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選ぶということ、選ばれるということ

一度就職して組織に入り、そこに居続けると、そこにいるだけでなんだか「できている」気になってくる。そして、「ここじゃなくても、自分はやれるんじゃないか」「もっといい条件のところがあるんじゃないか」と、だんだん勘違いもし始める。

けれど、組織を離れて一人の人間になった時、一体自分に何ができるのか、それは究極的には、実際に出てみないことにはわからない。

先日、登録していた転職サイトを通じて、転職エージェントからオファーがあり、これまでの経験を活かせそうかもと思った私は、その選考を受けることにした。すると書類選考を通過し、一次面接を受けることになった。

誰かに見定められる、という場が久しぶり過ぎて緊張したが、準備していたことは伝えることができた。けれど正直、あまり手応えはなかった。相手が自分にあまり興味を持っていないな、というのは、話していたらなんとなくわかってしまう。

早々に相手からの質問はなくなり「逆に質問はありますか」と聞かれた。用意していった質問、そして、その場で気になったことをいくつか聞いて、予定より早く面接は終了した。

正直、落ちたな、と思った。これまでの職務経験を活かせたら、ぐらいの気持ちで、安易に転職活動をした自分のせいだ。その会社でやりたいことを、強くイメージできなかった。だから、当然、相手も自分に興味を持てなかったんじゃないか。

同時に、今の職場に自分がいるということは、「職場から選ばれている」ということなのだという、至極当たり前のことに意識がいく。選んだ相手に選ばれている、そのことに感謝しなくては。

ずっと一緒にいると、悪い面ばかりが気になってきて、いい面が見れなくなってくるのは、人間関係だけではなく、職場との関係性も同じかもしれない。

時々、職場から離れて、自分と職場との関係性を俯瞰してみる、そんな機会を持つべきなのかもしれない。それが転職活動かどうかは、別の話として。

帰宅して、仕事から帰ってきた夫に一通り話をすると、

「今会社にいるってことは、それだけでアドバンテージだって、前に話したじゃん」

と言われた。

***

後日、エージェントから連絡があり、予想通りの結果を受け取った。

転職するなら、やはりその会社の事業に興味を持てないと厳しいのだと、身を持って体感した。仕事内容や待遇で決めたような決意を、自分が経営者なら選ばない。

今、職場でやりたいこと、アイデアを思いつけるのは幸せなことだと改めて思った。なんだかんだでそういう熱意が、自分を動かし、周りを動かし、ひいては組織や事業を動かしていくのかもしれない。想いを大事にしていこう。

#ひとりごと

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