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story.03 寸景の神楽坂

「もんぺが欲しい」

少し前から「うなぎの寝床」のもんぺが欲しくて悶々としていた。

長野にある山の上のパン屋さんで有名な「パンと日用品の店 わざわざ」の影響だ。でもできれば試着して買いたい。神楽坂で買える店があるとわかり、夫と行ってみることにした。

「jokogumo」と書いて、よこぐもと読むそのお店には、いろいろな生活雑貨が丁寧に置かれていた。お目当てのもんぺを見つけ、リトグリにいそうな雰囲気の店員さんに話しかけ、試着をお願いした。いろいろ試して結局2着をお買い上げした。

帰りは別のルートから駅を目指した。

神楽坂は、地名に坂がついているとおり、坂や階段などが多い。

中には路地を入った先にその高低差を利用した公園があり、思わず遊具で遊ぶ夫を写真に収めていた。

日常の中にある非日常は、案外簡単に見つかる。

欲しいものを探しにでも、そうでなくとも、行ったことのない町、歩いたことのない道をいけば、それがいつでも「旅」になる。

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