、一応全員に見せてアドバイスを貰ったり直されたり、これは要らないと思うとか結構正直に言われるんですね。
ほんとに美しくないときは「醜い」っていう単語があるんですけど、「醜い」って言われるんですよ。(笑)
フクコトバ「RYO」
そんな言葉があるんですね。(笑)
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
色んな人の意見を聞くのがわたしは最初抵抗があったんですね。
今まで一人の担任に見せるだけで、言われてもそんな大した事言われなかったので、言われながら作るっていうのが抵抗あったんです。
2年後の卒業する頃には、ひとり感覚的に信じられる先生がいたので、その人に相談してどんどん良くなる気持ちよさを知りました。
納得して「はいはい」って聞いてその通りに直していったら、良くなって行きました。
フクコトバ「RYO」
それはすごいですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
あと、その時もラッキーだなと思ったのが、得点の項目の中にプレゼンの得点と展示の得点があったんです。
私の学校はファッションショーをするんではなくて、3体作って一人2m四方のボックスブースが与えられて、それを一番良さが出る形でショーウィンドウにして、ブランドのショーウィンドウみたいに展示するんです。
そのボックスの展示方法も得点対象なんですが、それも私の先生が「あなたのコンセプトはこういうコンセプトだから」と、透ける服みたいなそういうコンセプトだったんですけど、「レントゲン写真のように、洋服をアクリル板で挟んで 、ぺっちゃんこにしたイメージで展示したらすごくアーティスティックだと思う」って言われて、全然私はそれ以上に良い案が見つからなかったので、「それやりまーす」って先生の言う通りにしたんです。

画像8

↑レントゲン写真をイメージした展示

フクコトバ「RYO」
そうだったんですね!
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
それでめちゃめちゃ高得点をもらっていて、でも本当にそれは、フランスも日本もそうかも知れないんですけど、それぞれの働き方を見てて、必ずディレクターアーティスティックに見せるんですが、だからといって全部聞かなきゃいけないわけじゃなくて、意見を交換して一つのデザインを作り上げていくっていうのを現場で見てるので、「すごく現場重視の勉強の仕方をしたな」「学校もこれから先出る仕事場を想定しての教育だったんだな」と感じましたね。
フクコトバ「RYO」
なるほどですね!
そのディスカッションが強めにあるっていうのはやっぱり日本の専門学校とは違うところなんですかね?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
先生にもよると思うんですが、私が卒業した2004年の頃のその日本の学校はそういうやり方ではなかったし、一人の先生しか関わらないので、当たりかもしれないし外れかもしれないっていうのはありましたね。
フクコトバ「RYO」
なるほど。日本の大学でも誰のゼミに入るのかで割と大学生活が変わってくるみたいなのがあるので、もしかするとそれに近いかもしれないですね。
ということになると、日本人の勤勉さとか、技術の高さとみたいことを学んだ上で、パリに行かれたってことが割と強みになってたていうところがあるんですかね?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうですね!


⑥エルメスやサンローランでの経験

画像7

フクコトバ「RYO」
その専門学校をご卒業されて、またブランドに就職されるんですかね?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうなんです。
まず首席で卒業できたので、行きたいところで研修させてもらえて、その時はすごくエルメスが好きだったので、エルメスのメンズのデザイン室で研修させてもらえたんです。
ただ、空きポストがなかったので、やっぱり研修生は研修だけでそこに就職はできなくて、で一応学校のオートクチュール組合って会社と仲良くやってるので、一応会社斡旋とかはしてくれるんですけど、それで学校紹介の小さいアトリエに一応就職しました。

画像12

↑エルメスの会社入り口

画像13

↑エルメスの社食

フクコトバ「RYO」
本当にすごいですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
ですが、そこのクリエイターが気分がコロコロ変わる人でして。
そういう人結構いるっちゃいるんですね。
距離が遠かったら良いんですけど、その時はアシスタントクリエイターみたいな、その人の言うことを全部下に伝える役だったので、それでうつの直前みたいな感じになって辞めますって辞めました。
フクコトバ「RYO」
そうだったんですね。大変でしたね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
でその後から、 レバノン人のラビカイルーというブランドで働きました。 
エルメスで研修していた時に デザイナーさんの働き方を見ていて、絵を書いている時間はちょっとで、後は全部下請けのアトリエとか、自分の会社のアトリエの人とか、資材屋さんとかと、一日中喋っていたんです。
それで、「誰かとコミュニケーション取らないといけないのかな」と、日本語でもあんまり得意じゃないので、そのときに私はモデリスト、パタンナーの方が、正直絵をもらってそれからしばらくは自分とマネキンだけなので、話さなくていいと思って、そっちの方に方向転換したのがその2社目です。
2社目のときはパタンナーの仕事で仕事を探して、モデリストっていって日本で言うパタンナーの仕事をしました。
基本は立体裁断メインで、大きい会社だとパタンナーをつけてくれて、立体裁断だけやって、紙にパターンにする人は別にいる形でした。
フクコトバ「RYO」
そこも分業になっているんですね!
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうです。
大きくなればなるほどすごく分業で、小さい会社だとパターン作りまでがお仕事ですね。
フクコトバ「RYO」
なるほど。
そこの会社自体はどれくらいの期間働かれたんですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そこは2年いましたね。
2年で技術も学べたし、そこも正直安月給だったので「そろそろ私ももうちょっと貰いたいな」ということで変えましたね。

フクコトバ「RYO」
その後はどういった所に行かれるんですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
その後は、フランスファッションジョブドットコムていう仕事探しネットサービスがあるんですが、そこで見つけたランバンていう会社のパタンナーで契約社員として働きました。
期間を決めてコレクションの前だけの2ヶ月とかを契約して、それで3シーズンほどランバンでやりました。
ただ、ランバンもアトリエの長が気分がコロコロ変わる人だったので、そろそろいいかなって感じで、次に行きました。
フクコトバ「RYO」
やっぱりそういう方が多いですね。(笑)
次のところはどんな所だったんですか?
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
ファッション業界って派遣社員っていうのが確立されてまして、コレクションをやる2ヶ月前、ファッションだけのそういう派遣会社が3,4社あるんですが、特にパタンナーと裁断師と縫製師は派遣会社から呼ばれるんです。
コレクション前だけ大きいアトリエになるってやり方でやる大手メゾンが多かったので、私も登録して一番最初の任務はサンローランですね。
サンローランでドレス部のパタンナーを8ヶ月しました。
最初、1週間のつもりで言ったら延長延長で8ヶ月位やらせてもらいました。
フクコトバ「RYO」
それはやっぱり実力を認めていただいて、もっと来てほしいっていうことだったんですね。いや、すごいですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
実力プラス性格ですね。
こう長になる人がすごい性格がきつい人だと派遣社員側もNOって言っていいんですよ。別の職場があるから。
フクコトバ「RYO」
フェアな関係なんですね。
アパレルパタンナー/セルフポートレーター「Manamiss」さん
そうですね、もちろん私達のほうが弱いから、NOって言ったらそれ以降その人がアトリエ長の限りはその会社に採られることはないですが。
本当に結構変わるんです。なので「今あそこの長だった人が違うメゾンに行ったよ」っていうのがあるので、全然同じ会社にまた呼ばれるってこともあり得ます。
アパレル業界の働き方も、パリ特有といいますか、それって日本とはまたちょっと働き方が違うんですかね。
多分パリ特有だと思うんですよね。日本のパターンとかアトリエ的なところで働いているお友達がいないんですけど、派遣業態っていうのはなさそうな気がするんですよね。


ーーー後編へ続くーーー


皆様、いかがだったでしょうか?

現在、パリ在住でアパレルパタンナーとして働かれながら、コロナを機にセルフポートレーターとしても活動を始められた「Manamiss」さん。

前編の今回は、長野で生まれ育ち、パリへ飛び立たれてからの様々なご経験をお聞きしました。

なかなかファッションの本場パリの第一線でご活躍されている方のお話をお聞きする機会はないので、私もとても楽しく興奮してお聞きしていました。

華やかな業界の一方で、様々な人間関係や業界特有の仕組みがあり、そこもまたご経験をされた方でしか話せないことばかりで、大変貴重なお話をお聞きさせて頂きました。

「Manamiss」さん、ありがとうございます!

後編も、引き続きとっても貴重なお話をお聞きしておりますので、お楽しみに!!


また、「Manamiss」さんnoteや Instagramでは、とってもオシャレなセルフポートレートが観られますので、ぜひチェックください!!


アパレルパタンナー/セルフポートレーター
「Manamiss」さん
のプロフィール

■noteアカウント
https://note.com/manamiss

■フクコトバおすすめ記事
https://note.com/manamiss/n/na6e8304491de

■ Instagram

https://www.instagram.com/manamisselfie/


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「〇〇さんのフクコトバ〜他己紹介記事作成〜」について

ファッション関係のお仕事をされている方へ、私たちフクコトバが、インタビューをさせて頂き、「他己紹介記事」を書かせて頂くサービスを実施しております!!

ぜひ、興味のある方は応募フォームよりご応募ください!!

■インタビュー方法
オンライン、対面どちらでも可能。(対面の場合は、関東圏のみ)
詳しくは応募フォームにてご希望をお聞かせください。

■インタビュー内容
(大枠の質問です。お話の流れによって変更もあります。)
Q:どのような活動をされているのか?
Q:活動をするに至ったきっかけは?
Q:ファッションや衣服に興味を持った経緯や体験談
Q:ご自身や活動でアピールしたいこと

■費用
無料

■所要時間
約1時間程度

■応募フォーム
https://forms.gle/uTNdrPWB6YDG5kaS7

■お問い合わせ先
mail:fukukotoba00@gmail.com


その他の、「〇〇さんのフクコトバ」シリーズはこちら↓


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私たち「フクコトバ」の自己紹介記事↓

画像1




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?