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【未来の教育No.2】社会人のオトナと話すことで気づきを得る

随分と間が空いてしまった「未来の教育」編ですが、これが私的に本当にやりたい事なので、ちゃんと少しずつ書き進めようと思います。

先の未来の教育No.1では、未来想像・創造授業全体のイメージと、それによる生徒の学びについて述べました。

今日以降は、その未来想像・創造授業に入れていった3点:

  1. 仕組み

  2. エッセンス

  3. そこで得られた効果

について色んな角度から触れていきたいと思います。

まず今日触れる仕組みは「オトナとの会話」です。

私がデザインする授業において大事にしていることが「オトナとしっかり話してみること」です。これを、すべての授業に対して入れてきました。

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①仕組み「オトナとしっかり話してみること」

私の授業では、4,5人のグループに分かれてワークショップをしていただいてます。その時に、各グループに1名ないしは2名のオトナを入れます。

授業全体の骨子は以前挙げたように

「ありたい未来を考えることで、自分の本当にやりたい事をみつける」

です。

計6回程度の授業の前半で、ありたい未来を考える為の知識を学んでいきます。私が持っているのは"Society5.0 for SDGs"という自作の1時間弱の教材であったり、会社にお願いしてショールームを見学させてもらったり。そして"HiNT for 2050"という有識者が語る「2050年、こうなっているかも?」という内容をイラストを付けてカード化したものを勉強したりします。

そして中盤(第3,4回あたり)からオトナに入ってもらい、自分が考える「ありたい未来」について考えるタイミングで会話を重ねます。自分が考えていることに対し、オトナ側は「こういう懸念があるかも」だったり「難しいかも」であったり「これ、いいね!」であったり意見を出していきます。生徒さまには真摯にヒアリングをしてもらいつつ、疑問をオトナにぶつけていきます

そこで得た知見を基に、自分の「ありたい未来」を考えてもらいます。

HiNT for 2050の例①
HiNT for 2050の例②


そして後半では「その未来において、自分はどんな役割を担っていたいか?」という質問をベースに、自分のやりたい事を考えもらいます。

そのフェーズにもオトナに入ってもらうことで、社会的な角度から様々な意見をもらい、学んでいきます。

②エッセンス「オトナ側が、生徒と同じ目線に立つこと」

これが仕組みの中に埋め込むエッセンスです。結構難しい。

オトナどうしても学生に対しては「教えてやるぞ」という立場で臨んでしまいます。別に、自分の能力を自慢したいわけではなく、自分より年下、子供くらいに年が離れた人に対しては利他の精神も込めて「教えてあげないと」と思ってしまうのです。これはもう3周くらいプログラムを回した結果、明らかにやはりそうなってしまうことが分かりました。

そこを、我々運営が事前のオリエンテーションなどで、オトナに対し:

未来どうなるかなんて誰も分からない。ガラケー使ってた時代に、すぐそこにスマホの時代が来るなんて分からなかった。未来に対し考えるという能力に関しては、オトナも子供も大きな実力差なんてないはず。
なので、ぜひ生徒には同じ目線で接してもらい、お互いの意見と価値観を共有することに注力して欲しい

と伝えます。
このひと手間で、ワークショップのクオリティが大きく変わります。
オトナの意識も変わるし、生徒側も「あれ?このオトナしっかり意見聞いてくれるじゃん?」となり、しっかり意見を戦わせてくれるようになります。

③効果

生徒が得られる効果は下記です。

  • 自分の意見をしっかり出せるようになる

  • オトナに対しても物怖じしなくなる

  • 他人に喋る/プレゼンする能力が高くなる

の3点です。これは、私の研究テーマである「自己効力感の向上」にすべて役立つものになります。

一方、オトナにも「今の世代は、こういったことを考えているんだ」という学びになります。そして、やはり「生徒の成長に貢献できた」という成果も得られ、自己満足感が高まります。

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以上が、オトナと話すことを授業の中に入れる効果でした。

生徒の授業は日中に行われるので、日中働いている「オトナを入れる」というのは結構大変です(汗)
私は会社の枠組みを使わせてもらったので、自分のプロジェクトのメンバーであったり、社員ボランティアを募って対応していました。

上記をなぞらえるだけでも効果があると思いますので、「総合的探求の時間」でワークショップなどを行う場合はぜひ試して頂ければ幸いです!
(何かありましたらご相談くださいませ)

今日も読んでいただきありがとうございました。
ぜひ、ご感想ありましたらお聞かせ願えればうれしいです。
合掌。

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