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当院では栄養療法の一環として、サプリメントも利用しています。

サプリメントに関しては、適切な栄養素を適切な量、方法で利用することで最大限の効果を発揮します。
質の悪い物や、利用の方法を間違うと効果が出ないばかりか、逆効果になってしまう場合もあります。

当然薬ではないため、用法や容量が明確に示されている訳ではありませんが、薬や運動と同じように、適切な利用方法があります。

今回はサプリメントのお話と、当院で扱っているアスタキサンチンのサプリメントについて勉強していきたいと思います。


まずサプリメントについての考え方です。

サプリメントは、現代の食生活において不足しがちな栄養素を補うために非常に便利です。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、質や用法などのポイントをしっかり押さえることが重要です。

購入先の選び方

  1. 信頼できるブランドと販売店: サプリメントは信頼できるブランドから購入することが重要です。製造過程や品質管理がしっかりしているブランドを選びましょう。また、正規販売店や公式サイトから購入することで、偽物や品質の低い製品を避けることができます。

  2. 第三者機関の認証: GMP(Good Manufacturing Practice)やNSF認証など、第三者機関による認証を受けた製品は、品質と安全性が確認されています。これらの認証を持つ製品を選ぶと良いでしょう。

  3. レビューと評価: 実際に使用したユーザーのレビューや評価を確認することも大切です。特に、信頼できるレビューサイトや健康関連のフォーラムでの意見は参考になります。

購入時の注意点

  1. 成分表示の確認: サプリメントの成分表示をしっかり確認し、何が含まれているかを理解しましょう。添加物やアレルギー物質が含まれていないか、また、有効成分の含有量が適切かを確認することが大切です。成分表示は量の多いものから順番に書いてあります。ビタミンDのサプリなのに一番最初に書いているものがビタミンDとは異なる物質である可能性もあります。

  2. 有効期限: サプリメントの有効期限を必ずチェックしましょう。期限切れの製品は効果が減少するだけでなく、健康に害を及ぼす可能性もあります。

  3. 用法・用量の確認: 製品ごとに推奨される用法・用量が異なるため、必ず確認し、守ることが重要です。身体にいい栄養素であっても、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼすことがあります。

服用方法と質についてのアドバイス

  1. 適切なタイミング: サプリメントは、成分によって服用する適切なタイミングが異なります。例えば、脂溶性ビタミン(ビタミンD、E、Kなど)は食事と一緒に摂ると吸収が良くなります。一方、空腹時に摂る方が良い成分もありますので、製品の指示に従うことが大切です。

  2. バランスの取れた食事との併用: サプリメントはあくまで補助的な役割であり、バランスの取れた食事が基本です。食事から栄養をしっかり摂り、足りない部分をサプリメントで補うことを心がけましょう。

  3. 医師や専門家の相談: サプリメントの服用を開始する前に、医師や栄養士に相談することをおすすめします。特に、既存の健康状態や他の薬を服用している場合は、相互作用を確認することが重要です。一般の人にとっていい栄養素でも、腎不全や心不全がある場合、悪影響を及ぼす可能性もあります。

  4. 質の見極め: サプリメントの質は価格に比例することが多いですが、高価だからといって必ずしも高品質とは限りません。原料の出所、製造プロセス、第三者機関の検査結果など、総合的に判断することが重要です。

  5. 効果の確認と調整: サプリメントを服用し始めたら、定期的に自分の体調や効果を確認しましょう。効果が感じられない場合や副作用が出た場合は、速やかに医師に相談し、服用を中止または調整することが必要です。一番わかりやすいものは便の状態です。便の状態は悪くなるものは消化と吸収がうまくいっていない可能性があるため注意しましょう。


サプリメントは、適切に使用すれば健康をサポートする強力なツールとなります。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、信頼できるブランドの製品を選び、成分表示や用法・用量をしっかり守ることが重要です。また、医師や専門家のアドバイスを受けながら、自分の健康状態に合ったサプリメントを選ぶことが、健康的な生活を維持するための鍵となります。


ここからは当院でも取り扱っているアスタキサンチンについてお伝えします。

アスタキサンチンの効用(特に筋肉と運動機能への影響について)

アスタキサンチンは、自然界で最も強力な抗酸化物質の一つとして知られるカロテノイドです。エビやカニ、サケなどの赤い色をした海産物に多く含まれており、その美しい赤色はアスタキサンチンによるものです。アスタキサンチンは、その優れた抗酸化作用により、美容や健康に多くの利点をもたらすとされています。今回は、特に筋肉や運動機能に焦点を当てて、アスタキサンチンの効果について詳しく解説します。

アスタキサンチンの基本的な効果

アスタキサンチンは、フリーラジカルを除去する能力が非常に高く、ビタミンEの約1000倍、β-カロテンの約100倍の抗酸化力を持っています。これにより、細胞の酸化ストレスを軽減し、細胞の健康を保つことができます。また、アスタキサンチンは脂溶性であり、細胞膜に深く浸透してその抗酸化効果を発揮します。これにより、肌の健康を保ち、老化を遅らせる効果も期待されています。

筋肉と運動機能への影響

運動やトレーニングは、身体にとって非常に良い影響をもたらしますが、一方で筋肉に酸化ストレスを与えることもあります。酸化ストレスは、筋肉の炎症や疲労の原因となり、運動パフォーマンスの低下を引き起こします。アスタキサンチンは、この酸化ストレスを軽減し、筋肉の回復を促進する効果があります。

  1. 筋肉の回復促進: アスタキサンチンは、筋肉の炎症を抑制し、運動後の筋肉痛や疲労を軽減する効果があります。これは、アスタキサンチンがフリーラジカルを除去し、筋細胞の損傷を防ぐことによるものです。特に高強度のトレーニングを行うアスリートや、筋肉の回復が重要なシニア層にとって、アスタキサンチンの摂取は非常に有益です。

  2. 持久力の向上: アスタキサンチンは、持久力を向上させる効果も報告されています。運動中に発生する乳酸の蓄積を抑えることで、疲労の原因となる酸化ストレスを軽減します。これにより、長時間の運動やトレーニングが可能となり、運動パフォーマンスの向上が期待できます。

  3. エネルギー代謝の改善: アスタキサンチンは、ミトコンドリアの機能をサポートし、エネルギー代謝を促進する効果もあります。ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを生成する重要な役割を果たしており、その機能が向上することで、運動中のエネルギー供給が効率化されます。これにより、筋肉の疲労が軽減され、持久力が向上します。

実際の研究例

いくつかの研究で、アスタキサンチンの運動機能への影響が確認されています。例えば、アスリートを対象とした研究では、アスタキサンチンを摂取することで、運動後の筋肉のダメージが軽減され、回復が早まることが示されています。

さらに、高齢者を対象とした研究でも、アスタキサンチンの摂取が筋肉機能の維持に役立つことが示されています。これにより、高齢者の歩行能力や日常生活の質の向上が期待されています。

また癌などにより、悪液質という筋肉量が減少してしまう状態になります。その場面でもアスタキサンチンを使用することで筋肉量の減少を改善するとう報告もあります。

アスタキサンチンの摂取方法

アスタキサンチンを効果的に摂取するためには、食事からの摂取とサプリメントの利用があります。食事から摂取する場合、サケやエビ、カニなどの赤い海産物を積極的に取り入れると良いでしょう。サプリメントを利用する場合は、品質の良い製品を選び、適切な摂取量を守ることが重要です。


アスタキサンチンは、その強力な抗酸化作用により、筋肉や運動機能に多くの利点をもたらします。筋肉の回復を促進し、持久力を向上させ、エネルギー代謝を改善することで、運動パフォーマンスの向上が期待できます。また、高齢者の筋肉機能の維持にも役立つため、幅広い年齢層にとって有益な成分です。


いかがでしょうか。

他にもいいサプリメントや栄養素はありますが、自分にあっているかどうかという部分が最も重要です。
そのためには血液検査や医師の診断、食事や栄養状態の確認など、しっかりとした評価をした上で運用していく必要があります。

テレビやネットの宣伝は時に過激に表現していることもあります。

なんとなく効きそうではなく、しっかりとした根拠をもった導入が一番大切です。


健康的な身体を維持できるように、今後もさまざまな視点からの情報を紹介していきたいと思います。