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ネタバレあり 映画『EO イーオー』 第95回アカデミー賞国際長編映画賞候補作 ~映画イラスト~

EO イーオー(2022年製作の映画)EO
上映日:2023年05月05日
製作国:ポーランド イタリア
上映時間:88分
監督 イエジー・スコリモフスキ
脚本 エヴァ・ピャスコフスカ イエジー・スコリモフスキ
出演者 サンドラ・ドルジマルスカ  イザベル・ユペール  ロレンツォ・ズルゾロ  マテウシュ・コシチュキェヴィチサヴェリオ・ファッブリ

四コマ映画『EO イーオー』

http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2940

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第95回アカデミー賞国際長編映画賞候補作


『異端の鳥』っぽい作りだと思いました。
戦時下で少年が安住の地を求めて各地を転々としながら大人に保護されては逃げて保護されては逃げて、、という『異端の鳥』。


『EO イーオー』はロバのEOちゃん(オス?)が人間の都合でどっかへ連れて行かれたりEOちゃんの自由意志で逃げたりして各地を転々しながら、
天国のような地獄のような人間たちの様子を映し出していきます。

ロバ視点ではありますけど登場人物が割と多いし、
各地で行われるイベントがなかなかインパクトがあるのでグッと惹きつけられたまま最後まで観れます。

動物愛護だけではない

冒頭かサンドラとの蜜月を引き裂くのは動物愛護団体ですからね、動物愛護だけを言いたい映画ではないでしょう。

人間の性差別の描写も多いし、人間の残酷さや愚かさや冷酷さもあるし、逆に人間の温かさ優しさもある。

単に各地で嫌な目に遭うだけではないので、次の土地ではEOちゃんが何に遭遇するのかがホントにハラハラします。。

映像と劇伴が素晴らしい

主役はしゃべらないわけです、ロバだから。さすがに。
なので全体的にはセリフが少ない。

そうすると映像と音楽の責任が重くなるわけです。
てことで映像は素晴らしく刺激的。

劇伴は特に素晴らしいですね。EOちゃんの心情に寄り添っているような、突き放しているような、天空から客観視しているような、複雑で美しい音楽。

映画体験として素晴らしいものだと思います。


ユペール先生

イザベル・ユペール先生が突如どアップで登場します。
ちょうどコーラとか飲んでる時だったら吹き出すと思うので注意してくださいね。

顔力。存在感がすごいのよ。
EOちゃんに負けない存在感。命同士の対決(戦ってないけどね全然)でユペール先生の勝利なんですよ。

僕は自宅のPC画面で観ちゃったんですけど、これは映画館で大音量大スクリーンで観ることで価値が何倍にもなる映画だと思います。



以下、ラストあたりネタバレ



街。
商店のディスプレイの水槽の中を見て興奮するEO。

消防の男女に捕獲される。

消防の男女を含めたメンバーがサッカーをやっている時に、おっさんが「かわいそうに」みたいな感じでEOの綱を外す。
でもEOは逃げない。

PKで蹴る前にEOはいななく。ボールはゴールポストに弾かれる。
試合が決まり暴れる男たち。フーリガン。怖い。
負けた方はロバのせいだと言う。
勝った方はロバのおかげという。

女性審判に強く抗議するフーリガン。女性だからと舐めてるっぽい。

バー。
EOを中心にして踊る。EOは酔っ払いたちにキスをされたりタバコの煙を吹きかけられたり、酒を飲まされそうになり、EOは外へ。

敵チームが襲撃に来た。バットで店を壊しまくる。敵チームはさっていく。
EOもバットで何度も殴られる。
「忌々しいロバだ!」

***
AIの四足歩行ロボットの映像。転んでも何度も立ち上がって草むらを進む。
**

獣医。EOは運び込まれる。
獣医「治すのが俺の仕事だ」

治ったEOは動物たちの殺処分場?で働くことに。
怯えて威嚇する狐や犬たち。悲しい。
殺された動物たちを運ぶのがEOの仕事。

EOは後ろ脚で男を蹴って逃げる。
しかし捕まり、馬たちと一緒にトラックに乗せられる。

ヘビメタの男たち。
運転手の男。店の前でお腹を空かせていた黒人の女性に食べ物をあげる。
「セックスもどう?」と女性に言うと
女性は逃げた。
「冗談なのに、いつもこれだ。。」
パーカーの男が現れて、運転手の男の喉をハサミできる。

パトカー来る。殺人事件。警官などがたくさんいる。

帽子の男「どうしたんだ?お前?何かあった?俺と帰るか?家に帰るのは久しぶりだ。旅の仲間だな。よしいくぞ。胴部保護かな?窃盗かな?お前はいい子だな」
EOが連れて行かれる。
「今まで大量の肉を食べていきた。何百キロも。サラミも。ロバの肉ってことだ」

***

イザベル・ユペール先生、ドアップで登場。びっくり。

男は司祭?神父?の修行中。「我らの生贄が届くように」
それをユペールが凝視してる。

ユペールに電話。
「彼が問題を起こすと私の義理の息子と呼ぶのね。あなたの甥でもあるのよ。今日は何をしたの?」

庭にEO。炎の。
ロバのいななき。EO逃げる

***
「ギャンブル?停職処分に?」
ユペールがさらを何枚も割る。
「もう尻拭いはしない。フランスに帰るから。あなたにも相続はあった。賭け事で失うまでは。あなたにもあなたの父にも私は正直だった。なぜ逃げたの?」

ユペールと男がキス。
(唇が触れ合う前に場面転換)

ユペールは男の義理の母なのかな。男の父は死んだのでその遺産相続がどうのという話が出てきてる。電話の主は男の父の兄弟。司祭?神父?の職を継ぐように義理の母であるユペールに頼んだ電話だったのかな。しかしなんとユペールと男には体の関係があったっぽい。複雑!

***

EO、庭にいる。サーカス団でカサンドラと別れた時に映像。
門が自然に開き、EO、外に出る。

ダムの水流。滝壺・水が逆再生される。
(時間が巻き戻った??)

牛たちのお尻。歩いている。そばにEO。どこかの牧場。
牛と共に舎の中に入る。
銃声。画面真っ黒。終わり。

「本作は動物と自然の愛から生まれました。撮影でいかなる動物も傷つけていません。」


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