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【Vol.6】おもしろいから、やりたいから、やる。信用ほど価値があるものはない|梅田直樹さん in 伊豆下田

皆さんこんにちは。新しい働き方LABの3期生として活動している、ライターのふかとみです。

私は今、LivingAnywhere Commons(以下:LAC)の各拠点を訪れながら、そこで暮らしている人たちの話を聞いて、自分の人生を見つめなおす企画に参加しています。

LACとは?
1泊から月額定額まで、ライフスタイルにあった利用方法が選べる長期滞在可能な全国に点在するワーケーション施設です。

LAC |全国のワーケーション施設を月額定額や1泊単位で利用可能 (livinganywherecommons.com)

6月にはLACつくば、館山に短期滞在しました。

そして7月。夏!海!の季節です。
そう。LAC伊豆下田にやってまいりました。


伊豆下田の『with a tree』へ

倉庫でわいわい

LAC伊豆下田に着いた初日。

「明日、コドモノDISCOがあるんだけど、行く?」
 …コドモノDISCO???
-- 「行きます!」

とりあえず返事をしてしまった私は、なんだかすごい場所に足を踏み入れていたことに気付いていませんでした。

当日行ってみたら、子どもたちがたくさん。
読み聞かせをしたり、DJの音楽に乗って踊ったり、おしゃべりしたり…。
下田で行われた『with a tree(ウィズ ア ツリー)』というプロジェクトで、空き倉庫をDIYし、みんなが楽しめる場所をつくったのだそうです。

よく見てみると、なんとDJをしていたのはシモカタさん。
さらにランサーズの根岸さん、LAC伊豆下田の前コミュマネの樹さんやアンバサダーのゆまりさんもいて、「何だココは!」状態。

オンラインで見かけた人と、ローカルで会う。
おもしろすぎ…!

そして、この場所をつくろうと動き出したメンバーの一人が、梅田直樹さんなのです(以下:親しみを込めて梅ちゃんとお呼びします)。

実は、LAC伊豆下田の2代目コミュマネさんでもあります!

▼梅ちゃんのことを知るなら、ハマさんの書いた記事がおすすめ。ハマさんのお話もしてくれました。

▼『with a tree』について詳しく知りたい方はこちら。

梅ちゃんのやっていること

梅ちゃん

ーー 梅ちゃんは、"何をしている"方なんでしょうか?

プロ無職!
この倉庫がなんにもなかったところから始めて、4月からDIYをして。「優しい世界をつくりたい」って実験してるだけ。

ーー なぜその実験をしようと思ったんですか?

なんで?いや、魂がふるえたから!
過去の仕事が嫌だったとかじゃなくてさ。前の仕事のときも超幸せだったの。でも、今の方が超~~幸せ。

"何をしているか"について、具体的には、普通に海の家でもバイトしてるし、夜もバイトもしてるし。でも、行政や企業とも仕事してる。おもしろいでしょ。

(魂がふるえたから?なんだそれは…!!)

みんなでDIYした倉庫

梅ちゃんの好きな言葉

ーー 梅ちゃんの人生観についてお聞きしたいです!

僕、一番好きな言葉が「どこにも属さないことに不安を感じないような芯の強さと軽さを持てたらいいね」って言葉。
これめっちゃいいでしょ?『relux(リラックス)』というカルチャー雑誌の背表紙に書いてあったことなんだけど。僕は27歳のときにこれを見て、「あ、僕はこういう生き方をするんだ」って思ったんだよ。

僕は自営業もやっていたけど、ちょっと前までは会社にいてさ。軽さも、芯の強さも持っていないと「個」にはなれない。だからもう一回「個」になってみよう、って実験を始めたわけ。
ダメだったらまた変わればいいし。そういうことをやっているのが楽しいんだよね。

ーー 「楽しいから、やる」なんですね。

そう!それはいつも思う。「お前ユーモア持ってんの?」って。

ーー 会社を辞めることや、何かに属さないことへの不安はないんですか?

不安は持っておいた方がいいけどさ。
僕は中卒だし、長く自分で商売もやってて、前の会社の給料よりも稼いでいたこともあるし。

でも、このままいくと僕の人生こうなって、こうなって…っていうのが見えて怖かった
自分のこれからの人生がわかっちゃう方が怖かったんだよね。

だから今は実験をして、もし食べられなくなったらバイトすればいいと思ってる。

こうやってイベントをやるにしても、お金もかかるわけ。
でもさ、本当にやりたくないことだったら、やらなきゃいい。だって無理して汗かいてさ、踊んなくてもいいじゃん。着ぐるみ着なくてもいいじゃん!※

やりたいんだよ!!
やりたいから、やるんだよ。

※梅ちゃんはイベントで、ピエロの着ぐるみを着て汗だくで踊っていました。

子どもたちと踊る

これからのこと

ーー 梅ちゃんがこれからやりたいことを教えてください。

僕はたけちゃん※や、ココを好きな人たちと、楽しいことを「ユーモアと丁寧を大切に」形にしていきたい!

※山本剛生(やまもとたけお)さん
『with a tree』のオーナーで、梅ちゃんの幼なじみ

地域のことをやろう、とかじゃない。たけちゃんの楽しいことと、僕の楽しいことが、たまたま地域のことだった、っていうだけ。超わがまま(笑)!

僕は、いい友達といい時間をつくってるだけ。生産性もないし。
ただ、これからの世の中って、それが生産性になるんじゃない?って思ってる。だって、たけちゃんも僕もそれでも食べて行けてるから。

ーー やりたいことをやるために発生する、"やりたくないこと"はないですか?

やりたくないことはやらない!やってない。

やりたくないことがあってさ、「それだと食えないじゃん」って言われるでしょ。でも僕は「食える状態にすること」も、やりたいことだと思ってる。

だから昼も海の家でバイトするし、夜もバイトする。トリプルワークくらいやってるよ。でも全部やりたくてやってる。別にお金じゃない。

ーー お金を稼ぐために働くわけじゃない、ということですか…?

結果を見るとお金を稼ぐことにつながるんだけど、僕は仕事もらうときに、「時給じゃ仕事しない」って言う。
時給○○円で、じゃない。

「忙しいから手伝ってくれない?梅ちゃんにお願いしたい」
梅ちゃんだから頼みたい」

こういうことなのよ。

今日のイベントも僕はお金を払っていない。でも、みんな「梅ちゃんがやるなら」ってお菓子やジュースを持ってきてくれる。遠いところから手伝いに来てくれる。

信用ほど価値があるものはない。

君がお金持ってなくても、超仲いいやつにはお金出すでしょ?
価値が、円じゃないの。ご縁だから。

自分が調子いいときは売り上げがあるからいいけど、そうじゃないときもあるでしょ?だから実験してるんだよ。
「なんで梅ちゃんそれやってんの?」って聞かれるけど、「なんかおもしろそうだから」って。

おもしろいことって、人生でそんなにないじゃん?

ーー たしかに…。

そうでしょ?もし君がそう思ってくれたら、「おもしろいって思える日がもっとあったらいいな」ってなるじゃない。
そうしたら、おもしろいことを探しにいくじゃない。

それで目が肥えてくると、本当におもしろいものは何だろう、自分のユーモアは何だろう、って考え始める。それがオリジナリティになるんだよね。

ーー そこから自分らしさが生まれるんですね。

そう。だから、別に価値が何かはわかんないけど、僕がやりたいことをやってたら、ちょっとは応援されるようになって。だから自分がやっていることを、50歳になっても「曲げなくていいんだ」って思えたわけ。

でもローカルだと、僕みたいな生き方に対して、「お前どうやって金稼いでんの?」ってわかんないと思うの。
だから、それをゆっくり伝えていけたらな!下田らしいbeat感で!

そのためには場が必要。だから僕は、この倉庫を選んだ。
だって入り口が開いてるから誰でも入れるじゃん。入り口が付いていたら、何かあったときすぐにドアを開けられない。入り口を開けていると、誰でも入ってきそうで変なやつが来ない。多様性が生まれて、優しい世界ができるんだよね。

だから場をつくるときは、入り口を開けるといいよ!!

ーー 「優しい世界をつくるなら、入り口を開ける」ですね。
私もおもしろいこと探しをして、自分のユーモアを見つけに行きます!

誰でもウェルカム

インタビューを終えて

インタビューの本質

お話を聞きたいと言った私に、梅ちゃんはこう言った。

「じゃあまずは自分の話から始めよう。
君が自分の人生を話してくれたら、僕のことを話してもいいよ」

インタビューとは、相手の話を聞くものだと思いがちだが、そうではない。人の話を聞きたいなら、まずは自分のことを開示せよ。
梅ちゃんは本当に大切なことを教えてくれたのだ。

そこから私は自分のやっていることや考え、何に悩んでいるか、などを梅ちゃんに話した。

実はこれも、信用。
「自分のことを噓偽りなく話してくれたあなた」になら話してもいいよ、と。

「あなただから」

自分はこれまでこの意識があっただろうか?
あなただからお願いしたい、と言ってもらえるような仕事をしてきただろうか?そういう人間関係を築いてきただろうか?

本質的なことを突き付けられたような気がした。

優しい声かけ

コミュニケーションのコツ

また、梅ちゃんが誰とでもすぐに打ち解けている様子を見て、どうやってコミュニケーションを取っているのかも聞いてみた。

恥をかいてもいい、って思ってるよ。
あと、この先の人生で「梅ちゃんと話したことが人生を変えたんです」ってなるなら責任重大だけど、普段の会話ではそんなことにならないじゃん。ならないなら、気にもならない
そのくらいなのよ、人の人生って。

と答えが返ってきた。

私は、初めて誰かに挨拶するとき、
「こう思われたらどうしよう?」
「どんなふうに見られてるかな?」
「こんな言い方したら失礼じゃないかな」と頭の中で考えてしまう。

でも、普段の会話がその人の人生を変えることなんてほとんどないし、別に失敗したって、恥をかいたっていい

何を気にしていたんだろう、私は。
(そう思いながらも、すぐに行動が変えられないのがもどかしいけれど)

なんだかちっぽけな悩みだったんだなぁ~。

いろんな本もあるよ

シンプルだけど難しいこと

「やりたいことのためには、やりたくないこともやらなきゃいけない」

そんな固定観念を持っていた私に、こんなにまっすぐでパワーのある梅ちゃんの言葉が、ぐさぐさと刺さった。

やりたいから、やる。
やりたくないことは、やらない。
おもしろいこと、ユーモアを大切にしたい。

やりたくないことをやる暇があったら、おもしろいことを探してみようではないか!やりたくないことは、やらなくてもいいのだ(やらなくてもいい環境をつくろう or 食うために稼ぐことも、やりたいことだと捉えてみよう)。
そして、人と人のコミュニケーションと信用を大切にしよう

梅ちゃんの話すことは、言葉だけ見ればシンプルに聞こえるけど、実践するのはとてつもなく大変。
というより、そうしたいと思いながら実践できていない人の方が多いのではないだろうか。

私がやりたいこと。
おもしろいと思うこと。
それって何だろう?

LACでの旅が、この問いの答えを見つけるものになったらいいな。

***

インタビューにご協力いただいた梅ちゃん、本当にありがとうございました。

人生わくわく生きていきたい!自分がおもしろいと思うこと、やりたいことに、まっすぐ向かっていきたい。

やりたくないことにがんじがらめになっていたり、何だかつまらないなって感じていたり、そんな自分に喝を入れられたような気持ちです。
自分の心と向き合うきっかけを与えてくれて、ありがとうございます。

また、素敵な出会いを紹介してくださったシモカタさん、キタツジさん、ともさん、根岸さん、LAC伊豆下田の皆さん、ありがとうございました!

大切なものを大切にしている場所


最後まで記事を読んでいただきありがとうございます^^読んでいただけることへの感謝の気持ちを忘れずに、丁寧に言葉を綴っていきたいです。どこかでお会いしたらぜひお話を聞かせてください!