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健康に勝る資産はありません。
いくらお金があっても、健康は買うことができません。
もちろんお金があることで最良の治療を選択できる可能性はありますが、健康は結果であり、お金という手段を使って必ず得られるものではありません。

健康を作る、保つためにさまざまな方法が紹介されていますが、最も大きな影響を与えているものが食事です。
それは今までもこらからも変わることがありません。
体を作るのも食事、病気を作るのも食事、健康を作るのも食事です。

食事以外の要因、例えば社会的なストレスや環境汚染、デジタル社会などの影響が無いとは言えませんし、過去と比較するとその比重は大きくなっているでしょう。しかしこれらは自分の力でなかなかコントロールできるものではありません。
だからこそ、自身の行動で変化させることができる食事が重要になっているのだと思います。

今回は『世界最新の医療データが示す最強の食事術』という本を少し紹介しながら食事や栄養について学んでいきたいと思います。


まずこの本で触れられていることは、食べ物は予防医学に深く関わっているということです。
感染症などに対する免疫力や、生活習慣病、脳梗塞やがん、骨粗鬆症など、ほとんどの病気が食べ物との関連があります。

その中でも重要視している栄養素にビタミンD、マグネシウム、亜鉛を挙げています。これらの栄養素の摂取量が不足している、あるいはこれらの栄養素を枯渇させるような悪い食事を行うことで、問題を大きくしていることに触れています。

個々の栄養素については後程解説していきますが、この3つに関しては、健康維持に欠かせないとしています。


ではこのような現状になっている原因は一体何でしょうか。

まず挙げられているものは、加工食品の影響です。
加工食品には食品添加物が大量に使用されています。
特に慢性腎臓病や透析患者さんなどが気を付けなければいけない添加物に『リン』があります。
調理を便利にするためや安くするため、賞味期限を長くするためなど、消費者やメーカーの都合に合わせるために、使われているということは認識する必要があります。
つまり体に悪いという事実だけではなく、その恩恵を我々も受けていることを忘れてはいけません。
そのような意味でも、加工食品に対する意識改革は必須と言えます。

またこのような影響というのはすぐにはでません。

時間をかけて体の不調として現れてきます。
気づいた時には遅いとならないようにしっかりとた知識が必要です。

当院に来られている患者さんを拝見していても、食事に対する意識が高い方は若々しく、元気な方が多い印象です。
体組成測定などをする場合でも、食事内容を意識されている方は、筋肉量の維持もしっかりできており、筋力も維持できている方が多くおれれます。

もちろんそのような方は運動に対する意識も高いため、精神的にも安定しています。食事、運動、睡眠の3つが揃えば、そう簡単に病気にならないのではないかと思います。



では上で紹介した個別の栄養素についてみていきまししょう。

まずはビタミンDです。
ビタミンDの関係を紹介するために、本では新型コロナとの関連を挙げています。
血中のビタミンD濃度が低い国では新型コロナによる人口100万人当たりの死亡者数が多くなっているそうです。
もちろんその国特有の問題、例えば人種やその他の生活様式などの影響も可能性はありますが、興味深い研究結果です。

ビタミンDは骨を強くするために必要であるという認識が強いと思いますが、その他にも、カルシウム代謝の正常化、がんの予防、動脈硬化の予防、糖尿病の予防、うつ病の予防、認知症の予防、筋力低下の予防など多くの病気の予防に関わっていると言われています。

これを聞くとビタミンDの重要度ランキングが上がっていくと思います。
ビタミンDを摂取する方法は3つあり
①食事から摂取する
②日光浴をする
③サプリメントで摂取する

があります。
①では主に魚に多く含まれているため、肉が中心の方は、魚料理を入れてみるのもいいかもしれません。

③のサプリメントで摂取する際は、過剰に注意する必要がありますので、サプリメントに詳しい医師や栄養士の指示を受けることをお勧めします。


ビタミンDは上で紹介したように、あらゆる疾患の予防に効果があるため、症状が出ていない状態で摂取することが理想です。

特に妊婦や小さい子供などのビタミンD不足が懸念されています。
妊娠中や授乳中などにも必要になると考えられます。

先ほど説明したように、食事から摂取する際には、魚が効果的ですが、特に小型の青魚である、イワシ、サバ、サンマなどが理想的です。

キノコにもビタミンDは含まれていますが、キノコ類に多いのはビタミンD2であり、体が必要としているのはビタミンD3です。
だたキノコ類は食物繊維も多く栄養価は高いため、別の意味で摂取した方がいい食材です。

日光浴は1日15分から始めてみましょう。
夏場は半袖のため、意識しなくても可能かもしれませんが、冬場などは肌を露出する機会が少ないため、サプリメントの利用も効果的です。

サプリメントは値段や質がさまざまですので、良質なものを選ぶように心がけましょう。上でも書いたように、サプリメントに詳しい医師や栄養士に相談するのが理想です。


引き続き次回はマグネシウムについて解説していきます。