キャリアアップの行方
1
月曜日の朝9時、業務開始のとたんにスマホに着信。見慣れた電話番号だ。
正直なところ、僕は、午前中はあまり電話に出たくない。
でもお得意様の顧問先の電話なら、そうも言ってられない。
「はい、佐々木です」と電話に出るといつもの聞きなれた声。
「先生―っ、スター事務機の田辺です。朝早くからごめんなさい。今、電話いいですか?」
「あっ、恵子部長、いつもお世話になります。(電話)大丈夫ですよ。どうされましたか?」
スター事務機は、僕が開業早々に顧問先になってくれた思い入れのあるお客