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アンサングシンデレラ 第6巻 婦人科も受け持った葵はどうなるのか


 アンサングシンデレラ新刊発売されました!
 待ちましたね。1年くらい待ったのではないでしょうか?

 ドラマも無事終わって忘れかけていました笑

 今回発売がだいぶ空いてしまったのはコロナの影響で、ドラマの開始時期が遅れ、4巻、5巻が立て続けに発売された影響でしょう。

 ついに発売された第6巻について触れていきたいと思います

※注意 以下よりネタバレを含みます
まだ読んでない方、これから読む方はお控えください。


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1.アンサングシンデレラとは

 まずはアンサングシンデレラを知らない方に、どんなお話か紹介していきます。
 「アンサングシンデレラ」とはこれまでスポットライトが当たることの少なかった病院薬剤師たちが主人公の漫画です。
 病院の薬剤師は患者とかかわることが少ない職業です。今までは調剤などがメインであり、最近では病棟薬剤師ができ、服薬指導することも多くなってきましたが、それでもなお薬剤師は医師・看護師に比べて患者へ接する機会は少ないです。
 また実際には薬についての提案や疑義紹介で患者の健康を守っていても、それについて患者が知ることは少なく、縁の下の力持ちのような存在からとられたタイトルだと思います。

 ちなみに話が少しそれますが、自分も患者の指導に行っても薬剤師だと認識してもらえなかったり、外の調剤薬局の薬剤師と思われたり、世間話の相手ぐらいにしか思われていないことも・・・😭

 さてアンサングシンデレラですが葵 みどりという病院薬剤師2年目の女性が主人公です。小児科病棟を受け持っています。正直漫画を見ていて2年目でこのレベルは半端ないです。そもそも2年目で病棟を任されているところもすごいと思います。ドラマでは女優の石原さとみさんが病院薬剤師6年目として演じていました。さすがに2年目としてはできすぎていましたかね😓

 ほかに主要キャラクターといえば・・・
・瀬野 章吾
 葵の先輩であり、ベテランの薬剤師。人当たりも強く、部下からも信頼されている。葵に対しても厳しく指導する反面、しっかりとフォローしてくれる。

・刈谷 奈緒子
 冷静な性格で、患者に対して冷たく思われる一面も。以前は薬局で仕事をしており、在庫に対しても厳しく管理している。

・相原 くるみ
 漫画ではあまり登場せず後輩か、同期と思われる。ドラマでは瀬野七瀬が演じるなど重要ポジションとされていた。

・羽倉 龍之介
 新人薬剤師? 整形外科を受け持つ病棟薬剤師。キノコ型ヘアスタイルと丸眼鏡がトレードマーク。少し根暗な印象。

・小野塚 綾
 ナカノドラッグに努める薬局薬剤師。最初は後ろ向きな性格だが、葵とかかわることで前向きになり、最近では勉強会などで打ち合わせをすることも。葵といい感じなのでは? と思ってしまいます。

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2.前回までは

 前回までは婦人科病棟を担当していた薬剤師が産休にてしばらくお休みすることとなり、その代わりに葵 みどりが小児科と婦人科を兼任することとなりました。
 少しずつ婦人科病棟にも慣れていく葵の前に、新しい患者が現れます。それが今回の最初のお話なのですが、妊婦のてんかん患者でした。そしてそのお母さんがいわゆる毒親で、娘を不安にさせるような言動をしたり、生むこと自体を反対したりします。そんな不安に対して葵たちは医師・看護師・薬剤師でチームで挑んでいくところで終わっていました。

※注意 以下よりネタバレを含みます
まだ読んでない方、これから読む方はお控えください。
ここからは本当にネタバレになります。注意してください!

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3.妊婦のてんかん患者

 最初のお話は妊婦のてんかん患者に対しての薬物治療、そしてそれに対する家族の理解や助けの重要性について描かれています。

 そもそも妊婦にとって薬はとてもデリケートな問題です。なぜなら薬の中には催奇形性という、生まれてくる子供に奇形が生じる可能性を高めてしまう薬があるからです。
 疾患によっては薬を変えたり、一時的に薬をやめたりすることで対応することはできますが、てんかん患者は違います。

 そもそもてんかんに使用する薬剤は催奇形性を誘発する薬が多く存在しています。そしててんかんの妊婦はその薬をやめることが基本出来ません、、、といよりもやめることがリスクとなってしまう可能性があります。
 ここでいうリスクとは妊娠中にてんかんが生じることで転んだり、倒れてしまうことで、母体だけでなく生まれてくる子供を気づつけてしまうかもしれないからです。

 ちなみに本の中でも触れていますが、あくまで可能性を高めてしまうだけで、絶対そうなるわけではありません。そもそも薬を飲んでいなくても一定の確率で奇形が生じる可能性もあります。
 ただ親にとっては子供に少しでも影響を与えたくないというのが本心でしょう。

 てんかんの患者さんはそれだけで問題が大きいにも関わらず、この患者さんはさらにお母さんがめちゃくちゃ毒親です。
 「あなたには育てられない」
 「催奇形性のリスクがありますよね」
 「知能指数が下がるかもしれないですよね」
 「母乳は無理ですよね?」
 などなど本人の前で医師や看護師にバンバン聞きます。これだけで本人の精神的ストレスが半端ないのがわかります。

 見ているこちらとしては、
 「あんたが一番悪影響だよ!!」と思ってしまうほど😓

 しまいには「お母さんには頼らないから!」と本人が言ってしまいますが、そこは医師が「家族の助けは必要不可欠」となだめます。そんな中で破水してしまい、帝王切開となってしまいました。無事生まれてきた子供はNICUへ。
 それに対して「ごめん」と妊婦さんはお母さんにいいます。ここはお母さんにさんざん言われていたにも関わらずこういう結果となってしまったことに対する申し訳なさでしょうか。
 そのあと子供と対面する中、早産のこともあり、低体重で妊婦さんは「私じゃなければもっと健康に生めたのかな」と泣いてしまいます。それを後ろで見ていたお母さんは一言

 「あなたのせいじゃない」

 なんだかんだ色々と不安なことを言っていても、本当は娘のことを大切に思っているお母さんが描かれていました。特にこのお母さんは娘がてんかんをもって生まれたことで、親せきや親からさんざん言われたつらい過去がありました。それが今回娘に対して過保護になっていたんでしょう。
 最後は子供も順調に大きくなっていき、退院していきました。

 ほかにも、えっそうなの!? みたいなためになる話もあったのですが、長くなりますので割愛します🤣

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4.動物病院にて

 さて続いての話は動物病院です。葵の家で飼っている猫が手をけがしてしまったということで動物病院へ。

 動物病院はちょうど夏休みの時期もあり、人手が不足していました。それを見た葵が、なんとそこでお手伝いとして働くことを志願します。

 まじかよ・・・
 ドラマでもさんざん思いましたが、こいつ半端ないで。
 いや、機会があったら自分もやってみたいけど。

 そこでは動物病院ということもあり調剤棚は小さく、動物用の薬も少ないことから人間用の薬を分割・粉砕して調剤していました。しかし調剤薬局ではないので散財分包機や粉砕機もなくすべて手で行いました。
 ここでは手際の良さに動物病院の先生も大満足でした。
 
 最後は無事仕事も終わり、動物病院の先生とお話して終わります。
 そこでは最近では動物専門の調剤薬局も最近できたと・・・
 知らなかった・・・

 薬剤師は女性も多く動物好きのかたも多いのではないでしょうか。
 正直自分も興味あります。
 読み始めたときは動物病院なんて関係ないと思っていましたが、とてもためになるお話でした。

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5.ワクチンについて

 さて最後はワクチンについてです。
 まず初めに小児科に予防接種を途中でやめた子供が入院してきます。
 それについて聞いても奥さんはワクチンは子供に悪影響だからやめたと。

 どうやらママ友の中に元薬剤師がいて、ワクチンを打たないほうがいい、薬も最低限にしたほうがいいという考えの方がいるようです。よくある自然なもので生活しようという考えのグループのようです。

 私個人の考えでは、それに対して否定する気はありません。考え方はそれぞれだし、もちろんすべてのことにメリット・デメリットはあります。なのでそれについて決めたことについてとやかく言う気はありません。ただしその選択について生じたことは責任を取る必要はあると思いますが。

 さて今回入院をした子供はあくまで尿路感染で、抗菌薬での治療となりました。最初は葵が薬の説明したときは奥さんも納得しましたが、翌日になると一変、薬はもう使いたくないと言い出します。

 話をきくとどうやら例の元薬剤師ママ友が「熱が下がったなら抗菌薬は使うべきではない」、「1日で治ったら入院そのものがいらなかったのでは」などといったそうで。
 しかも子供の胸には紅斑ができており、元薬剤師ママ友は「薬疹ではないか?」と言い出したと。

 しかし医師はワクチンも摂取していないことから水ぼうそうの疑いもあるとのことで退院延期、しかも病室から出てはいけないと。
 この病院にはワクチン接種したくてもできない子供もおり、その子供に移してしまっては大変だと。
 ワクチンは自分のためでなく他に移さないようにするためにも大切ですよね。今のコロナも同じですが、自分だけでなく周りの人のことも考えなければいけませんよね。

 その後薬局の薬剤師の小野塚と打ち合わせをしているときにその話になり、ワクチンについて勉強会を開くことになりました。

 今回はここで終わりです。次回が気になりますね。さてどうなっていくのか次回に期待です。

 私もそうなのですが、ずっと同じ病院で働いているとほかの病院がどういうことをしているのかわからなかったりするので、こういうほかがやっていることを知れるとても勉強になります。
 興味ないと思わずぜひ見てほしい1冊です🥰

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