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労使間の問題が起こる時、殆どの場合、「聞いていない」「急に言われた」のこの2つのワードが発端になります。

実際に労働トラブルが生じたときに、話し合いの機会を設けると

「(そんなこと)聞いていないです」
「聞いたこともないです」
「そんな急に言われても・・・」

の言葉が高い確率で飛び交います。

賃金を含めた労働条件についても「聞いていない」、解雇についても「急に言われる」と大概トラブルに発展します。

労働条件については、条件自体に不満があったとしても、事前に「聞いていれば」、大きなトラブルになりにくいものです。

例として、「解雇案件」でも、急に言われるよりは、事前に何度も何度も注意を与えておくとよいです。

いきなり「解雇」と言われるよりは、「俺も悪かったかな」と意外と納得されるケースが少なくありません。

逆に言えば、事前に「聞いてもらっておく」「急に言わない」に注意をしていくだけで、大分、労働トラブルを減らすことができます。

例をあげます。

僕に、社長が相談に見えた時は、こんな感じです。

「仕事ができない社員がいる。何度も何度も注意したけど、よくならない。早くどうにか(解決)してく」という相談が多くあります。

要するに、早く辞めされるにはどうしたらいいか?解雇してもよいか。
他にいい方法はないかと言う相談です。

早く解決したい。。。という気持ちはよく分かります。

でも、社長に言われた通り、性急に解決を急ごうとした案件は、「対象者」(この場合、問題となっている社員)が、「仕事ができない」という注意をされていない状態ではなしを進めているのと一緒です。

急に物事をすすめるのです。残念ながら、大体うまくいきません。

そりゃ、そうです。物事を進めるには、別に労使トラブルに限らず、段取りってものがあるんです。

そもそも、この「仕事ができない社員に何度も何度も注意した」とはありますが、大体の場合、口頭注意なのです。

相談に来て下さっているので、もちろん、「きっと大変だっただろうなー」と同調しますし、寄り添います。真摯にお話を伺います。

でも客観的に見た時に、その注意した内容が文章など、目に見えているものがないのです。

おそらく社長の言う通り注意は幾度となくしたのでしょう。
ですが、残念ながら第三者から見た時にそれを証するものがない。

また、対象者からしても、口頭での注意だと、それほど重要な注意だと認識されていないケースが多い。

まさかそれが、解雇につながるような注意だ、そこまで重大な注意事項とは認識していないことも考えられます。

そうなると、突然「解雇」の申し渡しとなれば、「急に言われた」「聞いていない」という話になりがちです。

「聞いていない」「急に」を極力なくすると、労使トラブルも人間関係もうまくいくことが多いですよ。

「聞いていない」「急に」はトラブルのもと。覚えておきましょうね。


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