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33歳・会社員。仙人になれないから、居酒屋でアルバイトをはじめた話。(世田谷アメ子)

世田谷アメ子です。

もしも、この場が『クイズ 正解は一年後』の一年後なら、
最後に記事を投稿したあの日から、いまここに書き記す今日の正解を
「正直、状況は一年前とあんま変わらん」
「不安・あまりにも・変ワランチ会長」
と発表する自分の姿を想像します。(ああ、どうしてもダジャレが言いたい…)

一年前、それまで生きてきたなかで初めて経験する「#STAY HOME」期間中に創刊されたWebZIN『吹けよ春風』。今回は「まん防」という新概念のただなかで一年ぶりの復刊となりました。まずは編集長の相馬君、機会をどうもありがとうございます。感謝のジャニーズ・カンシャニ8。(どうしてもダジャレが言いたいし、聞いてほしい……!)


ダジャレ以外にも聞いてほしい話があります。
それが表題の「33歳・会社員。仙人になれないから、居酒屋でアルバイトをはじめた話」。

題の通り、今年の2月から、平日はフツーに会社員としてはたらきつつ、
居酒屋でアルバイトをはじめてみたんです。週一で。

その理由は、人生いろいろあった ―こういうときの「いろいろ」って悲しいくらいに便利で、私の人生劇場はたったの4文字に集約されてしまうのかといつも思う― ことに加え、ちょうど『吹けよ春風』と同じ頃に始まった完全在宅勤務が、本当に、本当にしんどくて、何とかせにゃならんと思ったから。時代と逆行するようですが、完全在宅勤務《フルリモートワーク》それは、隔離されたひとり暮らしシェルターの中で、モニター越しのコミュニケーションのみが許された心の軟禁生活…と感じてもうホントに参ってしまっていました。わたしね、山に籠って己を磨く仙人には絶対になれないタイプの人間だと改めて気づいたんです。人里に降りたい。人の居る里で体を動かし、会って話がしたい……

ちなみにいろいろの経緯などは個人のnoteに書いています。
引っ越ししすぎだよ。マジで。


当時、このあまりにも精神衛生上良くない状況に対して、何か打ち手はないかと考えていました。ぼんやりと浮かんでいたのは、以下の3つの選択肢。

1. ジムに通う
一日100歩も動かず心身共に弱体化していたので、潔く筋肉で解決したい。
2. 習い事を始める
 そういえば血迷ってトランペットの体験教室に行ったりしたこともあった。
3. 飲食店でバイトでもはじめてみる
新しい街に引っ越したばかりというのもあり、街と人を知るのにちょうど良いような気もした。

タイミングなども手伝って、このなかから「3.飲食店でバイトでもはじめてみる」を選んだわけですが、結果これが、めっっっっちゃ良かったんですよね。

まだまだ続きそうなwithコロナ生活において、言葉にできない息苦しさを感じているかたも多いのではないかと想像します。
以下はそんな、まんまとコロナでしんどくなっちゃった仙人になれない一人の会社員が、「居酒屋でアルバイトをはじめる」ことで心身を健やかにする試みの体験記です。実際に2ヵ月間アルバイトをしてみた所感を、メリット・デメリットというかたちでお伝えしたいと思います。


まずはデメリットから。正直メリットのほうが断然大きいので、当たり前っちゃ当たり前のデメリットを先に2つ。

◆デメリットその1:休みの時間が削られる
そりゃそうだ。だって平日は普通に働いているものね。アルバイトをはじめたての頃は新鮮で、「楽し~~こりゃ週2,3でもいいわ!」と思ったりもしていましたが、1か月もすると、週一or二週間に一回くらいが一番ちょうどいいことに気が付きます。自分の時間も大切に。
◆デメリットその2:副業申請とかなんとか
その辺はうまくやってくださいとしか言いようがない。公にいうのもアレがあれなんでゴニョゴニョ… 方法はいろいろあると思います!


さて、本題のメリットですが、一言で言うなら「めっちゃある」。
大きく分けると、以下の4つです。

◆メリット1:大きな声を出すのが楽しすぎる
知能がゼロの感想ですが、これはもう、”真理”。
自宅にいて、居酒屋デシベルの
「イラッシャッセ~~~~!!!!!!」
「アーーーーータシターーーーー!!!!!!」

なんて叫ぶことはまずないでしょう。これが本当に心に良い。気持ち良過ぎる。最近思うのは、これはお客さんを出迎える意味だけでなく、スタッフ自身の元気のドーピング行為なので、もはや叫べばなんでも良いような気さえしています。「イラッシャッセ~~~~!!!!!!」「イ~~~~~~らっしゃせ~~~~!らっしゃせ~~~~!」と言って魚市場風にしてみたり、拡張性も高いです。
◆メリット2:働きながら酒が飲める
これもまた知能を失った人間の享楽的な感想ですが、酒呑童子にとってはこれもまた、”真理”。
もちろん働くお店にもよると思います。私が所属する居酒屋は、お客さんから一杯ちょうだいすることもしばしば系のスタイル(スナックではない)でやらさしてもろてますといった雰囲気なので、なんかもう普通にタダ酒を飲めて得をしている。気がつけば皆、黄桜の河童の作画になっています。
◆メリット3:月収2万円プラスから生まれるゆとり
アルバイトを始めた目的は心身の健康維持。つまりお金が目当てではないのですが、やはりお小遣いレベルでも収入が増えることは生活のゆとりにつながり、精神の安定に確実に一役買っていることが分かりました。
前述には3つの選択肢がありました。考えてみると、目的を果たすためにお金が出ていくことはあっても、入ってくるのはやっぱりアルバイトだけなんだよなあ。得られるものが同じなら、出るより入ったほうが良いですよね。
始めた当初は、飲み屋で稼いで飲み代に使うぞ!と荒っぽいリサイクルを意気込んでいたものの、営業時短要請などがまだまだ続き実際にはむずしいため、最近はちょっと良いパンなどに課金しています。うふふ
◆メリット4:安全圏から、変な人たちに出会える
最近「変な人」たちに、出会ってますか?ここでいう変な人たちは、愛すべき、少し変わった人たちのこと。私はそういう人たちが大好きです。しかし、年齢を重ねるにつれ、そもそも「変な人」って会いにくくなりません?
お酒を提供する場には様々な人たちが行き来します。なにを話しかけても野球の話しかしない通称・野球兄(にぃ)、自分はフリーメーソン会員だと吹聴する建築会社社長(”秘密”結社じゃないんかい)、同い年の子と結婚したのに本当は50オーバーの熟女が好きで、高円寺に単身赴任しながら埼玉の酒場で熟女ハントにいそしむ三十路男子…など、つぎはどんな”””強え奴”””に会えるんだ!オラ、ワックワクすっぞ!を、居酒屋のアルバイトでは、スタッフという立場で安全圏から楽しむことができるのです。



以上です。

やっぱりなんでも「楽しい」が原動力となって動くことは良いことです。それが何かは人それぞれではありますが、これからも「楽しい」を食う鉄の馬として走り続けることで、心と体の健やかさを保ち続けていきたいとしみじみ思いました。

これは、仙人になれない一人の会社員の物語―――
から始まる壮大なストーリーではありませんが、行動したことで小さく心が弾み、救われた話です。
どうにも行き詰ってしまったときは、ひとつ、こんな変化球もあるよということでご紹介させていただきました。(野球兄とかかった感じになっちゃいましたが違います。)

お時間ある方はぜひ、わたしの
「イラッシャッセ~~~~!!!!!!」
を聞きに、阿佐ヶ谷に遊びに来てくださいね。



世田谷アメ子
イマジナリーねこの飼い主。阿佐ヶ谷でアルバイトを始める。
趣味は、格好の良い苗字をメモすることと、パンに課金すること。
お店が気になるかたはご連絡もらえるとうれしいです。

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