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フィアンセビザ(K-1ビザ)にたどり着くまでのすったもんだ【後編】

フィアンセビザを申請するに至るまでのすったもんだ、後編です。

【前編】はこちらからどうぞ。


プロポーズへの道のりは?

見出しとは矛盾しますが、現在フィアンセビザ取得のために準備しているので、一応ステータスとしては「婚約」になると思いますが、結局プロポーズはされていません。

ぶっちゃけ、アパートの更新前(東京のアパートは概ね2年毎の更新です)に渡米しようなんて言ってたから、同棲し始めてから1年くらいでプロポーズされて、準備が進み出すんだろうなと思っていました。

…と思っていたら、いつの間にか2年経ってしました!(笑)びっくりするくらい無風で、何の匂わせもない日常でした。彼が本気でアメリカに住もうと考えている=結婚を前提に=きみを幸せにするよ、ついてきてくれ!とプロポーズ…という日本的な思考がどこかにあったことは認めます。

一方で、彼の方は東京から離れるための下準備はすこしずつやっていた様子です。
例えば、近い将来日本を離れるつもりだと上司に話し、職場で根回しをし始めていたり、アメリカの税理士とも打ち合わせをしてアドバイスをもらっていたみたい。

「アメリカに住もう!」という話が出てからしばらく時間は経っているし、具体的にどういう段取りですすめるという話は全く出ていないけど、彼がアメリカに引っ越すという意思は固そうです。

それでも、特に私に対するアプローチ的なものは無く…。日々の生活の中では私に対する愛情を感じますが、プロポーズの予兆もなにもありません。バレンタイン、バースデー、サンクスギビング、クリスマス等のディナーのたびに「もしかして?」と若干ドキドキしていましたが、毎回無風で無事故無違反。

そんなかんじだったので、しびれを切らした私はアメリカのビザに関していろいろと(つまり、こそこそと)ひとりで調べまくりました。結果的に、前編で書いたように、就労ビザや学生ビザは無理そう。フィアンセビザか配偶者ビザがないと私はアメリカに一緒に行けない。そしてこのビザの取得には1〜2年かかるみたいだ、ということが分かってきました。

もう私の頭の中では、「結婚しか無いはずなのに、アイツは何をぼんやりしとるんだ?」くらいの気持ちになっていました。

とはいえ、移住の話はするけど結婚の話なんか出ていない、というのがれっきとした現実。それでもこのまま私がじっとしていたら何も無いんだろうと悟った私は、意を決してビザについていろいろ調べたけれど、彼の協力(スポンサーになってもらうこと=結婚すること)が必要であることを伝えました。それが2018年10月頃です。

彼の反応

その時の彼の慌てた表情は未だに忘れられません(苦笑)


「………………………………。
え?
え?
ん?
ん?
ちょっとまって?

え…………………………っと…………………………

ワーホリにしたら?(←アメリカにそんなものはない)
就労ビザをとったら?
なにかアメリカで勉強することは考えた?
配偶者ビザ取得にそんなに時間がかかるなら、就労ビザで一度入国して試してみようよ。だって、アメリカに馴染めなくて結局日本に住むことになったら、配偶者ビザの申請の手間が無駄になるし(←これが一番意味不明)

僕はアメリカに移住する準備を着々と進めてたのに、きみは何もしてなかったんだね(呆れ顔)」

とまぁ、支離滅裂な発言も含め、かなり面食らったようであたふたしていましたし、最後には捨て台詞まで。そう、彼からしてみたら”きみのビザはきみの問題、だからセルフサービスで”の予定でした(笑)

おそらく”アメリカは人種のるつぼ、色んな国から来た人が共存している、開けた国”と彼は感じていたんだと思うし、ぶっちゃけ私も調べる前はそう思っていた一人でした。彼としては、偉大なるアメリカはオープンな国で、犯罪者や明らかに悪意のある人以外は受け入れてくれる、アメリカンドリームを叶えたい、やる気のある人へは寛大な国だと思っていたんでしょう。

また、自分自身も外国(=日本)で仕事して暮らすことに成功しているので、努力の問題だという意識もあったと思います。

なので、「え?ついでにビザも、結婚も手に入れようという魂胆…!?」ととっさに怯んだのかもしれません。彼の計画としては、しばらくアメリカに一緒に住んで、良きところ(←いつだよ)で結婚したいと思っていたようです。

私が口火を切ったことで瞬間風速は竜巻のようになり、お互いにかなり険悪な状態になりましたが、お互いの本音や胸の内を話すきっかけにはなりました。

アメリカ人がアメリカを過大評価するのは、あるあるなので今更驚きませんが、ここまで見通しが甘くて楽観的だったのか、と人のことを棚に上げて愕然としました。

ぶっちゃけ、アメリカ人だし、フラッシュモブとかやっちゃう国の人だし、プロポーズはいつか自分から…って思ってたんじゃないかと思ってました。だから、そんなロマンチックなプロポーズの計画を壊したら申し訳ないし、なんて余計な心配をしちゃったりしていました。今思えば、恥ずかしすぎる(笑)
結局そんなの待ってられませんでしたし、彼が動き出すのを待た無くてよかったと思います。そもそも私のビザのことは彼の頭の中になかったことが分かったのはかえって良いことでした。

感情論で、ビザにかこつけて結婚を迫る女だと思われたくはなかったので、話すときはエビデンスもちゃんと示したつもりです。
できるだけ日本のブログ等ではなく、英語のサイトや当局のサイトに書いてあることを見せながら説明しました。が、私がネットで調べた情報だけでは不満そうというか、バイアスがかかっていると思っていたのか、納得いかない様子でした。(あいつめ…)

ということで、結局ビザ専門の弁護士にアポを取り、調査と面会だけに約5万円(!)を支払い。

**

弁護士のアドバイスは?**

まあ、結論からいうと弁護士から伝えられた結果は同じでした。
(まじで二度手間)

私の経歴では就労ビザ取得はかなり無謀。
現在恋人関係にあって、将来的に結婚も考えているのであれば、語学学校に行く目的での学生ビザでの入国も勧めないとのこと。というのも、将来結婚する事になった場合、入国時点で私と彼がお互いに恋人だったことがわかれば、学生ビザの申請理由に虚偽があったと疑われ、強制出国&入国禁止の可能性があるということでした。

従って、フィアンセビザか配偶者ビザの二択になります、という回答をありがたく頂戴しました。

まだ結婚もしていない我々にとって、2つの選択肢の大きな違いは以下の3つです。

・いつ結婚するか:すぐに配偶者ビザを申請するためには今すぐ日本で結婚してビザを申請する必要がある。フィアンセビザは、米国入国後90日以内(なのでだいぶ先)。
・申請から発給にかかる期間:フィアンセビザ<配偶者ビザ
・弁護士費用:フィアンセビザ>配偶者ビザ(グリーンカードを申請するまでのトータル費用で計算した場合)

数日前まで、「きみのビザはきみがなんとかするもの」と思っていた人が、「よし、ならば結婚しよう!」となるはずもなく、1週間ほど悩んだあとフィアンセビザのスポンサーになる決断をしてくれました。

ちなみに、私のパートナーは日本の企業で働いていて、在留カードを持っています。仕事もいわゆる正社員で安定しているので、日本に住むために私と結婚する必要なぞもありませんでした。つまり、米国移住や結婚についてはほとんどの課題が私の課題ということです。

申請にはどれくらい時間がかかる?

ちなみに、フィアンセビザより、配偶者ビザの方が日数はかかりますが、永住権(グリーンカード)申請までのステップ数は結果的に少なくなります。また、アメリカ国外ですでに入籍している公的事実があると、揺るぎないカップルであるという証明の後押しにもなりますので、フィアンセビザより配偶者ビザの方が更に申請は通りやすいと言われています。(ちなみに”米国人と結婚している=自動的に米国に住める”ではありません。配偶者ビザを持っていないと、結局米国に住むことはできません)

とは言え、日本人のパートナーであれば、よほど複雑な経歴(色んな国を移り住んでいたとか、アメリカと敵対している国の出身であるとか、犯罪歴があるとか)でもない限り、書類さえきちんと用意すれば申請は通るようです(私調べなので、感覚ですが)。

弁護士からは、もし入籍の意志がすでにお互いにあって、時間が多少長くなっても良いというのであれば、配偶者ビザの方を勧めますと言われました

<申請→発給までのおよその期間> ※2018年11月時点の情報
配偶者ビザ:12~24ヶ月
フィアンセビザ:9〜15ヶ月

そう、恐ろしく長いです。

私も調べるまで、よく分かっていませんでした。せめて数ヶ月だと持っていました。今思えば、「アメリカに引っ越そう」発言の翌日にでも調べればよかった!それくらい、申請は気の長いはなしになります。

特にアメリカ人の方は、過去に自分の身近な人が移民として苦労していたり、職業が弁護士でもない限り、外国人がアメリカに住むためのビザのハードルがここまで高いと気づいていない可能性が高いです。アメリカに住もうと決意したら、翌月から引越し先のアパートを探すのと平行して準備して、仕事をやめたらすぐ渡米!くらいに思っているかもしれません。

自分もアメリカ人のパートナーもビザに関しては素人と心得ましょう。

確かに、日本人である私が、日本に住む外国人のビザの種類、保険、マイナンバー等についてよく知らないのと同じなので、そこはお互い様かな。

というわけで、長くなりましたが、私達がフィアンセビザにたどり着いたきっかけは、「私の脅迫」でした(笑)

ちゃんちゃん。

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