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シアトルでアウトドア - カニ釣り編 -

今日はライトな話題で!

シアトルはアウトドアがとっても盛んな場所だ。山と海に囲まれているという地の利を活かしてキャンプだったり釣りだったりを多くの方が楽しんでいる。「山にいく人は元気を求めてて、海に向かう人は癒しを求めている」なんて言葉を聞いたことがあるが、そういう意味では陽キャな人でも、あるいは陰キャという人だってシアトルの豊かな自然は十分に楽しむことが出来るだろう。

ぼくはキャンプに行くような活動的な人間ではないけれど、釣りは昔からよく好きで行っていた。実家が横浜のすぐ近くだったので鎌倉や逗子の方にキスやカレイなんかを釣りに出かけてた。

シアトルはニジマスやサーモンが釣れることが有名だし、なんなら頑張って船に乗ればマグロだって釣れちゃうみたい。まずは簡単なところから、ということで諸々調べてみたところ、どうやらカニが埠頭からでも釣れるようなので行ってみることに。

ぼくはこちらに来てからというものの、仲良くさせていただいている日本人の同僚のかたがお二人ほどいる。同僚といっても同じ会社にいるってだけでチームや仕事なんかはぜんぜん違う。なんだけど日本のオフィス (アマゾンジャパン)の大きく括ってマーケティングのチームで一緒だったときにお世話になった…というか急遽お二人が「アメリカにいくぜ!」なんて話を聞いた際には勝手に刺激を受けまくっちゃって、ある意味でお二人を追いかけるような形でぼくもアメリカに来た格好になった。もちろんアメリカに来たのはもっと色んな理由があるけれど、そこら辺はこちらの記事に書いたのでご興味あれば!

釣り場所・ライセンス

それはさておき、そうそう釣りの話である。今回は件のカニ釣りを前述のお二人とそのご家族とで行ってきたわけだ。夏真っ只中の8月中旬。シアトルというと雨のイメージがあるかもしれないけれど、夏はほんとうにご機嫌な天気が続く。「昨日まであんなに泣きべそかいてたじゃない?」とこぼしたくなるぐらいに、それはもうケロッとした快晴の日に恵まれる。釣りに行った日はこんもりとした雲があるにはあったけれど。

今回行ってきたのはEdmonds Pierという埠頭。シアトルのダウンタウンから車で30分ちょっとぐらいでいける距離にある。こんな感じ。

日本にもよくある海釣り公園的なノリ。入場料はないけど、シアトルの場合だと釣りをするにはライセンスが必要 (ここに詳細が載ってる)。ぼくはがっつり釣りがしたいなと思ったので年間のフルパスを買ったけど、カニ専用の1日券とかも売っている。シアトルは魚に優しい仕組みが揃っていて、持って帰っていいサイズが決まってたり、釣っていい時期とそうじゃない時期なんかも決められたりする。そんなのも公式のサイトに載ってるわけだ。良く出来ていて関心。

釣り道具

道具はカニ用の仕掛けセットが売ってたのでそちらを購入。Amazonでも売ってるし (例えばこれとか)、アウトドアショップだったり釣具屋にも売ってる。

仕掛けは大きなケージに餌を入れるかご を入れてカニをおびき寄せるという仕組みだ (試しにレモンを入れてみた。5つ入るぐらいの大きさ)。カニさんはケージに入ったら外に出られず、「まあいっか」なんて思ってる間に水揚げされちゃってるみたいな感じだ。なので、釣りというよりも捕獲みたいな表現のほうがしっくりくるかも。

そしてこのカゴの中には肉や魚の切り身なんかをたんまり入れて、埠頭から海にぽちゃんと入れてじっくり待つ。至ってシンプルだ。

いざカニ釣り!

ライセンスと仕掛けを携えて早速カニ釣りを開始。ちなみにその釣りの桟橋で何人か釣りをしてる人がいたのだけど、そのなかでも意気揚々と釣りを楽しんでるベトナム系のおっちゃんがいた。見てくれはカジュアルなホームレスといった感じで (どんなだよって感じでしょうがそうとしか言いようがない笑)、汚れが目立つ恰好なんだけどなぜか笑顔が似合うポップな浮浪者といったところだ (どう褒めようとしてもこれが限界)。釣り仲間とワイワイと盛り上がっててほほえましいのだが、やっぱり服はおんぼろで臭ってきそうで近寄りがたい。

ぼくらが桟橋のうえでカゴなりをいそいそとセットしているときに、このおっちゃんがやたら話しかけてくる。一同言葉にせずとも「うん、このおっちゃんには気をつけようね」と通じ合い、出来るだけ反応しないようにする。なんだけどこのおっちゃん、どこか愛嬌があって、感じのよさからつい話を聞いてしまう。耳を傾けると…

さっきサーモン釣ったんじゃい。ええやろ〜。内蔵を切り取ってあるんやけど、そいつをカゴに入れてみーひん?匂い出るさかい、カニもぎょうさん寄ってくるで。

と言うではないか (関西弁はぼくの想像上の通訳でそうなった笑)。ぼくたちは鶏肉ばかりをエサに入れてたのだけど、そのおっちゃんが言ってることがなんか説得力があって (たくさん釣りしてそうな感じだったし) その話にノッてみることに。

そんなわけで鶏肉なりサーモンなりの内臓なんかをカゴに入れてカゴを「ちゃぽん」と海に放り込む。待つこと1時間。じっくり紐をたぐり寄せて引き上げる。どんな釣りでも、この瞬間ってたまらなくワクワクするものですよね。

ケージが海面に近づくにつれ、中身があらわになってくる。なんとそこにはあの鮮やかな赤いやつらがいるじゃないか!

それぞれ片手の手のひらをぐぅーっと広げて掴めるか掴めないかのサイズ。結構おおきい。こんなに大きいカニが海岸近くの桟橋のしたにいるってところにびっくりする。カニまでアメリカンサイズなんだなーと。

カニが釣れてみんなでワイワイ写真を取ったりなんなりしてると、あのおっちゃんがまるで保護者会に来た親みたいな感じで後ろのほうでニンマリと笑っていた。その姿は0.02秒ほど可愛いく見えたが、それでもやっぱりどう見ても浮浪者だった笑。

ただ周りでカニ釣りをしている人があんまり釣れてなかったので、やっぱりあの魚の内蔵が肝だった (ややこしい表現になってしまった)。それに気づいたぼくらはそのおっちゃんに感謝の意を述べた。日本で釣りをしていたときも、こういった釣り人同士の交流はそういやあったなーと思い起こした。釣り人に悪い人はいないってのはどうやら万国共通のようだ。

取ったカニはギリギリ規定のサイズ以下だったので、海に返してあげた。釣りに行く前はさあカニをどう調理しようかとあれこれ話していたけど、まあこればっかりは仕方ない。ぶくぶくと沈んでいくカニの姿を見つめながら「もっともっと大きくなってなー」なんて思いつつ、桟橋をあとにした。

帰りは近くの海の公園で散歩したり、おしゃべりしたり。ビーチ!って感じではないけれど、このとても静かな海と浜がなんとも心に染みるのでした。

それではどうも。お疲れたまねぎでした!

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