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宝くじな夫。

えーっと、今日は私の夫についてかいてみようかな。私の夫は体が大きく、気は優しくて力持ち。ちょうどいい鈍感レベルも持ち合わせている。私の自信満々で自分勝手なところが好きだというのだから、結構変わっていると思う。

責任感が強く、待ち合わせ時間で絶対に誰かを待たせたりはしない。予定時間ぴったりにつくのは罪なのか、と思ってしまうほどである。私はというと、予定時間は予定時間なのだから、なにも何十分も前につく必要があるのか?という考えなので、もちろん意見は合わない。

仕事でもそう。彼はワーカホリック気味なので、仕事がないとソワソワしている。医療職ということもあって、勉強もぬかりなくする。研鑽を積んでいるのである。部下を大事にするし、太鼓持ちもうまく先輩にも可愛がられている。そして、家事もする。子育てもする。忙しいと言い訳はしない。しかし、娘からは顔がでかいから嫌だなと言われている。私はひげがあった方が好きなのだが、娘からの評判が悪いので生やしはしない。ひげをそることで娘からさらに好かれるんではないかと思っているに違いない。

そして、変わらない。もうずっと、何年も一緒にいる。だけど、私に対する彼の態度は何一つ変わらない。恋人から妻になり、妻であり母にもなった。それでも彼は変わらなかった。いつまでも付き合ったばかりの頃の、彼女のふちゃん、というような感じなのである。妻とか母とかいうよりも、好きな人、という感じ。

喜んでほしいからと工夫することを当たり前のようにしている。私はしていない。勘違いしないでほしいのですが、付き合ったころからそうだった。サプライズも手放しで喜ぶのも、苦手なんです。

私からすると、夫になり、父になった彼はさらに魅力的になったように感じる。学生のころから勉強に追われ、社会人になっても勉強に追われている彼は、いい感じに老けてきた。それもかっこいい。

車に乗って、真剣に難しい話をしている彼の横顔が好きだ。娘にしか見せない父親の柔らかい顔も好きだ。特にどこが好きかと聞かれれば難しいけど、全体的に夫が好き。夫バカでしょうか、それでもいいなと思う。

一昔前の話だけど、付き合ってほしいと言われたとき、私は何度も断っている。彼は忙しいうえに遠距離で、彼との未来は考えられなかった。その時に彼が言った、俺はどんなことがあっても変わらない。忙しいのも言い訳にしない。その自信がある。と。そこまで言われてしまったら、もう私も信じようかなという気になってきて、遠距離恋愛が始まった。

そこからはたいして大きな喧嘩をするわけでもなく、遠距離特有の不安に悩まされることもなく、のんびりとした日々を送ることが出来た。

彼は、私を不安にさせないように、絶対に次に会う日を決める人だった。そして、会いに来てくれる人だった。

LINEがなかった時代、話し放題のプランを契約して、毎日話した。私たちはメールよりも電話の方が多かった。一日1分の日もあれば、2時間の日もあった。今考えると、なにをそんなに話していたのだろうか。よくそんなに話すことがありましたね。それでも、毎日声を聞くことに意味があったんだろうね、その当時の二人には。

書いていてすごく懐かしくなった。私は、あの時付き合うことを決めた自分に感謝している。そう言ってくれた彼にも感謝しているけれど、決断した自分を褒めてあげたい。

夫は自分をよく、宝くじに当たるよりラッキーだよ、こんな人なかなかいないよ!という。確かにな、そうだな。私の夫は宝くじ一等よりも価値があるかもしれない。今日は雨だから、夕ご飯は夫の好きな肉を焼こう。

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