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【D-Day】ノルマンディ上陸作戦から76年

 1944年6月6日の第二次世界大戦、連合軍によるノルマンディ上陸作戦の決行日から今日で76年。ナチスドイツに占領されたフランスのノルマンディに米英軍が決行した史上最大の上陸作戦。毎年このD-Dayではアメリカ各地でお祭りやパレードを開催、今年は新型コロナと反差別抗議デモがあり、どうなるか。
 ノルマンディ上陸作戦についてコロンビア大学戦争と平和研究所所長のリチャード・ベッツ教授の「戦略論(ストラテジー)」の大学院の演習、学部の講義に僕も何度も参加して学び議論した。当時ベッツ教授は学部生に受講前に映画『プライベート・ライアン』視聴の予習課題を出した。アメリカ人はハーバードやコロンビアなど大学や大学院でエリート学生が毎日戦争について学び議論している。そんなアメリカに日本が戦争で勝てるはずはない。ではどうやって戦うか、どうやって独立するか、どうやって在日米軍基地をなくすか、僕も40年間そればかり考えてきた。
 ノルマンディ上陸作戦について僕が初めて知ったのは中学1年生でテレビで映画『史上最大の作戦』を見たときだった。タミヤのミリプラを作りまくりジオラマ作製の参考のために戦争映画を見まくっていた。ネットがない時代テレビ画面の情景をカメラで撮影した。全くのシミュラークルだ。
 僕がノルマンディ上陸作戦のリアル戦場写真で一番好きなのはロバート・キャパのこの一枚だ。キャパ展でも観た。バリケードだらけの浜辺に上陸する兵士の前に入り、背中からドイツ軍兵士の銃弾が降る中で撮影したもの。至近距離のピンボケがリアルさを増す。文春文庫版『ちょっとピンぼけ』表紙にもなっている。
 ナチスドイツに占領されたフランスを解放するためにどれだけの連合軍兵士の命が失われただろう。独立戦争でフランスから支援を受け「自由の女神」を譲り受けたアメリカは命懸けでフランスを解放した。ロバート・キャパはパリ解放も撮影した。自由と人権はそうした命懸けの戦いで守られた。
 第二次世界大戦でも黒人部隊や外国人部隊で、一部の黒人や日系人ら有色人種もアメリカ国家に忠誠を尽くし戦い死んだ。それは市民権を得た現代戦では当たり前のことになった。ならば黒人もヒスパニックも中国系も日系も自由と人権が平等であるはずだ。そんな反差別抗議デモの中の今年のD-Dayはどうなるか。

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